■エレクトロニクスショー「CES2019」の見どころは?
毎年1月、アメリカのラスベガスで開催されるエレクトロニクスショーが「CES」です。
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CES2019は1月6日、7日のプレスデーから始まり、8日にはショー会場がオープンします。世界中のメディアや業界関係者がラスベガスに集結し、ニュースが続々と発信されていくことになるでしょう。
CESは年々規模が拡大し、いまではラスベガス市内の複数の拠点で開催され、出展社数も膨大ですが自動車関連ではまず、自動車メーカーや主要サプライヤーが集まるLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)のノースホールを抑えるべきです。
次いで、自動車部品も手掛ける総合電機メーカーが集まるLVCCのセントラルホール。そしてLVCCのサウスホールには、AIやVR/ARなど注目の先端技術テーマ展示があり、見逃せません。
そしてCESのもうひとつの注目ポイントが、別会場のサンズエクスポです。CESは世界中のスタートアップ(新たなビジネスモデルを創造する企業群)の登竜門という性質もあり、サンズエクスポにある「エウレカパーク」という展示スペースに、世界中から集まった数多くのスタートアップが、極小ブースにぎっちりと詰め込まれています。
その様子は壮観というほかありません。世界から集まった玉石混交の膨大なシーズ(企業が有する事業化、製品化の可能性のある技術やノウハウ)と、それを見極めようとする参加者の熱気は、CESでしか味わえないものです。もちろん自動車関連のシーズ技術も眠っており、砂中の原石を見つけるためにエウレカパークをじっくり回るというのもアリです。
■CES2019の注目ポイントとは
2019年は通信関連の5G(高速で大容量、省電力などが実現された第5世代の無線通信システム)商用化元年ということもあり、ショー全体としては5G関連のソリューションやサービスが注目テーマとなりそうです。基調講演もモバイル・通信関連のVIPのセッションが目立ちます。
自動車関連でいうと、近年の動向からしてもCASE/MaaS関連技術がメインテーマになるでしょう。具体的なポイントをいくつか挙げると、ひとつ目は、低速で走行する「MaaSバス」のコンセプト提案です。
MaaS(Mobility-as-a-Service)とは、自動運転やAI、オープンデータ等を掛け合わせることで従来型の交通・移動手段にカーシェアやバイクシェアなどのサービスを組み合わせ、新たな交通システムを生み出すことを言います。
ときには時速100キロで走る自家用車とは違い、決まったエリアのなかを、時速20から30キロで走る完全自動運転のMaaSバスは、日本を含む世界各地で実証実験が行われており、そう遠くない将来に普及が始まると見られています。
これまでにも、トヨタ「e-Palette」、フォルクスワーゲン「セドリック」、ルノー「EZ-Pro」などのコンセプトカーが発表されていますが、CES2019でもこれに続くコンセプトが見られるでしょう。
人それぞれの移動ニーズをより柔軟にカバーするため、マイクロバスか、それより小さなミニバン程度のサイズのコンセプトカーが見られると思われます。
もうひとつのポイントは、自動運転レベル3以上のコックピットの提案です。
現在自動運転はレベル2が普及しており、日本国内の状況で言えば、軽自動車においてもACC(アダプティブクルーズコントロール)やブレーキ支援など、レベル2相当の機能が搭載されるようになりました。
そして今は、いよいよ次のレベル3が公道デビューというタイミングです。
そういった目的で利用されるコックピットは、従来のような運転だけに最適化されたコックピットではドライバーのニーズに応えられないため、運転モードとリラックスモードでHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス:人間と機械が情報をやり取りするための手段や、そのための装置やソフトウェア)が変化するコックピット、HMIが各社から提案されることになります。
※ ※ ※
現在の自動車産業は、自動車の電化と知能化が同時に進行しているため、新たな技術領域がどんどん広がっています。そこをいちはやくカバーし、業界標準化を狙う部品メーカーの競争が世界的に激化しています。
ドイツと日本のメガサプライヤーの陣取り合戦、それに追随しようとするフランス、アメリカ、韓国勢が何を提案してくるのか。CESは、そのような先端技術のお披露目の場として世界中の注目が集まっているのです。
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