スズキは5月24日、都内で報道発表会を開き、新型「カタナ」の国内発売を正式発表。税込み価格151万2000円で、2019年5月30日より発売スタートです。また、チーフエンジニア、車体設計担当者にインタビューさせていただくことができ、新型カタナをより詳しく知ることができました。REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
まったく新しいスタイルだが「カタナ」だと誰の目にも明白
モトクロス競技専用車「CRF250R」およびエンデューロ競技専用車「CRF250RX」の2020年モデルを発売/ホンダ
新型カタナ・チーフエンジニアの寺田 覚さんは「初代カタナの復活ではありません。新しいカタナの登場です」と、強調しました。ひと目で「カタナ」とわかるデザインと特徴的なスタイリングでありつつ、最新のモーターサイクルテクノロジーが融合しています。
まず、ヘッドライトはLED化され、「GSX1100S KATANA」をイメージした角形に。車体先端下部にはLEDポジションランプも備わりました。
灯火器類から触れたので、一気にリヤへ回り込んでみましょう。LEDコンビネーションランプがセットされたシートカウルは、短くスタイリッシュです。
ウインカーやライセンスプレートはシートカウルではなく、スイングアームにマウントされ、リヤタイヤ後方にレイアウトされています。左側よりアームが伸びているので、車体右から見るとまるで宙に浮いているかのよう。軽快感がいっそう増し、スッキリとしたテールエンドとなりました。
ナナハンカタナで抱いた夢を新型で実現!!
三池さんは幼い頃からオートバイが大好きで、免許の取得できる16歳になるのを指折り数え心待ちにしていた、そんな少年だったそうです。バイクライフをスタートさせ大学生になると、先輩ライダーにナナハン・カタナに乗る機会を与えてもらい、そこで衝撃を受けたことをよく覚えていると言います。
「それまで乗ってきたオートバイは良くも悪くも許容が広く、どのように操縦してもそれなりについてくるという感覚でしたが、ナナハン・カタナはまったくそれを許してくれません。オートバイを操縦する難しさを痛感すると同時に、意のままに操縦できたときに感じるオートバイが身体の一部になって躍動する感動を実感しました。そのときの先輩が、“コイツにはコイツの乗り方があるんだ”と嬉しそうに話してくれたことをいまでも想い出にしています」
以来、三池さんはバイクとさらに真剣に向き合うようになり、特にライダーと触れる操作部品を設計することを夢見て12年前にスズキへ入社します。今回の新型カタナは、ハンドルバーに強くこだわりました。
新型カタナは2017年のミラノショーに参考出展された「KATANA 3.0 CONSEPT」がモチーフになっていますが、もっとも差異のあるパーツがハンドルです。「KATANA 3.0」のハンドル位置はもっと低いのですが、最適とはいえないものだったと三池さんは言います。
スポーツ走行からシティライドまで余裕を持ってこなす幅広のバーハンドルを新開発し、現代のストリートファイターとして操作性を高めると同時に、結果として特徴的なタンク回りの意匠を限りなくコンセプトモデルに近いものとすることを実現しました。
また「KATANA 3.0」は1名乗車で、市販車として考えればタンデムも可能としなければなりません。できるだけ短くというデザイン要望と、2人乗りを考慮した快適な座り心地、国内法規等せめぎ合いの結果、シートがつくられたのでした。
前後の段差を小さくすることで、大きなライダーでも腰を引きやすく、姿勢の自由度を高めています。後席の乗り心地も犠牲にすることなく、「GSX1100S KATANA」のエッセンスであるツートーンカラーや3本ラインの意匠を盛り込んでいます。
フロント荷重を増やし、旋回力に優れる着座位置!!
最後に車体に跨ってみます。アップライトなハンドルのライディングポジションは一見リラックスしたラクなものに見えますが、アグレシッブな走りにうってつけです。ハンドルバーと着座位置が近く設定され、ライダー重心が車体前方に配置されていることが見逃せません。
前輪の分担荷重が増え、前後サスペンションのセッティングもこれに合わせたものです。三池さんは言います。
「より積極的に前輪を潰してコーナーに進入していくようなスポーティな走りが楽しめるセッティングとなりました!」
シート高は825mm。身長175cmの筆者が両足を地面におろすと、ツマ先立ちとなります。ただし、片足立ちだとカカトまでベッタリです。
発売は5月30日。間もなく乗れると思うと、楽しみで仕方ありません!!
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