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映像作品でもおなじみ 米国の象徴的なパトカー 31選(前編) 黎明期のポリスワゴン

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映像作品でもおなじみ 米国の象徴的なパトカー 31選(前編) 黎明期のポリスワゴン

全車両、出動せよ!

パトカーが嫌いな人などいるだろうか? まぁ、悪者ならそうかもしれないが、それ以外の人は、点滅するライト、鳴り響く無線、タイヤのスキール音、そして強力なエンジンを搭載した大型セダンに夢中だ。

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今回は、この写真の1978年型プリムス・ヴォラーレのような米国の典型的なパトカーを紹介していく。同時に、シボレー、ダッジ、フォードの最新ハイテク車両の内部を見ていき、最後にパトカーの今後の姿も考えてみたい。

ラピッド・モデルF 700Bポリス・パトロールワゴン(1910年)

パトカーの歴史は、自動車の歴史とほぼ同じくらい古い。その初期の1台は、1899年からオハイオ州アクロンでパトロールを行っていた電気自動車(EV)のワゴンであると考えられている。

トラックメーカーのラピッド・モーター・ビークル社は1909年にGMに買収された。このモデルF 700Bポリス・パトロールワゴンは1910年に開発されたもので、その2年後にはラピッドという名称がGMCに置き換えられた。

フォード・モデルTポリストラック(1919年)

1919年、ここに写っているフォード・モデルTは、記録に残っていない米国のどこかの地域で警察の輸送用車両として使用されていた。モデルTは1908年から27年の間に1500万台も製造され、数えきれないほどの用途に使われたが、ポリストラックはその1つに過ぎない。

リンカーン・フェートン・ポリスフライヤー(1924年)

1922年にフォードが買収したリンカーンは、ポリスフライヤーという警察車両を製造していた。フォードが警察用に特注モデルを開発する何年も前のことだ。Lシリーズモデルをベースにしたフライヤーには、四輪ブレーキ、スポットライト、防弾フロントガラス、ガンラックが装備されており、禁酒法時代の密造酒製造者を追跡するにはおあつらえ向きだった。

パワートレインは、最高出力90psのV8エンジンに3速マニュアル・トランスミッションが組み合わされている。

GMCカウルシャシー(1929年)

この1929年型GMCカウルシャシーは、現代のキャブ付きシャシーとよく似ており、工場出荷時にはフロント部分のボディのみが取り付けられていた。当時、購入者は用途に合わせて、サードパーティのコーチビルダーにリアセクションの製作を依頼するのが一般的だった。このカウルシャシーの場合は、警察の囚人輸送用に強化型バンボディが用意された。

ビュイック4ドア・セダン(1935年)

この1935年型ビュイックは、警察用にスポットライトや銃眼、そして恐らく防弾ガラスも装備されている。とはいえ、当時のビュイックにはすでに強化型の安全フロントガラスが採用されており、これは競合他社との差別化を図るための数ある技術的特徴の1つであった。

直8エンジン搭載の1935年型には、アクセルスターターとニーアクション式独立フロントサスペンションが装備されている。ニーアクション式は、車両力学の第一人者モーリス・オリー氏による先駆的なコイルスプリング、ショートロングアーム(SLA)設計である。オリー氏はロールス・ロイスで勤めた後、C1コルベットのシャシーとサスペンションの開発を手がけた。

シボレー・マスターデラックス・ポリスビークル(1938年)

インディアナ州警察が使用していたこのシボレーは、3.4Lの6気筒エンジンを搭載している。ベースとなったのは、1938年に高性能なマスターデラックス仕様で30万台以上を販売したタウンセダンだ。

当時の広告では「トランク下に組み込まれたツールボックス」という「重要な利便性」が強調されたが、警察がこれを評価していたかどうかは定かではない。しかし、ピラーに取り付けられた「上部と下部にしっかりと固定された」補助ストラップは、高速追跡時にしがみつくのに便利だったかもしれない。

プリムスP8クーペ・ニューヨーク・ポリスカー(1939年)

プリムスは1930年代初頭から警察への車両供給を開始した。

ここにスティンソン・リライアント飛行機とともに写っている1939年型P8クーペは、ニューヨーク市警で使用されたもので、ルーフは白、ボディ側面は緑、フェンダーは黒という、当時の特徴的な「NYPDグリーン」に塗装されている。この塗装パターンは1972年まで使用された。

ミシガン州ディアボーンのフォードのポリスカー(1946年)

第二次世界大戦後、民間向けの自動車製造が再開された際、フォードの1946年モデルは1942年モデルとほぼ同じであった。納入を受けた警察署の1つに、フォードの地元であるミシガン州ディアボーンがある。エンジンルームには、約100psを発生する3.9LのフラットヘッドV8エンジンが搭載されている。

当時の広告には、「フォードはパトカーの分野でも最先端を行く。スピード、安全性、快適性のすべてを兼ね備えている」と謳われた。

フォード・ポリスカーのパンフレット(1952年)

このパンフレットでは、1952年型フォード・ポリスカーの特徴が紹介されている。同車は最高出力125psのV8エンジン『インターセプター』を搭載している。

オプションには、快適性を高めるための「24時間勤務」用特別シート、極厚のフロアマット、強化されたサスペンションスプリング、ラジエーター、バッテリー、クラッチ、ジェネレーター、そして最も重要な装備であるシガーライターが用意されていた。

シボレー210シリーズ・ポリスカー(1956年)

1956年モデルの210のキャッチフレーズは、「シボレーさえあれば、犯人は逃げられない!」というものであった。

「シボレーは道路用に作られた。低重心、非常にワイドなリアスプリング、摩擦のほとんどないステアリングギア、そして均整のとれた重量配分」と広告には掲載されていた。

高効率のV8エンジンまたは6気筒エンジンを搭載し、その結果、「強靭で静粛、パワフルで扱いやすい!」パトカーになった、とのこと。

フォード・フェアレーン・インターセプター(1956年)

ボールジョイント式フロントサスペンションを装備したフォード・フェアレーン ベースの1956年型インターセプターは、ウェストバージニア州チャールストンで採用された。『インターセプター』と呼ばれる特別なY-8エンジン(ディープスカート型のV8)は最高出力215psを誇った。特別なドアラッチやダッシュボードのパッドなど、「ライフガード」設計により警官の安全を守った。

当時のマーケティングでは、フェアレーンは「世界中の法執行機関から推奨されている」と謳われていた。

ダッジ・コロネット・ポリスカー(1957年)

ダッジ初の純正警察車両は、1956年からコロネットで提供された。ここで紹介する1957年モデルには、最高出力310psのヘミV8エンジン、プッシュボタン式トルクフライト(TorqueFlite)トルコンAT、そしてデザイナーのヴァージル・エクスナー氏が開発した独特のフィン付き「フォワード・ルック」スタイルが採用された。

「静止状態から最高速度まであっという間だ。今までに見たことも運転したこともないようなハンドリング、コーナリング、ブレーキ性能を備えている」と広告は自慢げに語っている。

コロネットは、1955年から1959年まで放送された人気テレビシリーズ『ハイウェイ・パトロール』に登場する数多くの現代的なパトカーの1つであった。

クライスラー・エンフォーサー・ポリスカー(1961年)

クライスラーの1961年モデルはエンフォーサーと呼ばれ、この写真ではデトロイト警察のカラーで塗装されている。ウィンザー/ニューポートのセダンをベースに1964年まで製造された。6.3L(383立方インチ)のダッジ「B」V8エンジンを搭載し、最高速度は210km/hに達する。

ダッジ・ダート・ポリスセダン(1962年)

1960年代初頭、ダッジのパトカーは米国22州で活躍していた。当時の広告では、アラスカやミネソタの寒冷気候でも素早く発進し、モンタナの悪路にも対応できる高い性能が強調されていた。「ダッジの長いホイールベースとトーションバー・サスペンションは、神経質で不安定な郊外道路を精神安定剤のように落ち着かせる」ことができるらしい。

この型破りなスタイルの1962年型ダートは、当時新しかったユニボディの「B」プラットフォームを採用しており、アップデートを重ねながら1970年代まで使用された。

フォード・ポリス・インターセプター(1963年)

1962年までに、フォードは2ドアおよび4ドア・セダン、10種類のワゴンを含む26種類以上の警察用モデルを販売していた。

10車種からなるギャラクシーシリーズのトップモデルは、最高出力330psのエンジンを搭載し、「抜群の瞬発力」を誇るインターセプター(写真は1963年モデル)であったが、フェアレーンをベースにしたシリーズなど、より低出力の車種も用意されていた。

フォードは定期点検間隔の短縮、自動調整ブレーキ、ボディの防錆保護、特殊塗装などをアピールしていた。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • zab********
    ハリウッド映画の…ポリスアクション、刑事ドラマには欠かせない「脇役」ですね。前編は時代が1920年代から…だから禁酒法時代…アル・カポネがいたシカゴギャングくらいの時代かなぁ…アンタッチャブルとか…
    お馴染みのポリスカーって…言うと70年代後半の「ダッジモナコ」とか80年代の「セントレジス」辺りだよね♫
    ブルース・ブラザーズでは、ブルース兄弟とブルースモービルが…シカゴのパトカー軍団と激しいバトル!
    バート・レイノルズのトランザムvsパトカー軍団も懐かしい。日本ではアメ車って市販車はイマイチだけど…パトカーはカッコ良かったイメージがあるよね♫ 
    サイレンの音も…アメリカは州や市によってカラーやデザインも違うから見ていても、楽しめました、水野晴郎氏は映画評論もしてたけど、アメリカンポリスの表敬訪問もしててコンバットマガジンに掲載されてたなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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