エンジンは3.0L V6ターボ 寸法はひと回り成長
まったく新しい、アウディS5 アバントが登場した。そう、S4 アバントとは名乗らない。クーペ風サルーンの進化版ではない。
【画像】3.0L V6ターボのHVで367ps! 新型 アウディS5 A5と同クラスの俊足サルーンたち 全124枚
AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、アウディはモデル名を刷新することにした。これからは、専ら内燃エンジンで走るモデルには奇数が、電気モーターだけで走るモデルには偶数が振られる。
遡ること約半世紀前、アウディ80と呼ばれていたモデルは、20年ほど前にA4へ改称。これからは、A5と呼ばれることになった。だが伝統に則り、高性能な仕様も用意され、それはS5と呼ばれる。
フロントに載るのは、3.0L V型6気筒ガソリンターボエンジンで、ボディスタイルは、ルーフラインの伸びたステーションワゴン。不思議と安心する文字面に思えるのは、筆者だけだろうか。ただし、先代のS4 アバントからかなりの進化を遂げている。
ボディサイズはひと回り大きくなった。全長は67mm伸び、4829mmある。全幅は13mm広がり、1860mmだ。21世紀が始まった頃の、初代A6のサイズへ近づいた。まだ扱いにくい寸法ではないものの、どこまで成長していくのか疑問が湧いてくる。
プラットフォーム刷新 25psの電気モーター内蔵
プラットフォームは、プレミアム・プラットフォーム・コンバスション(内燃)、略してPPC。先代からの進化版となり、完全に新しいわけではない。前輪駆動にも対応する設計だが、エンジンは縦置きされることが特徴となる。
その結果、比較的大きいV6エンジンにも対応する。クワトロの四輪駆動で、状況次第ではパワーの大部分をリアタイヤへ伝えることもできる。サスペンションは、フロントが4リンク、リアが5リンクと凝った設計が与えられている。
パワートレインは、大幅に見直された。アウディはMHEVプラスと呼ぶが、マイルドではない、フルハイブリッドが実装されている。
3.0L V6エンジンはおなじみのユニットといえるが、スターター・ジェネレーターだけでなく、トランスミッション内に駆動も担う電気モーターが組まれている。最大25kWの回生能力を有し、25psを発揮する。
このモーターはエンジンをアシストするだけでなく、電気だけでの走行に対応。低域トルクも補完する。また、ターボチャージャーは可変ジオメトリが採用され、同じく低域を増強。トルクコンバーターを回し、トルクを増幅する必要性が減った。
その結果、従来的なトルクコンバーター式の8速ATから、高効率だと主張される、7速デュアルクラッチATへ変更。クワトロのセンターデフも、クラッチ式へ更新された。リアデフには、電子制御されるリミテッドスリップ・デフを装備する。
新デザインテーマが展開されるインテリア
インテリアは、新しいQ6 e-トロンから採用の始まった、新しいデザインテーマが展開される。ワイドなタッチモニターが前面に広がり、モダンでハイテクな雰囲気を生んでいるが、正直なところ最近のモデルでは見慣れた感もある。
タッチモニターの操作性は良い。システムの反応も。これで、エアコンやインフォテインメント・システム用に、実際に押せるハードタイプのショートカットが用意されていれば、ぐっと印象は高まるはず。
助手席側にも、タッチモニターをオプションで追加できる。ユーチューブなどのアプリを追加できるが、エアコンの操作などはできない。自身のiPadを持ち込めば、同等の体験は得られそうだ。
用意された試乗車はドイツ仕様で、内装がウッドトリムとマイクロスウェードで華やかにコーディネートされた例もあった。写真にある、バーガンディのシートも印象的だ。しかし英国仕様では、落ち着いた選択肢へ絞られるらしい。
リアシート側の空間は、このクラスとしては広め。荷室容量はBMW 3シリーズより僅かに小さく、サルーンで445L、アバントは476Lある。ちなみにS5の場合、ハイブリッド・システムが載る都合で、荷室の床下収納は利用できない。
最高出力367ps 聴き応えあるサウンド
さて、新しいV6ハイブリッドは大きな印象の違いを生んでいる。市街地などは電気だけで走行可能で、ノイズは大幅に抑えられている。燃費が伸びる可能性も高く、実際に今回の試乗では、そんな条件で14.0km/L以上が表示されていた。
アクセルオフ時、エネルギー回生に伴う減速感はかなり控えめ。モーターから、特徴的なノイズが響く。
流れの速い郊外の道では、ハイブリッドの存在は一気に薄まるが、電気アシストが加わるアクセルレスポンスは鮮明。最高出力は367psで、スルスルと加速していき、動力性能は文句なしだろう。
V6エンジンのサウンドも聴き応えがある。目の覚めるような音響ではないものの、ハーモニーは心地良い。メルセデス・ベンツやBMWの直列6気筒エンジンより、ザラついた感じが悪くない。
7速デュアルクラッチATは、シフトパドルの操作へ間髪入れず反応する。ただし、全力ダッシュ時の変速は少しマイルド。レッドラインの手前で、自動的にシフトアップする。低速域では、若干ギクシャクした感じも見られた。
カーブが連続する区間に飛び込めば、予想以上の滑沢さでドライバーを喜ばせる。新しいセンターデフを獲得し、従来より多くのトルクがリアアクスルへ割り振られるようになり、一層好ましい体験を生んでいる。
シャシーバランスは素晴らしく、コーナー出口での加速は意欲的。右足の加減次第で、コーナリングラインやスタンスを調整することも可能だ。
快適性を保ちつつ、シャープな操縦性
新しいA5とS5には、可変レシオのステアリングラックが実装される。反応は自然だが、繊細な感触が手のひらに伝わるわけではない。それでも、操縦性は高次元といえる。
同時に、乗り心地も犠牲になっていない。S5ではアダプティブダンパーが標準装備で、快適性を保ちつつ、シャープさを叶えている。
当初の英国仕様のS5は、エディション1と呼ばれるハイグレードのみ。価格は、サルーンで6万8700ポンド(約1333万円)、アバントで7万600ポンド(約1370万円)からに設定された。同等の装備を組んだ、BMW M340iに並ぶといっていい。
S4から進化した、S5。インテリアの上質感や、アグレッシブな容姿といった特長は薄まったものの、ハイブリッドのV6ターボエンジンは魅力的だし、操縦性は明らかに磨かれた。乗り心地とのバランスも好ましい。
現在のメルセデス・ベンツは、AMGも含めて、Cクラスに4気筒エンジンしか設定していない。V6エンジンを積むS5の真のライバルは、強敵なM340iに絞られるといっていい。AUTOCARでは、その比較試乗を計画している。どんな戦いを披露するだろうか。
アウディS5 アバント TFSI クワトロ・エディション1(欧州仕様)のスペック
英国価格:7万600ポンド(約1370万円)
全長:4829mm
全幅:1860mm
全高:1460mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:12.5-13.2km/L
CO2排出量:171-182g/km
車両重量:1965kg
パワートレイン:V型6気筒2995cc ターボチャージャー+電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:367ps/5500-6300rpm
最大トルク:56.0kg-m/1700-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)
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