アルファードをはじめ、今のミニバンは2列目シートの快適性が超絶重要。オットマンはもちろんだが、なんといっても足もとの広さがそのクルマの人気を左右するといっても過言じゃないほど。じつはカローラシリーズに超絶広い2列目シートを持つクルマがいたのだ!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
アルファードより広くね!?!? 初代スパシオの4人乗りがただ者じゃない!! すぐ消えた2-0-2仕様がマジで謎のデキ
■カローラにミニバンもいた!? シエンタの先祖的存在のスパシオ
カローラの名を冠するだけあって、やっぱり5ナンバーをキープ。今でいえばシエンタ的立ち位置
カローラといえばトヨタを代表する車種であり、さまざまなボディバリエーションを持つモデルとしても知られている。
現在はセダンとステーションのツーリング、そしてハッチバックのスポーツにホッテストモデルのGRカローラというラインナップになっている(併売中の旧型もあり)。
そんなカローラシリーズの中で、唯一のミニバンとして1997年1月に登場したのがカローラスパシオだ。
ただカローラはサブネーム的に使われており、多く人は「スパシオ」として記憶しているかもしれない。
■レイアウトが謎すぎ!! 3列目もなんか広いゾ
こちらは6人乗り仕様。3列目へのアクセスもバツグンだったのだ
そんな初代カローラスパシオは8代目の110系カローラがベースであった。
ホイールベースもセダンと共通でありながら、3列シートを備えたミニバンにしっかり作り替えられていたのだが、3列仕様のほか、2列仕様のモデルも存在していた。
ただ、特異だったのがそのシートレイアウトである。
3列シート仕様が「2-2-2」というシートタイプの名前が付けられていたのに対し、2列シート仕様は「2-0-2」という名前が付けられていたのだ。
これが何を意味しているのかというと、2列シート仕様は3列シート仕様の2列にあたる部分のシートが省かれており、2列目のシートは3列シート仕様の3列目に当たる位置に備わっているのである。
つまり、2列目のシートの足元には広大なスペースが広がっていて、リムジンのように足を投げ出して座ることができるようになっていたのだ。
フロア先端には小物入れを兼ねたフットレストも備わっていたほど。
ただシート自体は3列シート仕様の3列目と同等のものとなっていた。
■やっぱすぐ消滅!! 今や超貴重なのよ
ロングスライドは備わっていたものの、大きな荷物をトランクスペースに載せようと思ったらシートを折りたたむ必要もあったのだ。
人と荷物を両立して運ぶことができないという致命的なデメリットが存在していたのだった。
メーカーもさすがに使い勝手が悪いと思ったのが、登場から半年後には、「2-3」という、2列目の部分に3人掛けのベンチシートを備えた5人乗り仕様を追加。
これは一般的なトールワゴンのように3列目シートの部分が荷室となっており、使い勝手の良いものとなっていた。
結局、どんなユーザーを想定して設定したのか謎が深まるばかりの2-0-2レイアウトのカローラスパシオは、初代モデルのみで消滅。
2001年に登場した2代目モデルは3列シート仕様のみのラインナップとなっている。
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