ラインナップの刷新や拡充が行われるいっぽうで、ひっそりと姿を消していくクルマは数知れず。はたまた、各社のWEBサイトでカーラインナップをチェックしてみると「このクルマ、まだあったのか?」と思わずにはいられない“消えそうで消えないクルマ”も多数存在していることもまた事実。その驚異的な粘り腰(?)で地味に生き残り続けるクルマの魅力とは? ここでは消えそうで消えない5台に注目してみた。
文/FK、写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車
「まだあったの?」じゃねえよ!! 元気だよ!! 栄枯盛衰のクルマ界で粘り腰を見せる名門車たち 5選
隠れホットハッチのミラージュは影こそ薄いが意外といいクルマ!?
タイ、欧州、米国をはじめ、世界の70カ国以上で販売されているミラージュは、世界販売台数が累計で約82万台(2022年5月末時点)にものぼる三菱の世界戦略車でもある
1978年登場の初代では4MTにエコノミーシフトとパワーシフトという2段階切り換え機構を設けたスーパーシフトを採用したり、1985年には多くの名ドライバーを輩出し14年間続いたワンメイクレースがスタートしたり、1987年登場の3代目ではギャランGTO MR以来のDOHCエンジンを搭載したサイボーグを発売するなど、三菱を代表するホットハッチとして一時代を築いたミラージュ。
しかし、その人気は長くは続かず、1991年に4代目、1995年に5代目が登場するも大きなインパクトを残すことなく、2000年5月に販売が終了。しかし、2012年8月に突如復活を遂げる。その基本コンセプトは“低燃費・コンパクト・低価格”で、先進国における環境対応車と新興国におけるエントリーカーというニーズを両立したグローバルコンパクトカーに生まれ変わったのだ。
それゆえに、復活時のモデルに往年のホットハッチの面影はなかった。その後、2016年と2020年に大幅改良を行ったが、2020年の改良では三菱のフロントデザインコンセプトであるダイナミックシールドの採用でシャープなデザインとなり、スポーティさを強調。運転状況に応じた最適なバルブタイミングを制御する1.2リッターMIVECエンジンも軽快な走りを実現している。
車両本体価格も200万円を下回るリーズナブルな設定だけに、現行のミラージュって意外とアリなのかも!?
カローラ アクシオ&フィールダーよ、ここまで来たらとことん生き残れ!
いまや希少な存在となったステーションワゴンのカローラ フィールダー。アッパーグリルからヘッドランプへ連続したメッキ加飾によってワイド感と精悍さが表現されている
オールドファンにとって“カローラ”といえば、オジサン臭が漂う大衆車の代表格に違いない。しかし、カローラはいまやスタンダードの4セダン、5ドアハッチバックのスポーツ、5ドアワゴンのツーリング、SUVのクロスまで多彩なラインナップを誇り、若者からも支持を集めるイケメンに生まれ変わった。
そのいっぽうで、2012年5月の登場以来、5ナンバーサイズのボディで販売が継続されているのが4ドアセダンのカローラアクシオと5ドアワゴンのカローラフィールダー。往年のカローラたる雰囲気を漂わせる両車は、日本の道路環境にフィットするコンパクト車として開発。
2013年8月にハイブリッド車が追加され、2015年3月には1.5リッター新開発エンジンやToyota Safety Sense Cを採用。2017年10月にフロントグリル周りのデザイン変更でスタイリッシュな顔つきとなり、2021年9月の一部改良では安全装備を強化。
2022年8月の一部改良でもプロジェクター式LEDヘッドランプ、マニュアルエアコン搭載車では初となるナノイーX、充電用USB端子(Type-C)が全車標準装備となるなど着実な進化を遂げている。
現行カローラの充実ぶりを見ていると、いつ消滅してもおかしくない両車ではあるが、5ナンバー車ならではの取り回しのよさや機動性の高さも手伝って法人需要は高く、その人気にかげりは見られないのが実情だ。
アルファードとの統合が噂されるヴェルファイアの行く末は?
2022年5月に発売されたヴェルファイアの 特別仕様車”GOLDEN EYES III”。よりダイナミックでよりクールなビジュアルは見る者を圧倒する
SUVに押されがちではあるが、今も人気が高いミニバン。2022年11月11日に日産が次期セレナの情報を一部公開するなど、再び活況を取り戻しそうな予感も!
そんなミニバンシーンの代表格といえば、アルヴェルの愛称で知られる高級モデルのアルファードとヴェルファイア。この両車は兄弟関係にあるにもかかわらず販売面ではアルファードの独り勝ちという状況で、一般財団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した2021年の1年間における乗用車ブランド通称名別順位を見るとアルファードが4位と上位なのに対して、ヴェルファイアはなんと! 上位50台の中に入っていないのだ。
2015年1月に“大空間高級サルーン”のキーワードと“大胆・不敵”のテーマのもとに登場した現行のヴェルファイア。その販売台数は、2015年から2017年の3年間においてはアルファードを上回っていた。
しかし、アルファードが2017年12月のマイナーチェンジでイカつさ満点の顔つきとなったことを契機に立場が逆転し、アルファードに人気が集中。2020年5月にトヨタが行った全店舗全車種取り扱いも両車の間に格差を生む結果となった。
とはいえ、現行モデルにおいてはアルファードよりも落ち着いた雰囲があり、よくも悪くも人と被ることが少なくなったヴェルファイアをあえて選ぶというのも決して悪くはないと思うが……。
フルモデルチェンジの噂が絶えない元祖高級ミニバン=エルグランド
繊細な作り込みによって、力強さに磨きをかけたフロントグリルがいっそうの存在感を発揮しているエルグランド
元祖高級ミニバンとして1997年にデビューして以来、日産の最高級ミニバンとして存在感あふれるスタイリング、優れた快適性、卓越した走行性能によって人気を獲得してきたエルグランド。
現行モデルの3代目が発売されたのは、さかのぼること12年以上も前の2010年8月。アルヴェルのライバルとして相応しい、キング・オブ・ミニバンたる威風堂々としたスタイルをはじめ、特別感・最高級・最上質を実感できる移動空間、意のままの走りとクラストップレベルの燃費性能、考え抜かれた装備と取り回しの良さなどが功を奏し、発表後2週間で月販目標台数(1900台)の3倍を超える累計6386台を受注して大ヒットを記録した。
その後も2014年1月のビッグマイナーチェンジをはじめ、多種多様な特別仕様車がリリースされたり、2022年11月には抗菌仕様シートを全車に標準装備とする一部仕様向上を行うなど地味ながらも進化を遂げてきてはいるものの、現在の高級ミニバン市場はアルファードがひとり勝ちの状況が続いており、エルグランドの存在感は薄いというのが実情。
だが、しかし! 相次ぐ新車ラッシュに沸く日産では、2022年11月11日に次期セレナの一部情報を公開するなどラインナップの刷新・拡充が止まらないだけに、エルグランドのフルモデルチェンジももうすぐ……と思わずにはいられない。
シビックはやっぱり“熱い走り”が身上でしょ!
シビックe:HEVは、新開発の2.0リッター直噴エンジンと進化したハイブリッドユニットを組み合わせたスポーツe:HEVが爽快な走りと環境性能の両立
1972年7月のデビュー以来、若者を中心に絶大な支持を得てきたシビック。1974年に登場した初代1200 RS、1984年に登場した3代目Si、1997年に登場した5代目タイプRなど、クルマ好きの記憶に残るモデルは数知れず。それゆえに2005年9月に登場した8代目が4ドアセダンのみのラインナップとなったことは、ホンダファンをガッカリさせると同時に人気も一気に下降線を辿ることに……。
しかし、2007年3月にシリーズ初となる4ドアセダンボディのタイプRがデビューして、復活の狼煙を上げる。この4ドアセダンボディのタイプRでは2.0リッター自然吸気のTYPE R専用エンジン&6MTの組み合わせに専用のサスペンション、18インチタイヤ、17インチ大径ディスクブレーキを採用するなど、高い走行性能を実現した。
その後もモデルチェンジを重ねたシビックは、2021年8月に現行モデルの11代目がデビュー。コンパクトハッチを起源とするシビックだが、11代目のボディ形状は低重心かつ水平基調の流れるようなプロポーションを有する5ドアハッチバックで、車両本体価格も300万円オーバーという高級車に変貌。
見た目もお値段もずいぶん様変わりした11代目だが、シビックたる“熱い走り”は健在だった。2022年6月にはe:HEVモデルが、同年9月にはタイプRが追加設定され、ラインナップも充実の一途を辿っている。
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みんなのコメント
無責任な嘘スクープ記事、妄想記事ばかりなのに。
終わってる、