現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 乗り心地はマイバッハ超えかも[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

ここから本文です

乗り心地はマイバッハ超えかも[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

掲載 更新 1
乗り心地はマイバッハ超えかも[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

自動車ライターの西川 淳氏によるEQS SUVの試乗記。前回は室内空間やパッケージングについて語ってもらった。今回は充電性能や街乗りした印象についてを綴ってもらった。

30分で最大300km分の充電が可能

メルセデスの最上級SUVに対する本気度が伝わる[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

周辺のソフトウェアも含めて自社で開発したというリチウムイオン・バッテリー。コバルトの使用量を10%以下に減らしたニュータイプで、メルセデスとしては今後レアメタルの使用をさらに削減する考えだ。

そんな新型バッテリーを搭載したEQS SUVの気になる外出先での急速充電性能(CHAdeMO規格、残量10%からの充電目安)は、ごく標準的な50kW器を半時間繋いで30%、90kW器で49%、そして最近、東名阪の高速道路SAでも設置の進む150kW器なら58%まで充電できる。

満充電スタートにおけるEQS450 SUVの航続距離はおよそ600kmだ。実際には500km弱として、150kW器であれば半時間で300km分、ということは15分の充電でも150km分近くを新たに確保できる計算だ。たとえば東京から大阪への移動(500km)でも、満充電スタートならギリギリ到達できるとはいうものの目的地での移動が制限される。

普段でもSAでトイレに行き、コーヒーを買って、土産物を物色してガソリンを補給すれば15分や20分などラクにかかってしまうから、その間だけでも充電しておけば随分と余裕ができるというわけだ。目的地でも移動余裕分として150kmもあれば十分だろう。

実際、筆者はEQS450 SUVで京都から走ったが、浜松サービスエリアで15分休憩したのみで、いつものガソリン車と変わらない所要時間で東京へたどり着いた。今までのBEV(バッテリー電気自動車)ではなかったことで、それこそテスラのスーパーチャージャーに匹敵する便利さだ。150kW器の登場で長距離移動は随分とストレスフリーになったと思う(一箇所に一機のみだから混み出したら元も子もないけれど)。

余談だが150kW器に受け入れ性能の高くない国産BEVを繋いでいるユーザーをたまに見かけることがある。充電を受ける側の性能も車種によって違いのあることをもっと周知しなければならない。

セダンやマイバッハさえ上回るBEVならではの乗り心地

満充電のEQS450 SUVを都内で受け取り、いざ京都を目指して走り出す。街中での乗り心地はセダンをはるかに上回り、マイバッハGLSよりも優れているとさえ思う。足がしっかりと仕事をこなし車体を震わせたりしないから、重さを必要以上に感じることがない。重厚感はあるというのに、重々しさがない。力のある“電気自動車ならでは”の乗り味だ。

そしてBEVだから静かなことは当然だが、その異次元の静粛性には驚くほかない。防音室に入っているかのようで、不気味なくらいだ。沈黙に耐えきれず、すぐに音楽を鳴らしてしまった。

街中をドライブしていて実はボディサイズもそれほど気にはならなかった。もちろんホテルの駐車場に停めたりする際には気を遣うけれど、街中を走っている分にはそれほど大きいクルマに思えない。着座位置が極端に高くないことと、横長なフロントガラスによって区切られた視界による、いい意味での錯覚もある。もちろん、自分の思い通りに車体がついてくるという感覚があってこそ、だ。

実はEQS SUVのそんな運転しやすさに助けられた場面があった。ちょうど京都へ向かった日の午後は東海エリアに大きな線状降水帯が発生し、豊橋市や豊川市が大水害に遭ったのだが、私も運悪くその時、あのエリアにいたのだ。東名を追い出され、国道1号線の渋滞に痺れを切らして脇道へとそれたとき、前から水が迫ってくるのが見えた。慌ててバックしたのだけれど、その際、とても運転しやすいことに気づいたのだ。夜、視界も悪い中、見知らぬ路地をバックする。慣れたクルマでも難しい。それをこの巨体は難なくこなした!

マフラーのないBEV、最低地上高の高いSUV。交差点が冠水し、水かさがある程度増えてきてもなんとか走りきれたが、こういう時はそもそもクルマを運転してはいけない。

メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV 全長:5,135mm 全幅:2,035mm 全高:1,725mm ホイールベース:3,210mm 車両重量:2,900kg 前後重量配分:前1,400kg、後1,500kg 乗車定員:7名 交流電力量消費率:221Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:593km(WLTCモード) 最高出力:265kW(360ps) 最大トルク:800Nm(81.6kgm) バッテリー総電力量:107.8kWh モーター数:前1基、後1基 トランスミッション:電動パワートレイン eATS 駆動方式:AWD フロントサスペンション:4リンク式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前後275/45R21 最小回転半径:5.1m 荷室容量:195~2,200L 車両本体価格:1,542万円

>>>次回は、高速道路をドライブした印象を語ります

関連タグ

こんな記事も読まれています

『コンチネンタルGT』が新開発V8採用の第4世代に進化。ベントレー、2024年6月の発表を予告
『コンチネンタルGT』が新開発V8採用の第4世代に進化。ベントレー、2024年6月の発表を予告
AUTOSPORT web
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
AUTOSPORT web
メルセデス、6位&7位にとどまるも「マクラーレンやフェラーリほど目立たないが、僕らも改善している」とハミルトン
メルセデス、6位&7位にとどまるも「マクラーレンやフェラーリほど目立たないが、僕らも改善している」とハミルトン
AUTOSPORT web
BTCCが“記録的早さ”で2025年カレンダーを発表。来季もドニントン開幕の全10戦30レースを予定
BTCCが“記録的早さ”で2025年カレンダーを発表。来季もドニントン開幕の全10戦30レースを予定
AUTOSPORT web
【宮田莉朋F2密着】フリー走行でマシントラブル多発。経験を積むことに注力したスプリント/第4戦イモラ
【宮田莉朋F2密着】フリー走行でマシントラブル多発。経験を積むことに注力したスプリント/第4戦イモラ
AUTOSPORT web
コンチネンタルGTが4代目へと進化しPHEVに──6月に世界初披露へ|BENTLEY
コンチネンタルGTが4代目へと進化しPHEVに──6月に世界初披露へ|BENTLEY
OPENERS
日産「新型コンパクトSUV」発表! 斬新“デザイン”が超スタイリッシュ! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」豪に登場
日産「新型コンパクトSUV」発表! 斬新“デザイン”が超スタイリッシュ! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」豪に登場
くるまのニュース
アライ、MotoGPトップライダーのペドロサの最新レプリカ『RX-7X ペドロサ将軍』を2024年7月上旬に発売
アライ、MotoGPトップライダーのペドロサの最新レプリカ『RX-7X ペドロサ将軍』を2024年7月上旬に発売
AUTOSPORT web
シエンタで楽しむ車中泊!構造変更ナシで使えるフローリングキット発売
シエンタで楽しむ車中泊!構造変更ナシで使えるフローリングキット発売
グーネット
広島発、超小型モビリティの名前「ミボット」に決定!2025年量産販売スタート予定
広島発、超小型モビリティの名前「ミボット」に決定!2025年量産販売スタート予定
グーネット
Defiブランド・レーサーゲージシリーズが内部新設計・電子部品一新で「レーサーゲージN2+」へリニューアル
Defiブランド・レーサーゲージシリーズが内部新設計・電子部品一新で「レーサーゲージN2+」へリニューアル
レスポンス
自動運転はクルマの世界だけじゃない! 建機や重機の世界でも進む無人化で災害救助がもっと早くなる!!
自動運転はクルマの世界だけじゃない! 建機や重機の世界でも進む無人化で災害救助がもっと早くなる!!
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol37. 君島十和子さん(後編)
愛車の履歴書──Vol37. 君島十和子さん(後編)
GQ JAPAN
DSの新コレクション、「サン=テグジュペリ」の映像公開…「旅は芸術」のビジョンを表現
DSの新コレクション、「サン=テグジュペリ」の映像公開…「旅は芸術」のビジョンを表現
レスポンス
ベントレーが黒をアクセントに採用した日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」を発売
ベントレーが黒をアクセントに採用した日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」を発売
@DIME
ポルシェ911カレラのようなホットハッチ──新型GRヤリスGR-DATモデル試乗記
ポルシェ911カレラのようなホットハッチ──新型GRヤリスGR-DATモデル試乗記
GQ JAPAN
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
くるまのニュース
ドライブスルー中古車査定が登場…強みは「スピードと会話の短縮」
ドライブスルー中古車査定が登場…強みは「スピードと会話の短縮」
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • こういうテストドライブはさ、真夏の炎天下の帰省渋滞、SA入るのに1時間掛かる様な状況で
    家族4人乗りというリアルな環境でテストして貰いたい

    渋滞時やSAでの充電器の待ち時間、冷房フル稼働でどの位走るの?て・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1238.01890.0万円

中古車を検索
EQSの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1238.01890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村