現在F1にタイヤを供給しているピレリは、各グランプリごとに5つのコンパウンドから3つを選んで持ち込む形をとっている。そして、チームはレースで少なくとも2種類のタイヤを使用する必要がある。
ピレリは今シーズン、ブリスター(タイヤ表面の水ぶくれのような現象)とオーバーヒートを防ぐべくタイヤ構造を変更し、トレッド面を0.4mm薄くした構造のタイヤを全戦で採用した。しかし、この変更はいくつかのチームからメルセデスを手助けしアドバンテージをもたらしているといった批判や、タイヤのウォームアップが難しいことでパフォーマンスが不安定になりすぎるなどといった苦情が出ることとなった。
■「昨年のタイヤに戻せ」という主張は”ご都合主義”。メルセデスの主張
いくつかのチームは、ピレリに2018年のタイヤに戻すよう求めている。しかしタイヤサプライヤーがシーズン中にタイヤの設計を変更することができるのは、安全性に関する理由があるときのみとなっており、ピレリはこれを変更するつもりはないとしている。
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)のディレクターでもある、ハースのロマン・グロージャンは既存のコンパウンドについて議論するよりも、F1が“プロトタイプ”タイヤを持つことで利益があると考えているようだ。
「これは僕がMotoGPから学んだ素晴らしいモノのひとつだ」と、グロージャンは言う。
「僕はファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハ)と仲が良いんだけど、彼に『なぜソフト、ミディアム、ハードのタイヤがあるのに、君は予選でハードタイヤを使うんだ?』と聞いたんだ」
「彼は毎レース、ハードタイヤはプロトタイプの物で、ミシュランが新しい技術を持ち込んでいると話していた」
「僕らはここ(F1)でベストの物を持ってはいないことを知っている。なぜそれ(新しいテクノロジー)を試さないんだ?」
「ソフトとミディアムもそうだ。新たなテクノロジーが持ち込まれていることで、毎レースを違ったものにするんだ」
「もし使いたくないなら、それを使用する必要はないんだ。少なくとも、僕らはそういった方法で製品を開発することはできるはずだ」
■MotoGPは何をしているのか?
MotoGPは各ライダーにハード、ミディアム、そしてソフトタイヤの選択肢を与えている。これ自体はF1と似ているが、ミシュランのタイヤレンジはレースごとに大きく異なるものになっている。
モーターサイクルレースの本質として、これらは必要とされるものだが、それにとどまらず、よりエキサイティングで、予測不可能なレースを生むという連鎖的な利益も存在する。
ミシュランは2016年にMotoGPのタイヤサプライヤーとして復帰。その後2016年と2017年はタイヤ構造をレースごとに変更してきた。
これによってチームのレースに対する取り組み方は複雑なものとなったが、結果としてレースは優勝者が毎戦のように変わるという大きな恩恵も受けた。ただ、この試みは2018年には停止されている。
現在は、タイヤ構造がシーズン開始時にほぼ確定されるようになっているが、時には安全上の理由で変更が行われる。にもかかわらず、コンパウンドのレンジは依然としてダイナミックであり、毎週ごとに同じコンパウンドはひとつとして存在しない。
これによって、概ね3つのタイヤ全てでレースを戦うことが可能となっており、素晴らしい戦略を作る機会を生み出している。ライダーの走りを制限しないタイヤが、レースにプラスの影響をもたらしているのだ。
F1で似たようなモノを採用した場合、ドライバーは全体的により耐久性のあるタイヤを使うことから解放されるだろう。そして最終的には、戦略の多様性とより良いレースに繋がっていくはずだ。
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