1月12日、千葉県の幕張メッセで開幕した東京オートサロン2024で、スバルとスバルテクニカインターナショナル(STI)は2024年のモータースポーツ活動体制を発表。ニュルブルクリンク24時間レース・SP4Tクラスには、昨年に引き続きWRX S4をベースとした『SUBARU WRX NBR CHALLENGE』で参戦することを正式に表明した。
2023年にこの新型車両を投入したスバル/STIは、トラブルに見舞われながらもクラス2位で完走を果たした。
「なんとしても勝ちたい」思いで2024年もニュルへ。新STI NBR CHALLENGEお披露目
2024年のマシンについては、2023年参戦車両から、フロントスタビライザーブラケットの締結軸力やエキゾーストマニホールドの構造を見直すことで信頼性の向上を図るとともに、リム形状を最適化した前後異形アルミホイール『STIフレキシブル・パフォーマンス・ホイール』や、各部のエアロパーツのアップデートにより動的性能を進化させているという。なお、この2024年仕様の車両は、富士スピードウェイで2023年12月に公開とシェイクダウンが行われている。
ドライバーラインアップは一部改められ、カルロ・ヴァン・ダム、ティム・シュリック、佐々木孝太に加えて、新たに久保凛太郎を迎え入れることとなった。また、例年どおり全国のSUBARU販売店から選抜された8名のメカニックがチームに参加、沢田拓也監督が率いる体制となるが、長年総監督を務めてきた辰己英治氏は2024年のレースをもって勇退予定であることが明らかにされた。
かつて富士重工業でレガシィ等の開発に携わり、その過程でニュルブルクリンクで自らステアリングを握るなどした辰己氏は、2009年に始まったスバル/STIのニュルブルクリンク24時間レース参戦プログラムを当初から牽引してきた。
オートサロンでの発表会の壇上で、STIの平岡泰雄代表取締役社長はドライバー体制の発表に続き、「辰己英治については、2024年シーズンがラストチャレンジになる予定でございます」と口にした。
「辰己総監督は2009年から長らくチームを率いてきた実績もありますので、チームとしては『今年は絶対勝って、(日本に)帰る』という決意がみなぎっています」
続いて登壇した辰己総監督はニュルのプログラム、そしてかつて関わっていたGT300のプログラムの双方で、後継者が育ってきていることを勇退の理由に挙げた。
「GTは小澤(正弘総監督)がしっかりやってくれていますし、ニュルはSTIの若手中心にチームができてきて、今年は多分、完璧に勝てるであろうクルマを作れるようになってきました」
「また、私がSTIに来てから『フレキシブル』という言葉を使ったものをいろいろ作ってきましたが、今回のホイールを含め、そういう考え方もかなり定着してきた。そういったこともあって……さっきトヨタさんでモリゾウさんが『普通のおじさんになってレースを見てみたい』ということをおっしゃっていましたけど、私も……(年齢的に)“おじさん”はちょっと超えてますが(苦笑)、そんな心境で外からSTIのレース活動を見てみたいと思っています。その前に、今年はなんとしても勝たないと終われないという心境で、いまは勇退することよりも今年のレースに勝つことに心を傾けています」
2024年向けのマシンの仕上がりについては前述のとおりかなりの自信を滲ませており、「昨年のレースではエキゾースト関係でちょっとトラブルがあったりもしましたが、メーカーさんに本当にいいものを作っていただき、いまのところテストではまったく問題も出ていません。空力も進化させた部分がありまして、そういことも含めると……ちょっと言い過ぎかもしれませんが、今年は完璧に勝てるんじゃないかという気がしています」と期待を寄せている。
果たして辰己総監督は有終の美を飾れるか。2024年のニュルブルクリンク24時間レースは、5月30~6月2日に開催される。
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みんなのコメント
あとメーカー内でも関心ない人が多いから、
何が目的でやってるか不明瞭になっている。