ジープ、電動化へ大きく舵を切る
text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
【画像】海外ではデビュー済み PHEVのラングラー【標準モデルとどう違う?】 全56枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
ジープ・レネゲードのPHEVモデルの名称として使用され、日本でもその知名度を拡大しつつある「4xe」(フォー・バイ・イー)
電動化を示すこのキャッチコピーが、ジープ・ブランドの将来に向け、一気にクローズアップされることになるようだ。
ジープやクライスラー、フィアットを擁するFCAとプジョーやシトロエンが主体となったPSA等が経営統合することで今年1月に誕生したステランティス。
同社は7月8日にオンラインで「EV DAY2021」と題した発表をおこない、グループ全体で電動化へ大きく舵を切ることを発表した。
ステランティスのカルロス・タバレスCEOによれば、傘下に14ものブランドを抱える同社は、電動化やソフトウェアの開発に対し2025年までの5年間に3兆9000億円もの投資をおこなう。
ステランティスはLEV(ロー・エミッション・ビークル=PHEVとBEV等)のマーケットリーダーを目指していくという。
この発表を受け7月14日、ステランティスの主力の1つであるジープ・ブランドのクリスチャン・ムニエCEOも、電動化の具体的な展望を発表している。
インド・アジア太平洋地域に向けに、ジープ・ブランドの80周年を記念したラウンドテーブルをオンラインで開催したのだ。
発表の中でムニエCEOは自らをカーガイと自負し、既存のICE搭載のジープを愛する人間だとしつつ、それでも自動車世界を巡る昨今の急激な変化、ゼロエミッション化は避けられないと認めている。
ムニエCEOをはじめとするジープのコア・メンバーは、電動化によって生まれるジープならではの世界観や、既存のスタイルにとらわれない自由度についても言及している。
プラットフォーム4種 パワートレイン3種
現状の日本ではレネゲード4xeがジープ唯一の電動化モデルとなっているが、ヨーロッパ市場においてラングラーとコンパスの4xeモデルも既に導入され人気を集めている。
この流れはインド・アジア太平洋地域にも影響を与えるはずであり、2025年までに全てのセグメントのジープに「4xe」モデルが導入。
全世界で販売される70%(地域差はあるが平均した数値)ものジープが電動化されることになる。
ここ10年ほどのジープ・ブランドの世界的な成長は目を見張るものがある。
2009年には30万台だった販売台数が、ここ7年はコンスタントに100万台を達成しているのだ。
この市場規模の70%があと5年以内に電動化モデルに置き換わるのだから、これは大きな変化といえる。
これらジープの電動化、4xeの動きを支えるのは、既存のモデルをPHEV化したモデルと、先にステランティスが発表した4種類のBEV専用の全く新しいプラットフォーム、そして3種類の電動パワートレインだ。
またステランティスは急速な電動化へのシフトで供給不足の恐れがあるバッテリーに関しても、ヨーロッパと北米に5つのバッテリー工場を新設。
さらに既存のバッテリーメーカーとの合弁会社も立ち上げることで2030年までに260GWhものバッテリーを確保できる見通しが立っている。
現在のバッテリーは液体の封入したリチウムイオンが主流だが、ステランティスは2026年には次世代バッテリーと言われるソリッドステートバッテリー(全固体電池)の導入も宣言しているのである。
カクカクしたジープが自動運転で……
電動化が広げるジープの未来。
今回のラウンドテーブルの中では「Jeep Life Electrified」と銘打ったビデオ映像も公開された。
その中では2021年から2030年にかけてジープ・ブランドが目指すビジョンが再現されていた。
最初に登場するのは、オフロード・トレイルの中にある太陽光チャージングステーションで充電する2台のラングラー4xe。大自然と共生しながらワイルドにクルマを走らせる姿が表現されている。
また5年後の2025年7月には人体認証によって車輛のロックが解除される様子や、ラングラー同士で電力をシェアしあうピア・トゥ・ピア・チャージング、ドローンの案内で夜の森を走るジープ・ドローン・ペアリングといった進化が見て取れる。
2030年7月のイメージは特に印象的だ。トレイルランニングで山の頂に到達したオーナーのもとに、オートノマス(自動化運転)によって自走してきたラングラーがやって来る。
そのトレイルからの帰り道もドライビングはクルマ任せ。オーナーのカップルはシートをフルフラットに倒したまま満点の星空を眺めて帰宅の途につくのである。
このビデオが印象的なのは、将来のジープがどのような技術を実装するかという実務的な話ではないという点だろう。カスタマーにどんなベネフィットを与えられるのかにフォーカスが当たっているのだ。
これは世界中に多くの熱心なカスタマーを抱え、かれらと自然をいかに結びつけるかを考えているジープらしい視点といえる。
伝統的なクロカン4駆であるラングラーをブランドの中核に据えていることもあり、以前は電動化とは縁遠いイメージがあったジープ。
だが道なき大自然の中に果敢に踏み込んでいくようなブランド・イメージは、カスタマーの嗜好も含めてゼロエミッションに相応しいともいえる。
今回発表されたジープ・ブランドの電動化の未来は急進的ともいえる大改革だ。
しかし近年の彼らのパワフルな成長曲線を考えれば、4xeの試みは5~10年先に確実な成果をもたらすと確信できるのである。
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