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スーパー耐久第1戦鈴鹿はレース終盤にまさかの展開。DAISHIN GT3 GT-Rが総合優勝を飾る

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スーパー耐久第1戦鈴鹿はレース終盤にまさかの展開。DAISHIN GT3 GT-Rが総合優勝を飾る

 3月20日、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA 5時間耐久レース』の決勝レースが三重県の鈴鹿サーキットで開催され、ST-XクラスのDAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/坂口夏月)がトップチェッカーを受け総合優勝を飾った。

 近年多くのエントラントとファンを集め盛況となっているスーパー耐久シリーズ。鈴鹿サーキットを舞台に5時間レースで争われる2022年シーズンの開幕戦となる第1戦にも今回不参加となっているST-4クラスをのぞく全50台がエントリーを果たし、盛り上がりをみせている。金曜の専有走行日は雨が降り、予選日となる土曜日にも雨粒が舞う不安定な天候のレースウイークだったが、迎えた3月20日の決勝日は風があるものの終始快晴に恵まれ、11時40分にスタートした5時間の決勝レースでは随所で熱いバトルが展開された。

【順位結果】スーパー耐久シリーズ2022第1戦鈴鹿5時間耐久レース 決勝

■ST-X
 6台で争われたST-Xは、ポールポジションを獲得した16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rのスタートドライバーを務める永井宏明が好スタートをみせるが、2番手の31号車DENSO LEXUS RC F GT3小高一斗も食らいつき、3番手にポジションを上げた62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3の平木湧也とのトップ3争いを繰り広げる。

 しかし7周目にST-5の67号車YAMATO FITが、接触があったか日立Astemoシケインでクラッシュ。フルコースイエロー(FCY)からセーフティカー(SC)が導入されると各マシンの間隔が接近する。SC解除後も2番手小高、3番手平木がトップの永井にプレッシャーをかけ、迎えた14周目のヘアピンで永井のアウトに。そのままサイド・バイ・サイドでスプーンコーナー進入までにオーバーテイクに成功。これで小高がトップに浮上、3番手の平木も永井に接近し、10周目に2番手に浮上した。これでレース開始から激しく続いたトップ争いは一度決着を迎える。

 各車が1回目のピット作業を完了した後には、永井からステアリングを引き継いだ上村優太が追い上げをみせ、小高に代わって31号車RC Fに乗る永井秀貴をオーバーテイクし再び首位の座を奪い返す。さらにその後方では、ST-Xでの初レースだったDAISUKEが粘り、元嶋佑弥に交代したTKRI 松永建設 AMG GT3が快走をみせ、62号車をかわして3番手に浮上してくる。

 65周目にはトップ走行の上村がピットに向かいドライバー交代、ここでひさびさの決勝レースとなる伊藤大輔がマシンに乗り込むと、その1周後には2番手の永井秀貴がピットに入り、代わった嵯峨宏紀がコースイン。また、ほぼ同タイミングにDAISHIN GT3 GT-Rをドライブする坂口夏月が2分03秒719のファステストラップを記録するなどの動きが見られた。一方、レース前半に好走をみせたHELM MOTORSPORTS GTR GT3はトラブルで70周目に緊急ピットインを強いられている。

 追い上げる坂口は2番手のTKRI 松永建設 AMG GT3に追いつくと、76周目のデグナー進入で中山をかわしてポジションアップを果たす。トップ争いは上村に交代した16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3R、坂口からステアリングを引き継いだ藤波清斗の81号車DAISHIN GT3 GT-Rに絞られていった。

 藤波はファステストラップを更新しながら上村に追いつくが、逆バンクでの接触の際に行く手を阻まれ、藤波が前へ。ただ上村も気迫あふれる走りで藤波に食らいつき、数周のテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げ、121周目の2コーナーで上村が藤波を再逆転した。

 しかし、その直後の123周目にまさかの展開が待ち受ける。なんとトップに立ったポルシェセンター岡崎 911 GT3Rのフロントが破損しボンネットが開いてしまいスローダウン、そのままピットに戻りレースを終えてしまった。ドライブしていた上村は「ヘアピンの立ち上がりでST-5クラスの車両とぶつかってしまいました。速度差も結構あったので、それでボンネットが開いてしまいそのままリタイアとなってしまいました」とレース後に語った。

「僕らもレースをしていますが、ST-5の車両もレースをしているので、どちらが悪いということはないと思いますが、正直ちょっと予測できなかった動きだったのでぶつかってしまいました」

 この結果、再びトップに浮上したDAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/坂口夏月)が131周を走り切ってトップチェッカーを受ける結果となり、TKRI 松永建設 AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)が2位、3位はDENSO LEXUS RC F GT3(永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗)という結果になっている。

■ST-Z/ST-TCR
 7台が順位を争うST-Zは、ポールスタートの5ZIGEN AMG GT4の太田格之進がトップをキープするも、GRGarage水戸インター GR Supra GT4を駆る坪井翔がその後首位の座を奪う。

 しかし、ST-Zの各マシンがピット作業を終えたあとにトップに立ったのはシェイドレーシング GR SUPRA GT4。レース途中には5ZIGEN AMG GT4の先行を許した瞬間もあったが、シェイドレーシング GR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎)が再び逆転を果たしクラス優勝を飾った。

 ST-TCRは予選アタックができなかったRacer HFDP CIVICが追い上げをみせTeam Noah HONDA CIVIC TCRをレース序盤に逆転するが、Racer HFDP CIVICのセカンドスティントを担当した中野信治のドライブ中に緊急ピットインを余儀なくされ後退、トラブルなく走行を続けたTeam Noah HONDA CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/霜野誠友/和田慎吾)が開幕戦を制している。

■ST-Q
 ST-Qクラスは総合7番手からスタートをきったENDLESS AMG GT4(小河諒/菅波冬悟/川端伸太朗)がスタートから順調に走行を続けクラストップを走り続け、総合5位でフィニッシュを果たした。

 一方、注目を集めるカーボンニュートラルに向けた参戦車両の争いは盛り上がりをみせた。兄弟車ともいえるORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの蒲生尚弥とTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの井口卓人が序盤から激しいバトルを展開する。両マシンは同時ピットインを行ったり、BRZの山内英輝とGR86の豊田大輔がサイド・バイ・サイドでバトルを展開するなど争いを続けたが、最終的にGR86が総合28位、BRZが総合29位でフィニッシュしている。

 佐々木雅弘/MORIZO/石浦宏明/小倉康宏組32号車ORC ROOKIE Corolla H2 Conceptは、序盤からノートラブルで快走。給水素時間が1分半に短縮され、航続距離も1スティント2周に伸びたとはいえ、カーボンニュートラル燃料車からは離されてしまう展開に。しかし昨年の鈴鹿戦からは大幅な進歩と抜群の信頼性をみせつけ、荒れたレースをノートラブルでフィニッシュ。総合43位で完走を果たしている。

 55号車のMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept(寺川和紘/井尻薫/関豊/前田育男)もクラス5番手からスタートすると、その後も順調な走行を続け最終的にはカローラを逆転し、総合35位でフィニッシュしている。

■ST-1/ST-2/ST-3/ST-5
 ST-1はクラストップからスタートを切ったD’station Vantage GT8Rの織戸学が後続を引き離す走りを披露。その後も順調に走行を続けていたが、スティント後半になると2番手のシンティアム アップル KTMのIDA TAIYOがテール・トゥ・ノーズに接近し、セカンドスティントで前に出たシンティアム アップル KTM(IDA TAIYO/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)がクラス優勝。D’station Vantage GT8Rは終盤、逆バンクでST-2の13号車ENDLESS GRヤリスと接触したが、再始動に時間がかかったものの、クラス3位でレースを終えている。

 ST-2は、クラスポールからリードしていた新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10(冨桝朋広/菊池靖/大橋正澄)が25周目に白煙を上げながらデグナーふたつめ先にストップしてしまう波乱があり、その後はクラス3番手からスタートしたDAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/安岡秀徒)がトップに立つが、こちらも51周目に緊急ピットインを余儀なくされてしまう。

 これでレースは13号車ENDLESS GRヤリス、225号車KTMS GR YARISという2台のGRヤリスによる争いとなっていったが、リードしていたENDLESS GRヤリスが逆バンクでの接触によって後退してしまい、2番手を走行していたKTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英)がST-2の開幕戦を制した。

 ST-3は、クラスポールからスタートしたエアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSがレース中盤まで快走するが、各マシンのピット作業後完了にST-3の主導権を握ったのは埼玉トヨペット GB クラウン RS(服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰)となり、その後も終始トップを譲らなかったクラウンがクラス優勝を果たした。ST-5は、クラスポールを獲得したOHLINS Roadster NATSが後退し、代わってodula TONE MOTULロードスターを駆る岡本大地がトップに浮上したが、レース残り7分というところでOHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)がポジション奪還を果たしクラス優勝を飾っている。

 国内のモータースポーツで一足先に開幕を迎えた2022年のスーパー耐久シリーズ。次戦は6月3~5日に富士スピードウェイで開催される第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』だ。


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みんなのコメント

3件
  • S耐」いいなぁ
    (^ω^)ふふふ
    スーパーGTより面白い

    市販車然としたマシンが闘う姿…JGTCの盛り上がり☆を感じますね

    ちょっと…クラス分けが多いんですけど
    もう少し…まとめるか?別レースに?出来ませんかね
    …てのは昔から思うのだけど
    (¬_¬)じー
    混走し過ぎてて…レース中…よく分からんのよ
    昔からの個人的な悩み

    ま…それは置いといて
    GTR×911×RCF×ほか…GT3勢の闘いは
    JGTCを思い出しますね
    *\(^o^)/*
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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