ボルボ・カーズは、ベンチャーキャピタル投資部門のボルボ・カーズ・テック・ファンドを通じて、ブロックチェーン技術企業のCirculor(サーキュラー)社に投資した。
ボルボ・カーズとCirculorはここ数年、電気自動車のバッテリーに使用されるコバルトのトレーサビリティを高めるためのブロックチェーン技術で協力してきた。
Circulorのブロックチェーン技術は現在、ボルボ・カーズのバッテリーサプライチェーン全体で使用されており、ボルボ・カーズ初の完全電気自動車であるXC40 Recharge P8に使用されるコバルトのトレーサビリティを100%可能にする。
同モデルは、今年の後半からベルギーのゲント工場で生産開始される予定だ。
ボルボ・カーズがCirculorに投資することで、両社はコバルト以外にも対象を拡大し、トレーサビリティの向上が可能になる。雲母などがその一例で、電気自動車のバッテリーパックの絶縁材料として使用されている。
ボルボ・カーズとCirculorはCO2排出量のトラッキングや削減など、ブロックチェーンの技術協力を他の分野にも拡大する可能性について調査しており、Circulorによる自動車産業やその他産業における倫理的な調達基準の設定に活用。
ボルボ・カーズ・テック・ファンドによる投資は、Circulorによる資金調達活動の一部であり、他にもSYSTEMIQ(システミック)、Total Carbon Neutrality Ventures(トータル・カーボン・ニュートラリティ・ベンチャーズ)、Plug & Play(プラグ・アンド・プレイ)の3社が投資に参加している。
「私たちは、原材料の倫理的なサプライチェーンに力を入れており、Circulorとのパートナーシップはその点において非常に役立ちます。」とボルボ・カーズの調達部門の責任者であるマルティナ・ブーフハウザー氏は述べ、さらに「Circulorの継続的な技術開発を支援することで、調達業務におけるブロックチェーン技術の利用を拡大し、よりサステナブルなビジネスに貢献することができます。」と続けた。
ボルボ・カーズは、サプライチェーン全体でブロックチェーン技術を適用することでバッテリーに使用されるコバルトのグローバルなトレーサビリティを、実現した最初の自動車メーカー。
Circulorが開発した技術は、ボルボ・カーズのバッテリー供給パートナーであるCATLとLG 化学とのパートナーシップによって既に導入されている。
CATLとLG 化学は、世界の自動車産業にリチウムイオン電池を供給してきた長い実績を持つ有名な電池メーカー。
両社は、技術的なリーダーシップ、責任あるサプライチェーン、CO2排出量の削減、価格競争力といった点において、ボルボ・カーズの厳しい調達ガイドラインを満たしている。
ボルボ・カーズ、CATL、LG化学における3社間契約では、XC40 Recharge P8を含むボルボとPolestar(ポールスター)の次世代モデルに今後10年に渡り、バッテリーを供給することが約束されている。
ボルボ・カーズ・テック・ファンドは2018年に立ち上げられ、世界中の有望なテクノロジー・スタートアップ企業に投資。
人工知能、電動化、自動運転、デジタルモビリティなど、自動車産業を変革する戦略的なテクノロジートレンドに投資を集中させている。
関連情報:https://www.volvocars.com/jp
構成/DIME編集部
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