この記事をまとめると
■国産車でラインアップされていた異色のSUVを紹介
目の付け所はいいのに時代がついてこなかった! 登場が早すぎて消えたSUV5選
■発表時は賛否両論だったが、他社メーカーも真似する現象が起きた例もある
■今後同じようなモデルが登場することが考えづらいが故にいま見つけたら激レアモデルだ
異色すぎる謎仕様のSUVを振り返る
いまだに高い人気をキープし続けているクロスオーバーSUV。いまでこそある一定のイメージが固まりつつある車型となっているが、過去には理解に苦しむ謎なスタイルを纏ったSUVも多く存在していた。
今回はそんなクロスオーバーSUV全盛のいまだったら評価されていたかもしれない、謎SUVを振り返ってみたい。
日産 ムラーノ クロスカブリオレ
日産のプレミアムクロスオーバーSUVであるムラーノ。2002年に登場した初代モデルはもともと日本国内での販売を予定していないものだったが、東京モーターショーに参考出品したところ、あまりに反響が大きく急遽日本での販売が決定したという1台だ。
そんなムラーノの2代目モデルに設定されていた謎仕様が「クロスカブリオレ」というもの。幸か不幸か日本では正規販売されなかったが、このモデルはムラーノをベースに2ドア化がなされたうえでソフトトップを備えた“オープンカーとSUVのクロスオーバー”モデルだったのだ。
そのクセのあり過ぎるキャラクターから、当時は否定的な意見が多かった1台だったのだが、2016年にランドローバー・イヴォークにコンバーチブルモデルが追加されたことを考えると、時代を先取りし過ぎたモデルとも言えるだろう。
いま見つけたら間違いなく激レア珍車!
トヨタ・ナディア typeSU
イプサムのプラットフォームを流用し、3列シート仕様を持たない背の高いステーションワゴンという個性的なパッケーングで1998年に登場したナディア。ナディアそのものがすでに謎感のあるモデルとも言えるが、そのナディアをベースにクロスオーバー化したのが1999年6月に追加された「typeSU」である。
この仕様、ナディアをベースにSUV風のエクステリアをプラスした……という安易なものではなく、ベース車よりも大きなタイヤサイズを採用することで最低地上高をアップさせ、ボディパネルも専用の3ナンバーサイズのものを採用。
その結果、車両型式も新たなものになっており、いま見るとまさにクロスオーバーSUVといった出で立ちとなっていたのだが、当時はまだ初代ハリアーが登場して間もないタイミングということもあってか、市場自体が形成されておらず、とくに話題になることもなくひっそりを姿を消してしまった。
いすゞ ミュー
いまではトラックやバスといった働くクルマのメーカーとして知られるいすゞだが、過去には乗用車やSUVで人気を博していた時代もあった。そんないすゞが1989年にリリースしたのがミュー(MU)というSUVモデルだ。
このミューは、当時のSUVであるビッグホーンのプラットフォームを流用して誕生したモデルだったのだが、登場時のラインアップはなんと全車2シーターで、車体後部を幌型とした「ソフトトップ(1ナンバー登録)」と、幌の代わりに樹脂製のカバーを備えた「ハードカバー(3ナンバー登録)」の2種類のみ。
パワートレインは2.6リッターのガソリンエンジンで、組み合わされるトランスミッションは5速MTのみという、まさにターゲット不明の謎仕様。さすがに尖りすぎていたと反省したのか、1990年8月には折り畳み式リヤシートとメタルルーフを備えた「メタルトップ」と、2.8リッターのディーゼルターボエンジンを投入。
1991年9月にはようやく4速ATも追加するなど一般化がなされ、1998年にはフルモデルチェンジを果たして2代目へと進化している。
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みんなのコメント
muのアメリカ版であるアミーゴは、当時西海岸を中心にスマッシュヒットした車だったが、それを日本に持ち込んでも場違いなだけであった。結局メタルトップとATが加わって初めて商品として格好がつき、5ドアのウィザードが追加されてやっと売り上げに貢献するようになった。
今でもなんで出したんだろうと疑問を持たれることの多い車だが、バブルの絶頂期だった発売当時、東京湾岸をウォーターフロントと呼んでリゾート開発する構想があった。ホイチョイ映画「彼女が水着にきがえたら」はそのアドバルーン的な作品で、モデルチェンジしたばかりのトヨタ・ハイラックスサーフが登場していたが、いすゞにも鼻薬を嗅がされた人がいたようだ。ナギサやmuはその名残りである。
日が経てば手のひらクルクルで
今出せば売れるとか言うくせにw