学生ならではのユニークな仕掛けを満載し、 大阪オートメッセ2018でお披露目!
2001~2004年に販売された『WiLL VS』は、ステルス戦闘機がデザインのコンセプトだった。 そのアイディアを受け継いだのがSIAT(埼玉自動車大学校)の学生たち。彼らが進化させた『WiLL式戦闘機』が、大阪オートメッセ2018にて披露された。 時代を先取りしすぎたとも思えるアグレッシブなデザイン。販売台数こそ振るわなかったが、トヨタのWiLL VSには今も根強いファンが多い。製作に携わる学生たちがミーティングを開き、アイディアを出し合ったなかで採用されたのが、この”VSミリタリー仕様”だったという。
その時点で浮かんでいたのはリヤドアのガルウイング化で、戦闘機の翼をイメージして角度などを決定。 さらにエアロパーツもステルス機らしさを追求してイチから作り、ツヤ消しシルバーにオールペンした。エアブラシで描いた弾痕やリベットなど、いたるところにミリタリーのテイストを盛り込んでいる。また、インテリアの作り込みも必見。ラゲッジは中央に鎮座するジェットエンジンを模したサブウーファーを中心に、アンプやスピーカーをバランスよく配置。またリヤは純正シートと取り外し、鉄の縞板を貼って輸送機の荷室風に作り変えた。 そして、運転席まわりは戦闘機のコクピットをイメージし、操縦桿を思わせる「シモーニレーシング」のステアリングを選択したのだ。
ボンネットには同じくステルス戦闘機をモチーフとした、ランボルギーニ・ウラカンのエンジンフードを埋め込む。フロントマスクをそっくりウラカンに変更する計画もあったけど、時間と予算の関係で断念したとのこと。
誰もが目を奪われるジェットエンジン型のサブウーファー。出口のデザインから内部に仕込んだイルミネーションまで凝った作りだ。
シフトレバーの角度は純正のまま。Will VSがいかに戦闘機を意識したデザインだったかが分かる。 シートは表皮を張り替え、フロアは鉄の縞板を貼り付けた。後部座席に装着したオレンジのネットも雰囲気を高めている。
フロントフェンダーには機銃っぽく作ったカメラを取り付け、ルームミラーに映像がそのまま映される。エアブラシを含め塗装はツヤを出さず、汚れと使用感を演出したそうだ。
リヤドアは電動で開閉。ダンパーは他車種の純正を使っているが、専用キットなんてあるワケがない。 ドアが真横に跳ね上がる位置を探し出して、かつ戦闘機の翼に見える高さで止めるには、だいぶ手間がかかったという。
販売終了から14年の時を経て生まれ変わったWiLL VS。あまりお目にはかかれないベース車種と、特異なカスタムとの融合は、老若男女を問わず多くの来場者を釘付けにしていた。
(撮影レポート:佐藤 圭)
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