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WorldRX:eシリーズ第3戦は初参戦パイエが値千金の勝利。王者ハンセンは選手権首位浮上

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WorldRX:eシリーズ第3戦は初参戦パイエが値千金の勝利。王者ハンセンは選手権首位浮上

 6月28日(日)に仮想空間のスウェーデン・ホーリエスで開催されたWorldRX世界ラリークロス選手権の新eシリーズ『WorldRX Esports』第3戦は、前戦勝者であるBMWファクトリー契約ドライバーのトム・ブロンクビストや、現WorldRX世界チャンピオンのティミー・ハンセンを撃破した初参戦のジョナサン・パイエが、見事なデビューウインを飾っている。

 FIA世界選手権のWorldRXへと続くステップアップ・カテゴリーにも位置付けられるヨーロピアン・ラリークロス選手権(EuroRX)に参戦中のフランス出身のパイエは、このeシリーズ第3戦でコードマスターズが提供するゲーミングプラットフォーム『DiRT Rally 2.0』を採用した仮想空間での勝負を初体験したにも関わらず、予選ヒートから素晴らしいスピードを披露。見事にセミファイナル進出を決めてみせた。

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 その予選ヒートで最速を分け合ったのは、ノルウェー出身のラリークロスドライバーであるシヴァート・スヴァルダルと、WorldRX王者ティミーにBMWワークス所属ブロンクビストの3名。とくに第2戦を制して勢いに乗るイギリス出身のブロンクビストは、Q3とQ4を制し、合算の中間リザルトでTQ(top qualifier)となり、この時点でランキング首位に浮上すると同時にセミファイナル1のポールポジションを確保した。

 一方、弟のケビン・ハンセンやRX2 International Series参戦中のヘンリック・クログステッドに、ニュージーランド出身のWRC世界ラリー選手権優勝経験者ヘイデン・パッドンら錚々たるメンバーが名を連ねたセミファイナル2は、1コーナーでドリフトアングルをつけ過ぎた王者ティミーが出遅れるものの、終盤に巻き返し、兄弟揃ってのファイナル進出を確定。

 アウディS1 RXスーパーカーをドライブしたパッドンは惜しくも進出を逃し、セミファイナル1を制したブロンクビストがポールポジション、ハンセン兄弟を挟んでスヴァルダルとパイエが並ぶグリッドとなった。

 フルウエットでのスタートとなったファイナルは、全車横並びでダッシュを決めたものの、ホーリエスの緩い右ターン1の縁石をカットしたポール発進ブロンクビストのプジョー208WRXスーパーカーは、そのまま接地を失った状態でアウトサイドにいた4台を巻き添えにコースオフ。この混乱を唯一切り抜けていたパイエがターン2アウト側のジョーカーラップに飛び込み、アドバンテージを得ることに成功する。

 そのままマージンを維持する力走を見せたパイエは、3ラップ目にスヴァルダルが、4ラップ目に首位のティミーがジョーカーを消化したところでリードを奪うと、終盤は肉弾戦と化した2番手以下の争いを尻目にトップチェッカー。このバトルでジャンプアップを果たした2位ブロンクビストや、3位の現WorldRX王者ティミーを従えて、望外のeシリーズ・デビューウインを飾っている。

「僕にとって初めてのWorldRX Esports挑戦は(ともに参戦した兄弟の)ファビアンとともにマシンやゲーム特性を学ぶことから始まった。木曜には(『DiRT Rally 2.0』世界王者である)ダロルモ兄弟と練習を始め、難しい環境でもラップごとに彼らのタイムに近づけることができた」と、この週末を振り返ったジョナサン・パイエ。

「ハンセン兄弟やブロンクビストのラップタイムを見ていたから本当に自信がなかったけれど、最初の2回の予選ヒートはクリーンなトラック状況に恵まれて本当にうまくいった。Q4ではティミーを追って、彼のリズムをなんとか真似しようとしたんだ」

「ファイナルでは失うものが何もなかったから、アンダーカットを狙って最初からジョーカーに入ることを決めていた。戻ってきたときには3番手で、その後はウエットの路面でも前のマシンに近づけていることに気づいたんだ」

「そこからはクリーンなドライビングとミスを犯さないことだけに集中して、そのドライビングが報われた。彼らのレベルを考えれば、勝てるなんて考えてもみなかったし、驚き以外の何モノでもないね」

 この結果により、スタンディングでは王者ティミーがブロンクビストを6ポイント差で逆転して選手権首位に立ち、3位に弟のケビン・ハンセン、そして今週末は本業のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの再開に伴い、参戦を見送った“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが4位へ下がる形となっている。

 また、今週も別クラスとして開催されたプロのシミュレータードライバー10名による勝負は、前戦勝者の現『DiRT Rally 2.0』世界王者でもあるキリアン・ダロルモが連勝を飾り、兄クエンティンとともにワン・ツー・フィニッシュを決めている。

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