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国内試乗 マツダ3(新型アクセラ) 1.8ディーゼル/セダン2.0ガソリンを評価

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国内試乗 マツダ3(新型アクセラ) 1.8ディーゼル/セダン2.0ガソリンを評価

もくじ

どんなクルマ?
ー SKYACTIV-D 1.8/G 2.0を試す

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どんな感じ?
ー 新世代シャシー ここが違う
ー 新しい感覚 その秘密は?

「買い」か?
ー ADAS標準フル装備 戦略価格
ー 推すなら、どのエンジン?

スペック
ー 新型マツダ3のスペック

どんなクルマ?

SKYACTIV-D 1.8/G 2.0を試す

今回から車名がグローバル統一の “マツダ3” となったマツダの最新Cセグメントは、社内呼称でいう “第7世代” の第1号車となる。

初代CX-5を皮切りにスカイアクティブ技術をフル搭載したこれまでの “新世代商品群” は第6世代である。この呼称はマツダ初の小型乗用車として1963年に発売された初代ファミリア(とその同世代乗用車)を第1世代として、以降プラットフォームなどの基本骨格(最近のマツダ流にいうとアーキテクチャー)の刷新ごとに、同世代商品をまとめた社内呼称として使われてきたものだ。

社内呼称が1つ進んだことからも分かるとおり、マツダ3の基本骨格設計はそれ以前のマツダとはまったく別物である。新型マツダ3に採用された “スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャー” は、これまでの例でいうと、今後登場するマツダのC~Dセグメント車すべてに使われると思われる。

いっぽう、現時点で4種類あるエンジンのうち、3種類は従来改良型である。今回唯一の新開発となるパワートレインはSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用した2.0ℓスーパーチャージャー+マイルドハイブリッド(=スカイアクティブX)だが、それを搭載したマツダ3の発売は他モデルより遅れて、予約開始が7月、販売は10月スタートが予定されている。

どんな感じ?

新世代シャシー ここが違う

これまで何度となくプロトタイプでの試乗機会が与えられてきたマツダ3だが、量産モデルを走らせられるのは今回が初めてだ。ただ、今回も一般公道での試乗は実現せず、栃木県にあるGKNドライブラインジャパン社(旧栃木富士産業)のテストコースを占有した短時間試乗にかぎられた。

さらに用意された試乗車も1.8ℓターボディーゼルを積むハッチバック(商品名はファストバック)と2.0ℓガソリンのセダンの2台のみで、ともに上級の “Lパッケージ” だった。というわけで、買い得価格の1.5ℓガソリンと、開発の最終仕上げ真っ只中であろうスカイアクティブXの試乗はお預けである。

新型マツダ3はボディ骨格からサスペンションはもちろん、シートやステアリングホイールまで、シャシー関連部品はすべて刷新されており、まさに全身新開発の力作である。理想的な荷重移動を重視した “人馬一体” や、最近のマツダが声高に主張する “人間中心” といった開発目標は変わっておらず、設計思想は正常進化といっていい。

ただ、この第7世代のシャシーでは、人間の歩行における骨格や筋肉の使い方を徹底解析して “骨盤” の動きに注目したことが、これまでにない特徴という。その詳細を語るスペースはここにはないが、乗員の骨盤の向きや動きを歩行時のそれに近づけることで走行中の乗員の頭を安定させて、結果としてクルマとの一体感を高めて、長時間走行による疲労の低減も実現しているという。

そういわれてみると、マツダ3は運転席シートに無意識に座っただけで、自分の骨盤がすっと自然に “立つ” 感覚がある。

新しい感覚 その秘密は?

マツダによると、このように人間の骨盤を立てることで、脊柱が自然なS字カーブを描いて着座することが可能となり、「歩行時と同じような動的バランス保持能力を発揮できる」らしい。

試乗コースとして用意されたハンドリング路での動きも、なるほど第6世代とは少し異なる。これまでのマツダ車は適度なロールやピッチングによって荷重移動を誘発させていたが、マツダ3では自分の骨盤にわずかに前後左右の “ヒネリ” が加えられるような感覚……といえばいいだろうか。車両姿勢はフラットに安定したままで、ドライバーには荷重移動感が純粋培養されて伝わってくる感覚なのだ。

これはたしかに新しい運転感覚ではあるが、それを実現するための特別な新技術があるわけではなく「ボディ剛性やサスペンションの設計とチューニング、そして新開発シートなどの相乗効果」だという。想像するに、マツダ独自のGベクタリングコントロール(現在は末尾に “プラス” がつく世代)も、この運転感覚の醸成にけっこう効いている気がする。

今回用意された2機種のパワートレインが新鮮味に欠けたのは否定できないが、“クラストップ” を豪語する静粛性は好印象だった。また、最近のクルマとしてはグリップが細身の新ステアリングホイールや、一発目から好みの制動力でコントロールできた自然なブレーキタッチも好印象である。

「買い」か?

ADAS標準フル装備 戦略価格

マツダ3の車両本体価格は競合他車と比較すると少し高めの設定なのは事実だ。ただし、ヘッドアップディスプレイや初期パッケージ段階からスピーカー位置を突き詰めた高品位オーディオシステム、そしてスムーズレザーの本革ステアリングは全車標準装備で、今回の1.8ℓディーゼルと2.0ℓガソリンはADAS(先進安全運転支援システム)も標準フル装備となる。

これら装備内容を考えると、実質的には他車より割高なわけではない……どころか、内外装備の高い質感なども考慮すると割安感すら抱かせる戦略的な価格設定である。

ただ、先代のマルチリンクからトーションビームとなったリアサスペンションはなるほどコストダウンの意味もあろうし、最新の競合車と比較するとグレードダウン感もなくはない。ただ、トーションビームにはコスト以外に空力や重量面、そしてロール剛性などの利点もあり、少なくとも今回の試乗では明確なデメリットは感じ取れなかった。まあ、マツダ3は4WDのそれもトーションビームのままなので、そのあたりのマッチングは実車に乗ってみないと分からないが……。

推すなら、どのエンジン?

新型マツダ3は全身新開発ながらも、現時点では斬新な新機軸はあまりない。

あくまで短時間試乗での第一印象では、ハッチバックの独特の “なで肩” デザインや明確に高級感のあるインテリア、意外に割安な価格設定……に加えて、マツダが提唱する骨盤ドライブ(?)のフィーリングが肌に合えば、安価な1.5ℓガソリンや国内では独自性のある1.8ℓディーゼルなら “まあ買い” の物件といえそうだ。

マツダとしては「価格と性能のバランスがもっともいい」という2.0ℓガソリンがイチオシらしいが、日本の自動車税制や昨今のトレンドのなかではどうにも選びにくいのは、2.0ℓが国内で途中廃止された先代アクセラのときと変わりない。

新型マツダ3のスペック

マツダ3 XD Lパッケージ

■価格 298万3800円
■全長×全幅×全高 4460×1795×1440mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(WLTCモード) 19.8km/ℓ
■CO2排出量(WLTCモード) 131g/km
■車両重量 1410kg
■パワートレイン 直列4気筒1756ccディーゼルターボ
■使用燃料 軽油
■最高出力 116ps/4000rpm
■最大トルク 27.5kg-m/1600-2600rpm
■ギアボックス 6速オートマティック





マツダ3セダン 20S Lパッケージ

■価格 271万3800円
■全長×全幅×全高 4460×1795×1445mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(WLTCモード) 15.8km/ℓ
■CO2排出量(WLTCモード) 147g/km
■車両重量 1350kg
■パワートレイン 直列4気筒1997cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 156ps/6000rpm
■最大トルク 20.3kg-m/4000rpm
■ギアボックス 6速オートマティック



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