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少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換

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少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換

積算6241km 高めの速度域で悪化する燃費

英国での販売が始まった、マツダMX-30 R-EVへ前回試乗したのは、プレス向けの発表イベント。まだ路面凍結の恐れがあった寒い時期で、よりしっかり味わってみたいと考えていた。というわけで今回は筆者、ジョナサン・ブライスがクルマの鍵をお借りした。

【画像】発電用「ロータリー」で新風 マツダMX-30 R-EV バッテリーEV版とRX-8 アイコニックSPも 全138枚

発表会の帰路では、電動パワートレインにロータリーエンジンを追加して航続距離を伸ばし、魅力的なコンパクトSUVの実力を高めたと考えていた。今でも、その考えはほぼ変わらない。しかし実際は、燃費や航続距離が期待したほど良くないようだ。

MX-30 R-EVは適度な大きさのボディを持ち、操縦性も良く、幅の狭い郊外の一般道でも運転しやすい。最高出力は170psあり、市街地では少し有り余るほどパワフル。高速道路では直進性に優れ、気疲れなしに110km/hで長距離巡航できる。

ところが惜しいことに、速度域が上昇するほど、燃費は悪化していく。ロンドンを環状に巡る高速道路、M25号線や、北へ伸びるM40号線を中心に走らせた燃費は、平均で10.6km/L。カタログ値の100.0km/Lには、遥かに届かない数字だ。

その時の平均速度は66.0km/hと、速すぎることはなかった。1度の満タンで走れる距離は、480km程度ということになるだろう。

市街地でうるさく感じるロータリーエンジン

シングル・ロータリーエンジンの稼働時は、意外と大きなノイズも放つ。2300rpmから4500rpmの間で回転することが多いのだが、電気ドリルのような高音の響きが、車内へ届いてくる。

30km/hから50km/h前後が中心の市街地では、特に良く聞こえる印象。隣車線のトラックが放っている音かと、当初は勘違いしてしまった。

ロータリーエンジンは興味深い技術で、それをレンジエクステンダーとして積んでいるだけで特別感はある。とはいえ、満足できる仕上がりとは表現しにくいだろう。

信頼性にも少し疑問がある。前回のレポートにあったとおり、パワージェネレーターの故障ということでマツダ・ディーラーへ1度預けられ、長期テスト車両は戻ってきたばかり。メカニックによると、これまでにないセンサーの不具合が原因だったらしい。

ところが、ロンドンの西に位置するマクラーレン・ウォーキング工場を訪問するべく、M25号線を走っている途中に、再びパワージェネレーターの故障という警告がメーター用モニターに表示された。復調したと思って、鍵を借りたのだけれど。

それでも、不思議なことに普通に走ることはできた。再起動後は表示されず、その日は帰宅することもできた。

クラスでは最も洗練されたインフォテインメント

一方で、MX-30 R-EVには褒められる部分も沢山ある。特に筆者が評価したいのは、インフォテインメント・システム。4万ポンド(約800万円)以下のモデルに実装されているものとしては、最も洗練されており、直感的に扱えると思う。

ダッシュボード上の7.0インチ・モニターは、表示も鮮明。カーナビは、センターコンソールのロータリーダイヤルを回せば、目的地を簡単に設定できる。うっかりルートを間違っても、すぐに代替ルートを提案してくれるのがうれしい。

荷室も、このクラスとしてはかなり広いだろう。大きなスーツケース1つに、小さなケース2つを、問題なく積むことができた。

MX-30 R-EVの総合的な印象は、間違いなくポジティブ。ロータリーエンジンが、期待に応えきれていないことを除いて。

積算8067km 再びの不調で車両交換

パワートレインの不具合でマツダ・ディーラーへ預け、修理を終えて帰ってきたばかりだったが、再び逆戻り。同じ警告がまた表示されてしまった。結果的に、車両交換が決まった。

やって来たのは、淡いグレーのMX-30 R-EV。今回は何事もないと良いのだけれど。

積算9650km 特定の速度域で振動するボディ

今のところ、例のパワージェネレーターの故障という表示は出ていない。しかし、別の問題が起きている。91km/hから94km/hの間の速度で走っている時に、車両全体へ強い振動が生じるのだ。

レンジエクステンダーの、ロータリーエンジンが始動する時に揺れるわけでもない様子。EVモードでも、同様にボディが震える。加速時も、減速時も。何が原因なのだろう。

テストデータ

気に入っているトコロ

インテリア:細部までこだわられた、美しいインテリアは居心地が良い。人間工学的にも考え抜かれている。

気に入らないトコロ

悩ましいパワートレイン:ロータリーエンジンは、少しうるさい時がある。信頼性も怪しい様子。

テスト車について

モデル名:マツダMX-30 R-EV 170PS エクスクルーシブライン(英国仕様)
新車価格:3万6650ポンド(約733万円)
テスト車の価格:3万8450ポンド(約769万円)

テストの記録

燃費:10.3km/L
故障:センサーの故障
出費:なし

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みんなのコメント

59件
  • zap********
    なんも良い所無しじゃん(笑) ロータリー=燃費悪いを再確認出来ただけ。おまけに信頼性無いっ(笑)
  • nex********
    無理やりロータリーなど積むからこうなる
    ロータリーは、諦めたら…
    燃費悪いし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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