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ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps

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ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps

ID.7と同じモーターで339psへ

フォルクスワーゲンID.4のクーペ版、ID.5は欧州での発売から2年ほど。それでも、既に複数回のアップデートを受けている。

【画像】ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTX 競合サイズの電動SUVは? 全149枚

写真ではサイズ感を掴みにくいが、全長は4599mm、全幅が1852mm、全高は1616mmと、決して小さくはない。定員は5名。荷室容量は549Lと大きく、ファミリー・クロスオーバーとして不満のない実用性を備える。

今回試乗したのは、ツインモーターのトップグレードとなる、GTX。英国価格は5万5650ポンド(約1052万円)と、かなりの金額に設定されている。

最新のアップデートでは、ID.4と同時に、駆動用モーターがフォルクスワーゲンの新しいAP550ユニットへ置換された。これは大型サルーンのID.7と同じもので、システム総合での最高出力は、40ps増しの339psへ上昇。最大トルクは69.1kg-mもある。

他方、駆動用バッテリーの容量は77.0kWhで変わりなし。しかし、熱管理の徹底でエネルギー効率が高められている。その結果、航続距離は16km増しの527kmへ延長。急速充電能力は最大135kWへ向上している。今回は、その実力を確かめられていないが。

ただし、さほど距離を走らない一般的なユーザーの場合、12.9インチへ拡大されたタッチモニターと、メニューやグラフィックが刷新されたインフォテインメント・システムなどの方が、うれしい内容かもしれない。

GTEやGTDに相当するGTX 低速加速が強み

タッチモニターの下部にある、エアコンの温度調整を担うタッチセンサーのスライダーには、夜間でもわかりやすいようイルミネーションが内蔵された。暗がりの中、手探りする必要はなくなった。

実際に触れてみると、使い勝手は明確に改善している。送風口から吹き出る空気の温度を素早く変えられるだけでなく、運転支援システムのオン/オフもホーム画面から簡単に実行できる。それでも、タッチモニターが司る機能は多すぎる印象だけれど。

ライト類のオン/オフとミラーの調整には、独立したボタンが用意された。大きな進歩といっていい。

今回のGTXというグレードは、バッテリーEVにおけるGTEやGTDに相当する内容だと、フォルクスワーゲンは主張する。高性能なGTIには及ばないものの、適度なスポーティさがあるということだろう。確かに、日常の移動を色付けるパフォーマンスは備わる。

ID.5 GTXの強みといえるのが、力強い低速加速。0-100km/h加速は5.5秒から5.4秒へ、0.1秒だけ縮めているが、停止状態からの初動は印象的なほど鋭い。アクセル操作に対するレスポンスも、線形的で好ましい。

回生ブレーキの効きは、シフトセレクターの「D」と「B」で切り替えられる。Dでは効きは弱め。Bへ切り替えると、シフトダウンしてエンジンブレーキをかけた時のように、強力に減速する。

筆者の場合は、ステアリングホイール裏のパドルで、数段階から回生ブレーキの強さを選べる方が好みだ。ヒョンデ・アイオニック5のように。

従来から明らかな改善 まだクラス上位ではない

反面、ブレーキペダルを踏むと、望んだ通りの減速感を得られない印象。また、細かい砂利へタイヤが取られているような、若干ザラ付いた感触を伴った。これまでのID.5では感取されなかったことだから、今回の車両特有の症状かもしれない。

それ以外、ID.5の運転体験は、このクラスの電動クロスオーバーとして平均的なもの。乗り心地は、適度に路面から隔離されたフラットさがあり、コーナーではボディロールが小さい。2242kgと軽くない車重と、重心の低さを理解できる。

車線維持支援システムの存在もあり、ステアリングホイールには感触が殆ど伝わってこない。後輪駆動のID.3のように、清々しいような滑らかさも伴わない。旋回性は悪くないものの、運転して楽しいとまでは感じられないだろう。

後方の視界は限定的。なだらかに傾斜したリアガラスは、上下方向に薄いためだ。風切り音は静かめだが、ロードノイズは大きく感じられた。

いずれも僅かな弱点といえ、大きな問題というわけではない。だが、気になるような部分がほぼない競合モデルも存在する。

従来から、明らかな改善を遂げたフォルクスワーゲンのID.5。ダッシュボードまわりの人間工学は、特に完成度を高めている。とはいえ、クラストップといえる水準には、まだ達していないともいえるだろう。

フォルクスワーゲンID.5 GTX(英国仕様)のスペック

英国価格:5万5650ポンド(約1052万円)
全長:4599mm
全幅:1852mm
全高:1616mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.4秒
航続距離:527km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2242kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:77.0kWh(実容量)
急速充電能力:135kW
最高出力:339ps
最大トルク:69.1kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • ヤング孫正義
    VWグループのIDシリーズとかメルセデスのEQシリーズとかやめた方がいいね。実際売れてないしデザインも醜悪。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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