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家族で使えるファミリー向けEV 10選 日常生活に無理なく溶け込む1台

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家族で使えるファミリー向けEV 10選 日常生活に無理なく溶け込む1台

家族で使い倒すEV

世界的に見るとEVの普及は少しずつ進行しており、ファミリーカーとしての選択肢も増えてきた。多くのドライバーがICE(内燃エンジン)車やハイブリッド車からの乗り換えを進める中、最も人気があるのは、ゆったりとしたサイズの何でもこなせるクルマだ。

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ファミリー層向けのEVは、実用性を損なうことなく、できるだけ航続距離を伸ばすことが求められる。EV技術のコストは下がりつつあるが、最も恩恵を受けるのはこうしたファミリーカーだ。さらに生産台数が多いため、メーカーも積極的な価格設定が容易となる。

現在の市販EVには、これまでファミリーカーとして慣れ親しんできたミニバンやステーションワゴンなどのボディタイプよりも、SUVタイプのモデルが多く見られる。最近では背の高いSUVやクロスオーバーに人気が集まっており、メーカーとしても分厚いバッテリーパックを床下に隠すことができるため有利と言える。とはいえ、ハッチバック、ステーションワゴン、そして3ボックス・セダンなど、意外にもバラエティは豊富だ。

公共の充電ネットワークは、EVの普及が進む欧州でも十分とは言い切れないが、そこそこの長距離ドライブを計画できるような航続距離を持つモデルも揃ってきた。実際、自宅で充電できる環境があれば、公共の充電施設に立ち寄る頻度・必要性をかなり減らせるだろう。

また、EVならではの野蛮な加速性能については耳にタコができるほどによく言われてきたが、最近のメーカーはドライビングの魅力というものを注入し始めている。これはおそらく、運転が好きなわたし達のような人間にとっては、かなり重要なことだろう。

そこで今回は、ファミリーカーとして使い倒せるEVを10台紹介したい。いずれも英国基準で取り上げているが、10台中7台は日本でも正規購入できる。クルマ探し、あるいは業界動向の把握において少しでも参考になれば幸いだ。

1. ヒョンデ・アイオニック5

韓国のヒョンデとキアがこの記事の上位にランクインしているのは、自動車業界の目まぐるしい変化と、消費者が古い固定観念を捨てようとしていることの表れだ。どちらかというと慎重な日米欧のブランドとは異なり、韓国勢は電動化を全面的に受け入れており、その成果がアイオニック5に明白に見て取れる。

EV専用プラットフォームをベースに構築されたアイオニック5は、超急速充電を可能にするパワフルな800Vアーキテクチャを備えている。現在、これと同程度のアーキテクチャは、ポルシェ・タイカンとアウディeトロンGT、そしてヒョンデの兄弟ブランドであるキアでしか見られない。少し乱暴な例えだが、フォードが初代フォーカスに現代のポルシェ911ターボのツインターボ・フラット6を搭載するようなもの……。まぁ、そんな感じだ。

とはいえ、アイオニック5はテクノロジーばかりが特徴ではない。その独特のレトロフューチャー・デザイン(ランチア・デルタを宇宙時代に再構築したような造形)とモダンで上質なインテリアで注目を集めているのだ。

その大きさと重さにもかかわらず、ドライビングは驚くほど魅力的で、たくましいパフォーマンス、適度なグリップ、そしてスパイスとなる調整機能を備えている。また、リラックスできる素敵なクルーザーでもあり、騒音の抑制もよく、乗り心地も快適で、EVとしては実に説得力のあるラグジュアリーなオーラを放っている。優れたパッケージングにより、後部座席のスペースは十分すぎるほど広く、トランクの使い勝手は良好だ。

後輪駆動のロングレンジ仕様は、AUTOCARによる最近のグループテストでスコダ・エンヤクiV(次項で紹介)を僅差で引き離し、魅力ある走りと大胆なデザインで記者を魅了した。いずれにせよ、77kWhの大型バッテリーとシングルモーターの組み合わせが、ペース、価格、スタミナのベストコンビネーションを実現する。

参考までに、英国向けのラインナップを紹介する。最高出力170ps、航続距離386kmの後輪駆動モデルで4万3445ポンド(約790万円)から始まり、最高出力325psのツインモーター、四輪駆動モデルの5万7945ポンド(約1050万円)までとなっている。為替を考慮しても、日本仕様よりかなり高額に感じられる。

なお、今年後半には最高出力650psの高性能モデル、アイオニック5 Nが英国のショールームに並ぶ予定だ。AUTOCARはすでにプレプロダクションモデルに試乗した。ヒョンデのN部門初のEVがどんな走りを見せるのか、試乗記もチェックしてほしい。

2. スコダ・エンヤクiV

チェコの自動車メーカーであるスコダは、しばしば親会社フォルクスワーゲン・グループのメカニカルを、より賢明で広々としたパッケージで包み込み、お買い得に仕上げてくる。エンヤクiVもその1台だ。フォルクスワーゲンID.3、ID.4、アウディQ4 eトロンと同じMEBプラットフォームを採用しているが、内外装デザインを巧みに調整し、電動SUV市場のスイートスポットを確実に突いている。

特に、広々とした効率的なキャビンは深く印象に残り、見た目の質感やパーソナライゼーションにおいてはアウディに匹敵する。シャシーのセットアップも、非常に成熟している。スポーツカー好きの熱心なドライバーに響くものではないが、堅実でかなりタイトに制御されているように感じられ、航続距離に不利益を与えることなく、しっかりと満足感を抱かせる。

AUTOCARがテストした最高出力204psのエンヤクiV 80は、ほとんどのドライバーを満足させるであろうパフォーマンスを示し、535kmという航続距離も長距離移動に十分使えるものだ。

予算重視のモデルもあり、58kWhのバッテリーパックを搭載したエンヤクiV 60では、航続距離は400kmとなる。さらに小型のエンヤクiV 50もあるが、こちらでは現在販売されていない。エンヤクiV 80Xスポーツラインはフロントモーターを追加してパワーを高め、四輪駆動となる。さらに、スポーティなスタイリングを備えた最高出力306psのエンヤクiV vRSも選ぶことができる。選択肢は豊富だ。

しかし、ヒョンデ・アイオニック5に個性で劣り、デザインもややぎこちないところがある。アクティブセーフティ機能は少々煩わしく、標準装備の設定もちょっと意地悪なので、今回はトップバッターに選ぶことができなかった。

3. キアEV6

キアは、使い勝手がよく、手頃な価格の「普通」のEVに、ドライビングの魅力をもたらそうとしている。その点では他の誰よりも目標に近づいているといえるだろう。ヒョンデ・アイオニック5の兄弟車であるEV6では、最先端のEV専用プラットフォームを駆使し、ハンサムなボディ、程よいサイズのキャビン、後輪駆動シャシーによる鋭いフィールとハンドリングと乗り心地を備え、これまでの多くのEVよりも運転が面白いパッケージに仕上げている。

英国向けのグレードは3種類あり、パワートレインにはシングルモーター後輪駆動とデュアルモーター四輪駆動が選べる。最高出力の範囲は229psから325psまで設定され、さらに585psを発揮するパフォーマンス重視のEV6 GTも登場した。

77.4kWhのバッテリーは最大239kWの急速充電が可能で(設備などが整っていた場合)、紅茶を注文してアイスバンを食べるくらいの時間で充電できる。WLTPサイクルでの航続距離は最大528kmとされている。

EV6のパッケージにはいくつかの制約があり、その1つが価格だ(同クラスのEVと比べると手頃な価格とは言えない)。また、スポーティ寄りの設計なので、どちらかというと乗り心地もスムーズで洗練されているわけではない。キャビンの質感は、アイオニック5ほど豊かでも、心地よくもない。また、ステアリングは生気がなく無感覚で、このクルマのダイナミックな魅力を少し削いでしまっている。

とはいえ、EV6のハンドリングは驚くほど俊敏で、そのパフォーマンスは(シングルモーターモデルの場合でも)気迫に満ちており、ゼロ・エミッションのクルマでは今までのような熱意が育まれないと思い込んでいるドライバーにも、十分な元気を与えてくれる。とにかく運転を楽しみたいのなら、1ポンドあたりのパフォーマンスでEV6 GTに匹敵するクルマは、どの価格帯でも珍しいだろう。たしかに6万ポンド(約1080万円)という価格は安くはないが、0-100km/h加速を3.5秒で駆け抜けるし、「ドリフト・モード」はとても活発で、おそらく頬が緩んでしまうことは確実だろう。

4. フォード・マスタング・マッハE

フォードはミドルサイズ以上の乗用EVにやや出遅れたが、いずれにせよ、多くの人に愛されている「マスタング」というサブブランドを同社初のバッテリーEVに流用することで、さまざまな波紋を呼んだ。マスタング・マッハEは、背の低いマッスルクーペではなく、親しみやすい外観のクロスオーバーボディを持つ5人乗りモデルである。航続距離はなかなか印象的で、価格も中堅クラスといったところだ。

英国では4万ポンド(約720万円)強から購入可能だが、もっと安いライバルもいる。WLTPサイクルで610kmの航続距離を誇るエクステンデッド・レンジ仕様を求めるなら、5万ポンド(約900万円)近く必要だ。しかし、航続距離と価格の両方で高級ブランドのライバルを最大30%凌ぐ、使い勝手の良いファミリーカーである。

エクステンデッド・レンジの後輪駆動モデルでは、加速力で乗員の目をくらませることはない。その代わり、運転に満足感をもたらしてくれるのはシャシーである。純粋に楽しいかと問われると、ライバル同様に重すぎるし、ステアリングも人工的な感が過ぎる。また、マスタング・マッハE GTは確かに直線では速いし、その気になれば低速コーナーの立ち上がりでマッスルカーのようなギラギラしたアングルに仕立てることもできる。しかし、限界までプッシュすると腰砕けになってしまう。

「中身よりスタイル重視」なのではないかという懸念もあるかもしれないが、キャビンは実に広々として風通しが良い。たとえ見た目がやや想像力に欠け、質感が欧州のライバル車より1、2ランク劣るとしても。

5. フォルクスワーゲンID.4

ID.4は、ID.3に続いてMEBプラットフォームを使用したフォルクスワーゲン2番目のモデルである。ID.3よりも大きく、価格も高いが、世界のEV市場で支配的なプレーヤーになるために重要な役割を果たすモデルでもある。フォルクスワーゲンは、ティグアン並のサイズでトゥアレグに匹敵する実用性を提供できると主張している。それはが本当なら素晴らしい。

実際には、かなりうまくいっている。広い居住スペースがあり、531Lのトランクはティグアンより大きい。さらに良いことに、バッテリーを床下に配置することでパッケージング上有利になり、リアシートの広さはメルセデス・ベンツEクラスと同等。唯一の小さな欠点は、リアシートの座面が少し高く、ヘッドルームが制限されることだ。

バッテリーといえば、電気モーターの出力に対応した2種類の容量が用意されている。148psと170psのモデルには52kWhのユニットが、204psのモデルには77kWhのユニットが搭載され、WLTP航続距離は最大528kmに達する。デュアルモーター四輪駆動の265psのモデルや、最高出力299psを発揮する最上位モデルのID.4 GTXもある。「GTX」と聞くと「GTI」のイメージがあるかもしれないが、どちらかというとその性格は高速クルーザーに近い。

204psの標準モデルでもパフォーマンスは十分に快調で、大径ホイールだが乗り心地は非常に洗練されている。しかし、きちんと調整されたコントロールレスポンス、シャープな性能、移動中の成熟感など、冷たさを感じさせないだけのキャラクターはある。

ID.4は、すっきりと簡素化された直感的なEV体験を提供するが、インテリアの人間工学は少し簡略化されすぎている。雰囲気はとても魅力的だが、ほとんどの物理ボタンがなくなったため、使い勝手はあまりよくない。これは現代のフォルクスワーゲンによくある不満で、同ブランドは現在、その是正に取り組んでいる。

6. テスラ・モデルY

テスラ・モデルYは、売れ筋のモデル3のアスペクト比(縦横比)を変え、実用的に仕上げた兄弟車。全長はモデル3より50mm長いが、重要なのは全高が180mm高いこと。これによってキャビンスペースは大幅に拡大されているが、シャシー仕様とミニマルなインテリアはモデル3同様である。そしてもちろん、テスラの優れたスーパーチャージャー・ネットワークも利用でき、これだけでも多くの人にとって購入する価値があるだろう。

金銭面でいえば、エントリーレベルの後輪駆動車が導入されたことで、モデルY所有への予算的な障壁が5万1900ポンド(約940万円)に引き下げられた。シングルモーターだが、0-97km/h加速6.6秒のタイムと、462kmの公称航続距離(18インチホイール装着時)という突出した性能を得ることができる。

さらに遠くへ行きたいならロングレンジ仕様があり、最高出力440psで0-97km/h加速わずか5.0秒、1回の充電での航続距離は533kmとなる。最後に、激しいGフォースで家族を気持ち悪くさせても構わないのなら、514psのパワーと0-97km/h加速3.5秒を誇るパフォーマンス仕様もある。

モーターに関係なく、モデルYは十分な乗員スペースと明るい室内空間を備え、ミニマリスト的なインテリアはかなり見栄えがする。前後の収納スペースもたっぷりある。しかし、この価格帯で期待されるようなプレミアム感には欠ける。加えて、テスラはすべての車載機能を巨大なタッチスクリーンに集約することに固執しているため、モデルごとの個性に欠けるだけでなく、求める機能にアクセスするために何度も指を動かす必要があるなど、人間工学的にも難点がある。

ダイナミクスとしては、比較的クイックなレシオとかなり重めのステアリングでひたすら正確さを要求し、表現や調整の余地はほとんどない。固めのサスペンション・セットアップによりボディがなかなか落ち着かず、乗員を揺さぶるような動きが絶え間なく続く。この快適性の不足は、遮音性の低さによってさらに深刻化する。サスペンションからのノイズやタイヤからの轟音によって、EVドライブトレインの洗練された利点が台無しになってしまう。

結局のところ、モデルYは非常に有能な電動SUVではあるが、誰もが納得できるような高級SUVではない。

7. 日産アリア

日産が初代リーフを発売し、量産EVのパイオニアとなったことを考えると、後続モデルをラインナップに加えるのにこれほど時間がかかったのは驚きだ(商用車ベースのeNV200などもあるが)。それはさておき、満を持して導入した最新EVが、収益性の高いプレミアムクラスのSUVというのは当然の動きと言えるだろう。近年ますます競争が激化する電動SUVクラスにおいて、530kmというWLTP航続距離は大きな武器となるはずだ。

まず、アリアはモダンで洗練されたスマートな外観を持ち、インテリアは高級ブランドのライバルと比較しても遜色ない。目を引くデザインだけでなく、高級感のある素材がふんだんに使われ、心地よく上品な雰囲気を醸し出している。ダッシュボードの上部には、メーターとインフォテイメント用の2枚の12.3インチ・スクリーンが設置されている。フロントシート間のスライド式センターコンソールや、ダッシュボードからスライドして取り出せる便利な引き出しなど、気の利いた工夫も見られる。

ドライブトレインのレイアウトは、シングルモーター前輪駆動とデュアルモーター四輪駆動から選べる。前者は63kWhまたは87kWhのバッテリーから選択でき、それぞれ最高出力218psまたは242psを発揮する。「e-4orce」と呼ばれる四輪駆動モデルは、87kWhバッテリーのみ選択可能で、標準仕様で306ps、最上位モデルのパフォーマンス仕様では393psを発揮し、0-100km/h加速は5.1秒となる。

どの構成にせよ、アリアは落ち着いていて走りの能力も高いが、ドライバーの鼓動が高鳴るようなことはない。ステアリングは軽快で正確だが、ボディコントロールはややソフトでそわそわしており、コーナリング時には車体のロール軸よりも高い位置に座っているような感覚になり、傾き1つ1つを意識させられる。

アリアは初代リーフのようなゲームチェンジャーではないが、気に入る点はたくさんある。しかし、英国価格が5万ポンド(約900万円)弱からということで、日産がよほど好きでなければ購入に踏み切れないだろう。

8. アウディQ4 eトロン・クワトロ

フルサイズのアウディQ8 eトロンをファミリーカーとして購入するのはちょっと……という方には、小型のQ4 eトロンがある。通常のSUVボディとクーペ風のQ4スポーツバックeトロンがあり、フォルクスワーゲン・グループが開発したMEBプラットフォームを採用している。四輪駆動も選択でき、300psを超えるパワーを発揮する。しかし、今回上位にランクしたフォルクスワーゲンID.4やスコダ・エニアックiVのような安価な兄弟車とは、メカニカル面で多くの共通点がある。

パグ鼻のルックスや、きらびやかだが少し地味なキャビンの質感など、欧州の消費者を少し遠ざけているように思える部分もあるが、AUTOCARが試乗したところ、ネガティブな印象は十分和らいだ。Q4 eトロンは、洗練された高性能な内燃エンジンによって付加価値を高めることができなくなり、シャシー技術がブランド間で共有されるようになったEV時代に、高級ブランドの差別化がいかに難しいかを顕著に示している。最も航続距離の長い仕様では480kmに迫る航続距離を誇り、信頼に足る1台ではあるが、ダイナミクスでも、表面的に異なるだけのデザインでも、インテリアの高級な雰囲気でも、うまく差別化できていない。

一部の高級EVよりもQ4 eトロンの方が選びやすいものの、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームによる切り貼り感は否めない。アウディは、これからのEV市場で自社製品の優位性を示したいのであれば、もっとうまくやらなければならない。

9. メルセデス・ベンツEQB

7人乗りの電動SUVを買うなら、今のところ選択肢は厳しく限られている。これから増えていく見込みはあるものの、現時点での数少ない選択肢の1つがメルセデス・ベンツEQBだ。同じく7人乗りのテスラ・モデルXよりはるかに小さいが、価格も約半分である。

基本的には内燃エンジン搭載のGLBのEV版であり、モーターとバッテリーによって多用途性をあまり損なわないように、丁寧にパッケージされている。例えば、3列目シートの広さはGLBと同じで、大人は短距離の移動にしか耐えられないが、子供であればあまり問題はない。2列目シートもスライド式のため、乗員数と荷物量によってはレッグルームを広くとることができる。

インテリアの仕上げはよく、高級感があり、ダッシュボードに設置されたTFTスクリーン(優れたMBUXシステムを搭載)がハイテクな雰囲気を醸し出している。

快適性と洗練性は良好で、ドライビングも楽しさよりもリラックスすることを優先させている。最高出力228psのEQB 300と最高出力292psのEQB 350(どちらも四輪駆動)があるが、同じようにデュアルモーターを搭載するライバルの速さには及ばない。

速さといえば、150kWの充電速度が主流のこのクラスで、EQBの上限が100kWなのは残念だ。最大航続距離が419kmというのも特筆すべきことではないだろう(充電を待っている間に、一筆したためることはできるかもしれないが)。

価格は5万5000ポンド(約1000万円)弱からで、これはテスラ・モデルYと同程度の金額であり、スコダ・エンヤクiVはおろか、アウディQ4 eトロンよりもかなり高い。

7人乗りが必要なら、使い勝手のいいEQBにライバルはほとんどいないが、そうでなければもっといい選択肢がある。

10. BYDアット3

BYDとは「Build Your Dreams」の頭文字をとったもの。中国の自動車メーカーがかかげるこうしたスローガンは、皮肉屋な欧州の顧客にはうまく伝わっていないかもしれないが、この最新モデルの真面目な意図を疑う余地はない。

アット3は、BYDの欧州攻勢の第1弾であり、荒削りな部分もあるが、既存モデルに代わる選択肢として十分検討できる。BYD最新の「eプラットフォーム3.0」という洒落た名前のアーキテクチャをベースに作られており、バッテリー、モーター、半導体はすべて自社製だ。サイズとしては、キア・ニロとフォルクスワーゲンID.4の中間に位置する。

パワートレインは、最高出力204psのモーターと60.5kWhのバッテリーを採用し、1回の充電で420kmの航続距離を謳う。アット3は快適で落ち着いた走りを見せるが、ペダルを踏み込んでタンゴを楽しむようなクルマではない。とはいえ、平凡なファミリーカーとして考えれば、ほとんどの顧客は面白さよりも気軽さを選ぶだろう。

興味深いのはインテリアで、差し障りのないエクステリアとは対照的にファンキーな印象を与える。回転式15.6インチ・インフォテインメント・スクリーン(オプション)を備えた大胆なダッシュボードなど、数々の風変わりなデザインディテールは、無愛想なライバルを凌駕している。そして、4万ポンド(約720万円)を下回る価格も魅力だ。夢に見るようなクルマではないかもしれないが、有能で手間のかからないファミリーハックとして、一見の価値がある。

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