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お題「ドライブ」でマンガを募集したら「人生」が集まった【ベストカーWeb×コルクBooks】

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お題「ドライブ」でマンガを募集したら「人生」が集まった【ベストカーWeb×コルクBooks】

■クルマが「人生」に寄り添うアイテムだと実感

 クリエイターが作品(マンガ)をネーム、プロット、下書き段階から投稿し、それをファンや作家同士でコメントし合ってより優れた作品へと仕上がってゆくWebサービス「コルクBooks」。

【ベストカーClub限定イベント】水野和敏のクルマ評価塾in富士スピードウェイ

 今回ベストカーWebとコルクBooksがコラボ企画として実施したのは、コルクBooksにベストカーWebが「お題」を依頼し(今回は「ドライブ」)、それに作家さんたちがコルクBooksへ投稿(お題発表から投稿締め切りまで2日間のみ)、それを当サイトで紹介する…という特集企画です。

 当サイトが選んだ最優秀作品には、編集部より5000円ぶんの図書カードを贈呈させていただきます。

 というわけで、今回「ドライブ」というお題でコルクBooksへご投稿いただいたのは珠玉の15作品。以下、全作当編集部による「寸評」付きで全作品を紹介します。全部面白かった! まずは最優秀作品から!!
(各作品ページをタップしていただくと、「続き」が別ウィンドウで表示されます)

「長いドライブ」 やじま著

【寸評】今回の企画の最優秀作品に選ばせていただきました。「たくさんの荷物を一緒に運ぶ」、「隣に乗る人を待つ」、「出発するときにちょっとモタつく」、「ひやひやすることもある」、「ときどき遠くへ行きたくなる」、「不安で、それでも楽しむすべを探して、前へ進む」という、今回のお題「ドライブ」が「人生そのものだ」という視点、構成がすばらしい作品でした。最後のカットが「いい天気」なのもいいですね。タイヤメーカー最大手ブリヂストンの愛唱歌(CMソング)『どこまでも行こう』を思い出しました。ご投稿ありがとうございました!!

「初めての一人ドライブ」 ワダシノブ著

【寸評】ドライブの思い出って、奥のほうにあるのはそのまま「家族との思い出」なんですよね。クルマが家族の記憶をつなぐカギになっている。しかも身体的な記憶なので、ふとした時に心の底から湧いてくるように思い出されるんですね。お母様に無理を言った記憶もそうですし、いずれ「母親のシートポジション」もいい思い出になると思います。ラスト前のコマ、かすかに微笑んでいる構図がとてもよかったです。ご投稿ありがとうございました。

「ドライブ注意報」 こしのりょう著

【寸評】クルマに乗っている時って、お互いが向き合わないんですよね。みんな同じ方向を見ています。それはもしかしたら、家族とか仲間とかの、ひとつの「あるべき姿」なんじゃないかと思います。必死に目的地を目指すメンバーがいて、なんとかお互いの関係性をよくしようとするメンバーがいて、楽しいものを見つけるのが得意なメンバーがいて。ときどきメンバーの横顔を見つめると、そういう姿や役割に気づきますよね。そんなことに改めて気づかせてくれた作品でした。ご投稿ありがとうございました!!!

「買物帰りの法則」 ktanaka著

【寸評】投稿タイミングは(お題が発表されてから)一番のりで、原稿の完成度の高さに驚きました。車内のパニックぶりと、娘さんのすっきりしつつ「何を騒いでるんだ?」という顔の対比が最高です。これ、親御さんクラスタからのきなみ「あるあるあるある」とすごい勢いで首肯されまくりました。なんという試練。普段はあんまり意識しないんですけど、クルマって「家族の部屋」でもあるので、こういうシーンを積み重ねられることで、シミや香りに愛着がわいてくるんですよね。なおこれ、状況的には大人にも発生する可能性があるよな…と思いたち、心がザワつきました。ご投稿ありがとうございました~。

「どこまでも遠くへ」小柳かおり著

【寸評】「ここではないどこかへ行きたい」という感情をなるべく楽に実現させようとすると、電車でいいんですよね。それでもクルマで出かけると、それはクルマでしか味わえない魅力がある、ということをうまく表現していただきました。クルマは状況によっていろんな感情を代替することがあるんですが、この場合は「やさしさ」でしたね。あとクルマ好きの目にはスカウターが常備されていて、街行く「強そうな相手(クルマ)」の戦闘力を測定したがる習性があって、あまりに相手が強いと爆発し目をそらします。ご投稿ありがとうございました!

「青春っぽいをした。」 つのだふむ著

 

【寸評】ラスト前のコマのセリフに説得力がありすぎてヤバいです。特に「青春」って特定の年齢層を指すわけではなくて、「ある種の心構えのこと」だというのを実感しました。それと、微妙な距離感の友人たち満載でクルマで出かけるって、すごい高揚感ありますよね。あれって『十五少年漂流記』とか『銀河漂流バイファム』とか『彼方のアストラ』とか、青春冒険譚の王道的なシチュエーションなんだなと、この作品を見て気づきました。ご投稿ありがとうございましたー!!

「親子だから 」 上原トム著

【寸評】ドライブって父親にとっては「晴れの舞台」だったりするんですよね。これだけわかりやすく「家族のために役立っている」という状況って、日常生活のなかではなかなかありませんし(だからCMなどでよく切り取られる)。でもそこで見える姿は「いつもと違う姿」ではなくて、「いつもは見逃していた姿」なんだな、ということを思い出させてくれた作品でした。あと娘に「運転うまい」って言われる状況って、クルマ好きの夢ですね。言われると一週間くらい有頂天なので、全国の娘さんよろしくお願いいたします(何を?)。ご投稿ありがとうございました!

「黄色いアイツ」 inupapa著

【寸評】「このクルマに決めた!」という時のドキドキ感と、なぜか友達の評価や評判を気にしてしまうあたり、思い出して布団の上でゴロゴロ転がりたくなりました。一生に一度は2シーターのスポーツカーに乗るべきだと思うんですけど、それでも「どうせなら友達に喜んでもらいたい、役に立ちたい」とも思うのって、なんなんですかね。青春の病なんでしょうか。「かつて黄色いオープンカーに乗っていた」という経歴は、きっとその後の人生を豊かにしてくれるはずです。あと自作のお気に入り曲を集めたMDが何枚もグローブボックスに入っているシーンを思い出して、再び悶絶しました。ご投稿ありがとうございました!

「帰り道」 Ken著

【寸評】クルマに乗っていると、なぜか「心のファスナー」が全開になっていること、ありますよね。あれはなんなんでしょうか。窓を開けていても密室感、自分の部屋感があるからでしょうか。普段だったら絶対言わなそうなこととか、無意味に目に入る看板の文字とか読み上げ出したりしますよね。あれも同じ理由だと思うんですけど。軽いトランス状態というか、心だけ酔っ払った感じというか。助手席の彼がなんといったか、想像すると楽しいです。ご投稿ありがとうございました!

「月とドライブ」 いちばん著

【寸評】日本最古の物語も「月」にまつわるエピソードでした(『竹取物語』)。月は昔からわたしたちの想像力を掻き立て、不思議な世界へ連れていってくれる存在だったわけですね。ちなみにかぐや姫は月までクルマで帰っています(牛車だけど)。周りの景色が目まぐるしく動くクルマだからこそ、動かない月がより神秘的に見えるし、『竹取物語』の作者もそういう景色を見て「あそこから使者が来たら面白いな」とあの話を思いついたのかもしれないなと、この作品を見て思い立ちました。ご投稿ありがとうございました!!

「ママにやさしい車タ〇トで出社拒否(?)」ナツメアミ著

【寸評】現代社会にあまねく息づく、しんどい日常を続ける皆さんにぜひお薦めしたい作品です。日常に疲れたらぜひブラッと「普段買い物にしか使ってない愛車(ルビはぜひ「ベストカー」で)」で遠くまで出かけていただきたい。「生活の道具」でしかなかったクルマが、いきなり『ハリー・ポッター』とかに出てくる魔法の列車に変わります。本作は人間が出てこない作品でしたが、肉声が響く作品でありました。あとダイハツタント、超いいクルマです。ご投稿ありがとうございました!

「ドリフト遊び」 りょうま著

【寸評】「ちょっと運転が得意だと思っている人がイキって走るとブツける」という、当業界(?)では大変よく見かけるシチュエーションを描いていただいた作品です。安全第一。ただ低い速度で「タイヤが滑る場面」を経験しておくと、もっと重大なシチュエーションに陥っても比較的冷静に対処できるようになります。次はぜひサーキット等でお試しください。楽しいです。あとそれでも峠、走りたくなりますよね。雪、テンションあがりますよね。友達、横に乗ってるといいとこ見せたくなりますよね。こういう状況を一緒に楽しんでくれる友人って、「クルマを楽しむ人生」を輝かせてくれる最高の存在だなと実感しました。ご投稿ありがとうございましたー!

「ワクワクドライブ」 Katoyadaigo著

【寸評】そういえば子供の頃いなかに帰るとき「夜出発」だった! と思わず声が出ました。流れる街灯ってなんであんなに綺麗なんでしょうか。『銀河鉄道999』っぽいですよね。ラブホって家族でも入れるんですね…。などなど、心の奥のほうにある、キラキラした箱が開いた気がする作品でした。枠外をベタにすると「思い出感」と「夜感」が増しますね。こういう演出、見事です。あとクルマの後席でタオルケットに包まれる感覚って最高ですよね! あれは子供の頃にしか味わえない特権だと思いました。ご投稿ありがとうございましたー!

「ホームステイ先の友人がスイスへ帰る日」 とっちー著

【寸評】「ハワイでスイスに帰る友人を見送る」という一般人ではなかなか味わえないシチュエーションでありながら、「クルマに乗って別れの寂しさに思いを馳せる」というと、一気に「わかる!」となるのってすごいですよね。想像力を掻き立てるマンガの力でもあると思います。1枚絵なのにマンガとして成立しているのってすごいなあ、と感心しました。あとロレンゾ、別れの車内で「(自分と離れ離れになるの)悲しい?」って聞いてくるって、すげえハート強いですね…。なのにロレンゾの顔より月のかたちの描写のほうが細かいの(そしてたぶんよく覚えているの)、なんというか「わかる!」という謎の実感があります。ご投稿ありがとうございましたー!

「僕のドライブは阿蘇」 マンディ著

【寸評】コルクBooksの代表が突如参戦です。これPS Vitaで描いたってすごくないですか。こういうふうに描けるんですか。マンガ2.0という感じで、テクノロジーに驚いて内容がなかなか頭に入ってこなかったんですが、めちゃくちゃシリアスなシチュエーションでした。ご無事でなにより。あとどんだけトウモロコシ好きなんですか。ぼくも大好きです。いい季節になりましたよね。ドライブって「まったく新しい記憶」を作りに行くというのももちろん楽しいんですけど、「古い記憶をアップデートしにゆく」というのも楽しいんだよなーと気づきました。ご投稿ありがとうございました!!!

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