スポーツランドSUGOで行われた2023スーパーGT第6戦『SUGO GT300 RACE』の予選。ここまで苦しい戦いが続いていたDeloitte TOM’S GR Supraが開幕戦以来となるQ2進出を果たし6番グリッドを獲得した。今回はサクセスウェイト(SW)が軽いということで、Q2進出は必然な結果と捉われがちではあるが、笹原右京、ジュリアーノ・アレジともに前半戦にはなかった手応えがあったと語る。
Q1を7番手通過した笹原からマシンを引き継ぎ、ジュリアーノ・アレジはQ2では6番手タイムとなる1分10秒623を記録した。
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「久しぶりにQ2に進出できました。右京もがんばってくれました。もっと良くしないといけないところもありますし、完璧ではないですけど、今回はポジティブなところがすごく多いので、本当に良かったです」とアレジ。
自身のQ2アタックでは課題が残ったようだが「今まではクルマの部分で難しいところがありましたが、今日はポジティブな部分がたくさん見つけられました」と、マシンのセットアップ面で改善できた部分があったことが、今回の結果に繋がったようだ。
今週末、37号車のピットには父ジャン・アレジ氏の姿も確認されている。来週に迫ったF1日本GPで来日しており、息子の応援に駆けつけている。
「いつも彼とは連絡を取り合っていますけど、やっぱり現場にいてくれると違いますね」とジュリアーノ・アレジ。
「その場で気になったことや僕のうまくいかなかったところをすぐに指摘してくれますし、こっちもすぐに相談できるので、すごくポジティブです」と笑顔をみせ、間近に父がいることも今回の改善の一助となっているようだ。
マシンパフォーマンスの改善についてはQ1を担当した笹原も同意見のようで、今回に向けて変更してきたことが良い方向にいっているという。
「他のGRスープラ勢をみても、37号車だけが良くも悪くも違う位置にいるような感じがありました。その中で試行錯誤をして『いったんここに戻ろう』というところで今回クルマを持ち込みました」
「浮き沈みが多くて、自分自身もクルマに対して自信を持てなくなっているラウンドがありましたが、やっと今回の予選でクルマとタイヤのパフォーマンスをしっかり引き出せている感じがありました」
何はともあれ、開幕戦以来のQ1突破に「ホッとした気持ちがあります」と話していた笹原。決勝でも上位進出に期待したいところだ。
■300kmレースでは、いつものような追い上げは難しい? 36号車コンビが冷静に分析
もう1台のau TOM’S GR Supraは今回も燃料リストリクター制限3段階目の影響が大きく12番手で予選を終えた。午前の公式練習では路面コンディションが安定するのを待った分、予定していたメニューを十分にこなせなかった模様。
Q1を担当した宮田莉朋も「公式練習で路面が完全に乾き切るのを待ってから走行を始めたので、そこでロングランをやることができませんでした。それでもFCY訓練の時に(ロングランの)雰囲気は確認できていました」と振り返った。
36号車といえば、燃料リストリクター制限を受けながらも決勝で粘り強く追い上げてポイントを積み重ねていく走りが毎回見られており、今回もポイント圏内へ追い上げてきそうな雰囲気がある。
ただ、宮田は「今回は300kmレースなので戦略の幅が少ないなと思っています」と冷静に分析していた。
「450kmだと(最初の2スティントで)引っ張って、最後にショートで行く。もしくは序盤で(ピットに)入って後半2スティントをロングでいく。こうして(戦略は)色々なやり方ができますけど、300kmレースでは採れる作戦が限られるので、チャンスは少ないのかなと思います」
相方の坪井翔も「この前の鈴鹿で3号車がやったように450kmだと博打的な作戦が採れたりしますけど、300kmだとそれは出来ないのかなと思っています。作戦の幅は難しいかもしれないですけど、この状況でやるしかないですからね」と、現状でベストを尽くすことが最善と捉えている様子だった。
「とにかくミスなく、自分たちがやり切ったというレースができれば、必然的に結果は見えてくるのではないかなと思います。SUGOは荒れることが多いので、そこでチャンスが出てくるのかなと思っています」
上位フィニッシュのチャンスを予選で掴んだ37号車と、決勝での追い上げに注目が集まる36号車。TOM’S勢の2台がどのようなレースをみせるのか、目が離せない300kmレースとなりそうだ。
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