アライアンスの次世代プラットフォーム「CMF-CD」採用
ルノー本社は2022年3月8日、Cセグメントに属する新型SUV「オーストラル」をヨーロッパでデビューさせた。ルノー日産三菱アライアンスの次世代プラットフォーム「CMF-CD」を採用した初のモデルで、フルハイブリッドからマイルドハイブリッドまで、全車が電動化されている。さらにスポーティなグレード「エスプリ・アルピーヌ」が新たに設定されるとともに、4輪操舵システム「4CONTROLアドバンスト」も選べるとのこと。日本市場導入を期待したいモデルだ。
ルノー・アルカナが関西初登場! F1のテクノロジーを搭載したフルハイブリッドSUV【大阪オートメッセ2022】
「キャプチャー」よりひとまわり大きいCセグSUV
今回登場したルノーの新モデル「オーストラル」は、日本でも2019年まで販売されていたCセグSUV「カジャー」の後継モデルとなる。欧州仕様でのボディサイズは全長4510mm×全幅1830mm×全高1620mm、ホイールベース2670mmとのこと。
昨年2月に日本に導入された2代目「ルノー・キャプチャー」が全長4230×全幅1795mm×全高1590mmなので、それよりひとまわり大きい。また、今年5月から日本で発売予定の最新クーペSUV「ルノー・アルカナ」は全長4570mm×全幅1820mm×全高1580でほぼ同等のサイズ感であるが、オーストラルは車内空間を広く確保した実用性寄りのSUVであることがわかるだろう。
スポーティなグレード「エスプリ・アルピーヌ」が初設定
マッスルな力強さと曲線美を強調したエクステリアデザインは、ルノーの最新デザイン言語を反映。そして最大のトピックといえそうなのが、ルノー車のラインアップで初めて「エスプリ・アルピーヌ」なるグレードを設定したことだ。オーストラルのボディカラーは7色あるが、このエスプリ・アルピーヌには専用色「サテンシェールグレー」が採用される。
進化した4輪操舵システムで最小回転は5.05m
ルックスだけでなく、走りの性能にも期待が高まる。というのも、新型SUVオーストラルにはルノー日産三菱アライアンスの次世代プラットフォーム「CMF-CD」を採用。これまで以上にシャシーが軽量かつ頑丈になっているとともに、「メガーヌGT」「メガーヌR.S.」で採用されていた4輪操舵システムの第3世代となる「4CONTROLアドバンスト」が用意されるのだ。後輪の操舵角は最大5度で、回転直径は10.1m、つまり日本式で最小回転半径を表記すると5.05m! このクラスのSUVとしては圧倒的な小回りを誇るとともに、走行シーンでも気持ちよいコーナリングを味わえそうだ。
もちろん通常のFF仕様もラインアップされるのだが、4CONTROLアドバンストは競争の激しいCセグSUVのなかで、大きなアピールポイントとなるだろう。
フルハイブリッドとマイルドハイブリッドを選べる
パワートレーンは3種類。アルカナでも採用されている最新の「E-TECH」フルハイブリッドシステムは、1.2Lの直列3気筒ターボガソリンエンジンと電気モーター、1.7kWh/400Vのリチウムイオンバッテリーの組み合わせでシステム最高出力200psを発揮する。この仕様では、ステアリングホイールの後ろにあるスイッチで回生ブレーキを4つのモードから選択できる。
また、アウストラルで初採用となる「マイルドハイブリッド・アドバンスト」エンジンは、1.2L直3ターボガソリンエンジンに、48Vリチウムイオンバッテリーとスターターモーターを組み合わせ、130psのパワーをMTで操る燃費スペシャルというべき仕様。
もうひとつ、無印の「マイルドハイブリッド」エンジンは、ダイムラー社と共同開発した1.3L直4ターボガソリンエンジンに、12Vリチウムイオンバッテリーとスターターモーターの組み合わせ。こちらはAT仕様では140psまたは160ps、MT仕様では140psが設定される。
Googleの協力で開発した大型スクリーン「OpenR」
オーストラルのインテリアで目立つのは、Googleのサービスやアプリケーションを統合したマルチメディアシステム「OpenR Link」を採用したこと。ドライバー正面の12.3インチのメーター・ディスプレイと、ダッシュ中央の12インチの垂直マルチメディアスクリーンがL字型に組み合わされた「OpenRスクリーン」は使い勝手が非常によさそうだ。
欧州で発表されたばかりなので日本市場への導入については当然まだ不明ではあるが、4輪操舵「4CONTROLアドバンスト」を備えたCセグSUVというユニークさは、わが国でも大きく訴求すること間違いないだろう。
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