現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 12気筒の代わりはまかせろ!──新型ベントレーコンチネンタルGT試乗記

ここから本文です

12気筒の代わりはまかせろ!──新型ベントレーコンチネンタルGT試乗記

掲載 1
12気筒の代わりはまかせろ!──新型ベントレーコンチネンタルGT試乗記

第4世代に進化したベントレー「コンチネンタルGT」の走りは素晴らしかった! プロトタイプに試乗したGQ JAPANのライフスタイルエディター、イナガキがリポートする。

V8+モーターで、12気筒並みに!

愛車の履歴書──Vol38. 吉沢悠さん(後編)

5月16日、ベントレーの新型コンチネンタルGTに関する情報が一部発表された。最大の目玉はハイブリッド化だ。実際に乗ると、電動化はコンチネンタルGTの魅力を大いに高めていた! と、同時に、2024年には生産中止となるW型12気筒ガソリンツインターボエンジンの代わりになり得るパワートレインであると確信した。

試乗は、スペインのバルセロナから1時間ほどに位置するサーキット、「Parcmotor Castellolí」でおこなわれた。全長約4.140kmで、アップダウンがいくつもあるコース。新型コンチネンタルGTを試すには必要にして十分である。ただし、用意されたモデルがプロトタイプだったため、試乗はわずか4周のみ。それでも、新型コンチネンタルGTの魅力はしっかりわかった。

冒頭のプレゼンテーションで新型コンチネンタルGTがいかに革新的で環境に良いハイパフォーマンスモデルかの説明があった。数値だけで言えばライバルとなるフェラーリ「ローマ」およびアストンマーティン「DB12」よりパワフルで、CO2排出量が少ないという。くわえて、コンチネンタルGTには大人ふたりがきちんと座れるリヤシートと実用的なラゲッジルームもあるから利便性も申し分ない。つまり、オールマイティな1台なのだ。

ピットに並べられた試乗車のエクステリアは偽装が施されており、違いがよくわからない。ただし、シルエットは歴代モデルを継承することから、大胆な“イメチェン”とはならないだろう。それだけコンチネンタルGTのエクステリアデザインは完成度が高く、かつユーザーからの評価が高い証だ。

乗り込むと上質なレザーとウッドをたっぷり使ったゴージャスかつスポーティなインテリアが目に飛び込む。こちらもまたエクステリア同様、詳細は不明。はたして、新型の内外装はいかに……6月の正式発表まで待つべし。

今回はごくごく限られた情報のなかでのインプレッションがメイン。技術の詳細も明かされなかった。

ただ、走り出した瞬間から違いは実感した。試乗車はバッテリー残量が60%近くあったため、まず電気のみで静々走る。

そしてレスポンスの良いモーターだけに、みるみる内に速度が上がっていく。味付けはマイルド。アクセルをちょっと踏んだだけで、ドンっと猛烈に加速するような乱雑さは皆無。どちらかといえば従来の12気筒エンジンに近しいドライブフィールだ。

バッテリーの重さも効いている。乗り心地は非常に良く、とくに走行モードでB(ベントレー)モードを選ぶと、丁寧にショックを吸収し、終始フラット。静粛性の高さと乗り心地の良さは従来モデルでも折り紙付きだったが、それをうわまわる。ちなみに、バッテリー容量は25.9kWhとのこと。

ピットを出て1コーナー目を抜けると上り坂にさしかかる。ここで、アクセルをグイッと踏み込むと、エンジンが瞬時に始動し、モーターの力も相まって力強さを感じた。メーカー発表公式値、0~100km/hの加速タイム3.2秒は伊達じゃない。この数値は12気筒モデル搭載と遜色ないそうだ。ちなみに、車重は明かされていないものの、現行V8モデルが2.2tだからそれより重いことは間違いないだろう。バッテリー容量から予想するに2.6~2.7tぐらいと思われる。

それほどの車重にもかかわらず、いくつものコーナーを高速でパスしていくのは見事だ。とくに48V電気式アンチロールバーの効果は絶大。アンチロールバーに強力な電気モーターを搭載し、ボディのロールを抑えるこのシステムによって、ボディを水平にキープする。また新たに採用され「アドバンス・ツイン・バルブ・ダンパー」の制御も素晴らしく、車重を意識させない。個人的には12気筒モデルとコーナリングスピードの限界域は大きく変わらないように思う。もし、本気で“攻める”のであればスポーツモードに切り替えればよし。より、路面に吸い付く感覚だ。さらに、エンジンサウンドも重低音が増すから“やる気”にさせる。電動化でも、ベントレーはスポーティネスを忘れていないのだ。

とはいえ、やっぱり重量級モデルゆえ、“軽快”ではない。ライバルであるフェラーリ ローマの1.57tだから、それよりもプラス1t近くも重いのだから致し方ない。もっとも、ベントレーは峠を攻めるようなクルマではなく、優雅にクルージングを楽しむのが主眼だろうからオーナーにとってはさほどデメリットにはならないはず。

ブレーキフィールについても触れる。回生ブレーキだが、違和感はまったくナシ。ごく自然に止まるし、踏めば踏むほどしっかり止まるからサーキット走行も問題なくこなす。ヘビー級の車重を意識させない強力なストッピングパワーはさすが!

途中、コンフォートモードも試す。ダンパーの減衰力が瞬時に切り替わりソフト寄りへ。サーキットのストレートを、まるで大型船に乗っているのかのごとくふんわりと進む。Bモードと異なり適度な揺らぎが心地よい。ただし、サーキットでは足まわりがやわらかすぎてちょっと頼りない。あくまで通常の街乗りや高速道路での巡航走行向きのモードだろう。

新しいコンチネンタルGTは、12気筒モデルに匹敵するパワーとレスポンスが印象的だった。これまでのマルチシリンダーならではの魅力も捨てがたいが、環境問題などを考えるとそうも言っていられないし、ベントレーは電動化を推し進めているだけに、なおさらだ。

そうした状況を鑑みて新しいV8 PHEVパワートレインに12気筒らしさを盛り込んだのかもしれない。12気筒オーナーからしたら「なんだV8か……」と、思うかもしれないが百聞は一見にしかず。ぜひ、試してほしい。12気筒並かそれ以上の快感を得られるだろう。

文と編集・稲垣邦康(GQ)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
motorsport.com 日本版
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
レスポンス
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
motorsport.com 日本版
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
くるまのニュース
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
日刊自動車新聞
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
くるまのニュース
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
Webモーターマガジン
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
くるくら
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

1件
  • pro********
    イナガキ君がどれほど提灯を振りかざそうと、完全バランスのV12に代わりはありません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2945.84106.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

289.04800.0万円

中古車を検索
コンチネンタルGTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2945.84106.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

289.04800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村