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ヘセルの血統宿るパフォーマンスを手中に 電動ロータスの第3弾、エメヤに欧州試乗

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ヘセルの血統宿るパフォーマンスを手中に 電動ロータスの第3弾、エメヤに欧州試乗

内燃機関に別れ 新時代ロータス

photo:Lotus Cars

【画像】ロータス・エメヤ 欧州試乗のフォトギャラリーをみる 全39枚

2021年に発表したビジョン80に従い、ロータスは着実に電動化の道を歩んでいる。

同年に発表したエミーラを最後に、ロータスはエンジン車の新規開発を終了。現在は創業80周年を迎える2028年までに「完全なEVメーカー」となることを目指し、次々とEVをリリースしている真っ最中だ。

その第1弾はハイパーカーのエヴァイヤで、2023年6月にはSUVのエレトレを発表。続く“ロータスEV”の第3弾としてデビューしたのが、ここで紹介するエメヤである。

エメヤの基本アーキテクチャーはエレトレと同じで、フロア下に102kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載するとともに、前後輪を各1基のモーターで駆動。その出力は、エメヤとエメヤSが612psで、エメヤRのみ918psとされる。

ちなみに、306psに及ぶエメヤRのパワーアップ分は、リアモーターの出力向上によってまかなわれたというから、そのハンドリングは後輪駆動に近い特性と推測される。

なお、航続距離はエメヤが610kmでエメヤSが540km、エメヤRは435kmと発表されている(WLTP)。同じパワートレインを積むエメヤとエメヤSで航続距離に差があるのは、標準装備のタイヤサイズが異なっていることに起因しているのだろう。

いっぽう、エメヤの3グレードはいずれもバッテリーと冷却用ファンを水平に並べること(エレトレはバッテリーの上に冷却ファンが乗ったレイアウト)でフロア高を下げ、全高を低く抑えたという。

エメヤのホイールベースがエレトレよりも50mm長いのは、このためでもある。

デジタルの進化はまさに「飛躍的」

ドイツのミュンヘンからオーストリアのエックという街までを往復する今回の試乗会では、まずエメヤSのステアリングを握った。

ホイールベースが3069mmにもなるエメヤは伸びやかなスタイリングが印象的。いっぽう、ウェッジシェイプのプロポーションと短い前後のオーバーハングはスポーティな走りを予感させる。

キャビンを見渡すと、ホワイト基調のインテリアがなんとも現代的でセンスがいい。そしてダッシュボードに固定された15.1インチの大型有機LEDディスプレイが先進的なイメージを打ち出している。

この大型ディスプレイにも表れているとおり、エメヤはデジタル化が著しいのだが、なかでも驚くのは4台のライダーをすでに搭載していること。

これ以外に18台のレーダー、12台のカメラを搭載するとともに、エヌヴィデアのドライブ・オリンというCPUを2基搭載し、計34のセンサーから送られてくるデータを毎秒30回のペースで処理できるというから驚く。

このため、エメヤは技術的にレベル4の自動運転が可能で、もしも法整備が確立された暁には、OTAでその機能をオンにすることができるという。

伝統受け継ぐドライバビリティ

エメヤSの乗り心地は速度域を問わず快適で、当然のことながらキャビンは静寂そのもの。

それ以上に印象的だったのがステアリングホイール、スロットルペダル、ブレーキペダルのコントロール性ならびにリニアリティが優れていることで、このため走り始めた直後から自信を持ってクルマを操ることができる。

大パワーEVのなかには、軽くスロットルペダルを踏み込んだだけで急加速を見せるモデルがあるが、エメヤSはそれとは大違いで、クルマの本質を見極めたオトナのセッティングと評したい。

おかげでワインディングロードも安心して攻めることができるのだが、それとともに驚かされたのが超高速域でも加速感が鈍らないこと。

エメヤSの最高速度は250km/hなのだが、アウトバーンの速度無制限区間では、それこそあっという間に250km/hまで到達したことには舌を巻いた。

試乗会の後半では高性能版のエメヤRをドライブしたが、基本的な印象はエメヤSと共通。ただし、同様に超高速域で全開加速を試すと、フロントの接地性が薄れていくような感触が伝わってきた。

この辺は、918psのハイパワーがなせる技なのか、それとも試乗車の装着タイヤがエメヤSは22インチのミシュラン・パイロット・スポーツEV、エメヤRは21インチのピレリPゼロRと異なっていたためなのか、理由は判然としない。

いずれにせよ、快適性の高さや優れたドライバビリティという点において、エメヤはロータスの伝統を正しく受け継いでいるといえる。

ちなみに、1966年以来、ロータスの本拠地とされてきたイギリス・ヘセルのスタッフは、車両の評価を中心としていまもロータスのクルマ作りに関わっているそうだ。

試乗車のスペック

ロータス・エメヤS

全長×全幅×全高:5139×2123×1459mm
0-100km/h加速:4.2秒
駆動方式:4WD
車両重量:2490kg
システム最高出力:611ps
システム最大トルク:79.4kg-m
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電圧:800V
総電力量:102kWh
航続距離(WLTP):540km
タイヤサイズ:265/35R22(フロント)305/30R22(リア)

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みんなのコメント

1件
  • plq********
    元々ニッチな車なのに2.5トンもあるロータスに需要があるのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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