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ホンダ「CBR250RR」再考。ライバルは? ルーツは? より突き抜けるためには……!? 走り出したら妄想が止まらない

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ホンダ「CBR250RR」再考。ライバルは? ルーツは? より突き抜けるためには……!? 走り出したら妄想が止まらない

■緻密な仕様変更で、ライバルを牽制

 初代のデビューから約3年が経過した2020年9月、ホンダ「CBR250RR」は第2世代に進化しました。

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 このモデルで最も注目するべき要素は、キメ細かなメーカーチューニングを行うことで、最高出力が38ps/12500rpmから41ps/13000rpmに、最大トルクが2.1kg-m/11000rpmから2.3kg-m/11000rpmに向上した並列2気筒エンジンですが、アシスト&スリッパークラッチの導入や前後ショックユニットの見直しなど、変更点は多岐に及んでいます。純正アクセサリーパーツという扱いで、アップ&ダウン対応型のクイックシフターが採用されたことも、第2世代の「CBR250RR」を語るうえでは重要な要素でしょう。

 ホンダ自身が公言したわけではないのですが、近年の250ccクラスのロードスポーツモデルで最速の称号を得ていた「CBR250RR」が、ちょっと微妙なタイミングでモデルチェンジを行なった理由は、革新的な並列4気筒エンジンを搭載するカワサキ「Ninja ZX-25R」(以下、ZX-25R)に対抗するために違いありません。

 運動性能の指標となるパワーウェイトレシオを計算すると、初代が4.394kg/psだったの対して、第2世代は4.097kg/ps。これは明らかに、ZX-25Rの4.088kg/ps(SE仕様)を意識した数値でしょう。もっとも、現時点における日本市場での人気は、並列4気筒のZX-25Rが圧倒的に優勢で、その図式を覆すのは容易なことでなさそうです。

■日常域の扱いやすさと速さは、ZX-25Rより上

「あら、これは全然負けていないのでは……?」日本市場の動向はさておき、第2世代の「CBR250RR」を初めて試乗した私(筆者:中村友彦)の口からは、思わずそんな言葉が漏れました。

 最初にそう感じたのは、押し引きとハンドリングの軽さです。もっとも単体で乗っているぶんには、車重184kg(SE仕様)のZX-25Rだって決して重くはないのですが、16kgの装備重量の差は意外に大きく、ZX-25Rから乗り換えると、168kgの「CBR250RR」は1クラス軽量級という印象です。

 それに続いて負けていないと思ったのは、エンジンフィーリングと常用域のパンチです。低中回転域で並列2気筒ならではの濃厚なトルクを発揮する「CBR250RR」は、ZX-25Rと同じ感覚でスロットルを開けると、猛然と言いたくなるレベルのダッシュ力を披露してくれるし、以後の回転上昇にもまったくよどみがなく、レッドゾーンが始まる14000rpmまで、スムーズかつシャープに回ります。その特性を考えると、おそらく12000rpmあたりまで、つまりストリートで常用する領域なら、「CBR250RR」はZX-25Rよりも、速く走れるのではないでしょうか?

 もちろん、超高回転域が使える場面なら、絶対的な速さは45ps/15500rpmを発揮するZX-25Rが上でしょう。とはいえ今回の試乗で、同条件で「CBR250RR」とZX-25Rを体感した私は、1980年代から1990年代の250cc並列4気筒より低中回転域の実用性が向上したと言っても、やっぱり並列4気筒は回してナンボだと思いました。この事実をどう捉えるかは各人各様で「それでこそ並列4気筒!」と言う人は大勢いるはずですが、私と同じように同条件での比較試乗をしたら、常用域での速さが体感しやすい「CBR250RR」に軍配を上げる人は少なくないと思います。

■往年の「CB72」に通じるフィーリング?

 ただし、運動性能を真摯に追及した「CBR250RR」のハンドルバーは、ZX-25Rや他の250ccスポーツモデルより低く、上半身の前傾度は強めです。だからエントリーユーザーやリターンライダーの中には、ライディングポジションに抵抗を感じる人がいるかもしれません。当初の私はその事実がもったいないと思ったのですが、しばらく走るうちに、このバイクは現代の「CB72(1960年)」なのではないか? という意外な発想が頭に浮かび、同時に、ライディングポジションに対する疑問が霧散しました。

 と言っても、市販レーサー的なキャラクターの「CR71」と「CB92」を経て、ホンダ製スーパースポーツの原点として1960年に登場した「CB72」は、現代の「CBR250RR」とは完全な別物で、この2台を同じ俎上に載せて考える人は、世の中にはほとんどいないでしょう。とはいえ、低く構えたハンドルと250cc並列2気筒エンジンならではの実直で爽快なフィーリングは2台に共通する要素で、例えば「CB72」を愛好するベテランライダーが「CBR250RR」を体験したら、約60年の歳月を経て生まれた、正当な後継車として認知するのではないかと思います。

 まあでも、アニメ『エヴァンゲリオン』を彷彿とさせる現状のルックスを考えると、ベテランライダーがこのバイクに興味を抱くことは、なかなかないのかもしれません。ただし近年のネオクラシックモデルの流行を取り入れる形で、1960年代のホンダ製ロードレーサー、CR/RCシリーズを彷彿とさせる外装のバリエーションモデルが登場したら、ベテランライダーも含めて、新しいユーザーを獲得できるのではないでしょうか。

 さて、途中から何だか突飛な展開になってしまいましたが、前述した私の発想の元になったのは、アメリカの『GG RETRO FITZ』社が開発した、ヤマハ「YZF-R3」用のクラシカルな外装キットと、MVアグスタ「F3 800」にレトロテイストを注入した派生機種として、MVアグスタが2020年から発売を開始した「スーパーベローチェ800」です。これらが成功しているかどうかは定かではないですし、これらの真似を推奨するつもりは毛頭ないのですが、並列2気筒というエンジン形式で強敵のZX-25Rに立ち向かうには、そういった思い切った展開が必要なのかもしれません。

※ ※ ※

 ホンダ「CBR250RR」の価格(消費税10%込み)は82万1700円から、ちなみにカワサキ「Ninja ZX-25R」の価格は82万5000円からとなります。

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みんなのコメント

1件
  • ホントに乗って走らせて記事書いてます?

    RRってデザイン上ハンドル低く見えるだけで実際はいたって普通のポジションですよ。

    シートカウルのカウルの傾斜角やタンク後端が上がって広がっているから低く見えるだけです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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