現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】アルピナ B7│自らステアリングを握らないともったいない、真のドライバーズカー!

ここから本文です

【試乗】アルピナ B7│自らステアリングを握らないともったいない、真のドライバーズカー!

掲載 更新 2
【試乗】アルピナ B7│自らステアリングを握らないともったいない、真のドライバーズカー!

究極の走りと快適性の共存はアルピナにしかできない芸当

「B7」は、アルピナにとって歴史のあるモデル名。1978年にアルピナがはじめて手がけた生産車は当時の5シリーズベースの“B7ターボ”であり、“世界最速の4ドアセダン”の称号を得て、のちに追加された6シリーズベースの“B7ターボクーペ"とともに、その名を広く知らしめた。

カーセンサーEDGE.netはこちら

ちなみに、80~90年代にかけては、7シリーズ(E32型やE38型)をベースとしたモデル「B11」や「B12」といった車名が使われていた。7シリーズをベースとするB7が誕生するのは、2000年代に入ったE65型の頃からだ。アルピナ初のスーパーチャージャー付きエンジンを搭載し、ロングホイールバージョンも用意された。

2016年、現行型7シリーズのロングホイールベースバージョン(G12型)をベースとした「B7 BITURBO LIMOUSINE LONG」がデビュー。アルピナ初のインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングと四輪駆動との組み合わせがエポックだった。そして、2019年にベースとなる7シリーズのマイナーチェンジに合わせ、デザインやドライブ・トレイン、ドライバー・アシスタンス・システムなど全方位でのアップデイトが実施された。

新型は「ALPINA B7 Long Allrad」という車名にあるように、日本仕様ではロングホイールバージョンで4WDのみの設定となる、アルピナにとってのフラッグシップモデルだ。ボディサイズは、全長5270mm、全幅1900mm、ホイールベースは3m超の3210mmで、広大な後席空間をもつ。ドライバーズカーづくりに長けたアルピナが手がけたショーファードリブンというわけだ。

パワートレインは、4.4L V8ツインターボで、ZF製の8速スポーツATを組み合わせる。メカニズムはBMW譲りのものだが、タービンを大径化するなど独自のチューニングを施し、最高出力608ps、最大トルク800N・mを発生。0-100 km/hまで加速は先代モデルが4.2秒だったのに対して3.6秒にまで短縮。

巡航最高速度は330km/hに到達する。このパワーは、V12エンジンで最高出力609ps、最大トルク850N・mを発揮するBMWのフラッグシップ、M760Li xDriveに匹敵するものだ。ちなみに車両重量はM760Li が2320kgなのに対して、B7は2175kgに抑えられている。

インテリアは、アルピナ独自のカスタマイズプログラムと、BMWのオーダーメイドプログラム“インディビジュアル”を組み合わせることが可能で、予算に糸目をつけなければ、唯一無二の贅を尽くした空間をつくりあげられる。試乗車はブラックのメリノレザーに綾織模様のステッチ、そしてホワイトのパイピングを施したBWMインディビジュアルによるシートをはじめ、アルピナ独自の“ミルテ”という赤茶のウッドパネルをふんだんに配していた。

ステアリングホイールも手触りのいいラヴァリナレザーが用いられ、操作時に指に干渉しないようにとクロスステッチではなく、手間のかかるストレートステッチで手縫いされている。後席はオプションのエグゼクティブパッケージによって、大型のコンソールが備わる4人乗り仕様となっており、ロングホイールベースらしく足元は広々としている。 ひとたび走りだせば、とても全長5.2m超のボディとは思えないほど軽快な動きをみせる。絶妙なバランスでチューニングされたエンジンは、2000~5000回転で最大トルクを発生するため、ターボラグやトルクの谷を感じさせることはない。常にフラットな特性で、スムーズにペダルへの微細な入力にもリニアに反応し意のままに加速してくれる。

もちろん、シルキーさでいえば絶滅危惧種であるV12エンジンは魅力的だが、日常領域で静粛性高く、ドライビングを楽しみたいシーンで躍動感を感じさせるこのユニットは、アルピナらしさにあふれている。

そして乗り味は、これぞ“アルピナマジック”というべきもので、オプションの21インチ超扁平タイヤでも極上のハンドリングと乗り心地を実現している。BMWがランフラットにこだわるのに対して、アルピナはランフラットではない専用開発のミシュラン・パイロットスポーツ4Sを装着。シャシーは、電制ダンパーに、エアサスペンション、アクティブ・ロール・スタビライザーとリア・アクスル・ステアリングを採用。

さらに、カメラで路面の凹凸をとらえて、減衰力を最適化するロード・プレビュー機能付きのアクティブ・コンフォート・ドライブも備えており、ハードウエアとソフトウエアの両面でアルピナ独自のチューニングが施されている。

もし、とにかく快適なショーファーカーが欲しいというなら、あえてこのモデルを選ぶ理由はあまりないかもしれない。近い予算で、M760Li xDriveやメルセデス・マイバッハ Sクラスやベントレー フライングスパーだって選べる。

わざわざアルピナを選んでおいて、後席にしか座らないなんてもったいない。積極的にステアリングを握ることをいとわず、時に後席でリモートワークする仕事熱心さで、時に親孝行や家族孝行も忘れない、“駆けぬける歓び”をとてもよく知っているエグゼクティブのための車なのだ。 文/藤野太一、写真/デレック槇島、ニコル・オートモビルズBMW アルピナ B7(現行型)の中古車を探す▼検索条件BMW アルピナ B7(現行型) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】●ロング アルラット 4WD型式7BA-7M50最小回転半径-m駆動方式4WD全長×全幅×全高5.27m×1.9m×1.49mドア数4ホイールベース3.21mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.62m/1.62mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS◯車両重量2175kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置フロア最低地上高-mマニュアルモード◯  標準色アルピン・ホワイトIII、ブラック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、グレイシャー・シルバーメタリック、カーボン・ブラックメタリック、アークティックグレーブリリアントEM、インペリアルブルーブリリアントエフェクト、ソフィストグレーブリリアントエフェクトM、ベルニーナ・グレーメタリック、ドニントン・グレーメタリックオプション色アルピナ・ブルー、アルピナ・グリーン、アルマンディン・ブラウンIIメタリック、アヴェンチュリン・レッドIIメタリック、アズライト・ブラックIIメタリック、ドラパイト・グレーメタリック、ロイヤル・バーガンディ・レッドメタリック、タンザナイト・ブルーIIメタリック掲載コメント-型式7BA-7M50駆動方式4WDドア数4ミッション8ATAI-SHIFT-4WS◯標準色アルピン・ホワイトIII、ブラック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、グレイシャー・シルバーメタリック、カーボン・ブラックメタリック、アークティックグレーブリリアントEM、インペリアルブルーブリリアントエフェクト、ソフィストグレーブリリアントエフェクトM、ベルニーナ・グレーメタリック、ドニントン・グレーメタリックオプション色アルピナ・ブルー、アルピナ・グリーン、アルマンディン・ブラウンIIメタリック、アヴェンチュリン・レッドIIメタリック、アズライト・ブラックIIメタリック、ドラパイト・グレーメタリック、ロイヤル・バーガンディ・レッドメタリック、タンザナイト・ブルーIIメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径-m全長×全幅×全高5.27m×1.9m×1.49mホイールベース3.21m前トレッド/後トレッド1.62m/1.62m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量2175kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高-m掲載用コメント-エンジン型式-環境対策エンジン-種類V型8気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量78リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量4394cc燃費(WLTCモード)-燃費基準達成-最高出力608ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm800(81.6)/5000エンジン型式-種類V型8気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量4394cc最高出力608ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm800(81.6)/5000環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量78リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)-km/L燃費基準達成-

アルピナ B7のカタログはこちらカーセンサーEDGE.netはこちら

こんな記事も読まれています

ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ベストカーWeb
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
ベストカーWeb
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
AUTOSPORT web
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
AUTOSPORT web
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
AUTOSPORT web
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
AUTOCAR JAPAN
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
AUTOCAR JAPAN
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
グーネット
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
乗りものニュース
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
くるまのニュース
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
WEB CARTOP
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

2件
  • アルピナは以前の車種表記より解りやすくなりました。
  • やっぱベースはベンベだね!
    カタカナ名が、いちいち長い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村