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2023年のF1マシンはもっと過激な形状になる? ボディワークのポテンシャルに”気づいた”F1チーム

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2023年のF1マシンはもっと過激な形状になる? ボディワークのポテンシャルに”気づいた”F1チーム

 F1に新しいレギュレーションが導入されて2年目となる2023年シーズンは、F1マシンのボディワーク形状が今季よりも過激になる可能性があるようだ。

 当初、新しいレギュレーションではマシンのデザイン自由度が低く、各チームのマシンが酷似したモノになるのではないかと予想されていた。

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 しかし蓋を開けてみれば、各チームのサイドポンツーンは顕著な違いが見られた。フェラーリF1-75は、サイドポンツーン内側にエアダムを作る”インウォッシュ”型。レッドブルRB18はフロアに向けて空気を流す”ダウンウォッシュ”型。さらにメルセデスW13のゼロポッドといった、近年なかったバリエーションが見られた。

 この他アストンマーチンやウイリアムズなども独自のソリューションで開幕を迎えたが、シーズンが進むにつれて、各チームがどのアイデアがベストなのか理解を深め、全体的にデザインが収束していった。

 こうした変化は、新規則のマシンの性能が、フロアのエアフローをいかにうまく管理できるかだけでは決まらないということにチームが気づいたことがきっかけだと考えられる。

 それどころか、フロアとディフューザーの性能をさらに高めるためには、ボディワークの形状も同様に価値のあるツールであるという結論に達したのだ。

 つまり現在開発が進められている2023年のマシンは、ボディワークの形状をよりアグレッシブにして空力性能を追求することに、より力が注がれる可能性が高い。

 ボディワークのアイデアを変えることは、クルマを違ったものに見せるための最良の方法のひとつだと言えるだろう。ただ、アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パーメイン曰く、ラジエーターやエキゾーストといった大物は簡単には動かせないため、今季可能な変更はかなり限られているという。

 しかし、チームが2023年に向けてこれらの部品の位置を変更することで、来シーズンにはもっと目を見張るようなボディワークが誕生する扉が開かれるかもしれない。

「フロアやトップボディなどには、まだ多くのパフォーマンス向上を見出しているところだ」

 バーメインは、現行マシンのパフォーマンスについてそう語った。

「今年学んだことが、来年はもっと過激な例につながっていくのではないだろうか。今年、ラジエーターやエキゾーストなどのパッケージングで制限された部分は、もちろん来年に向けてすべて変更することができる」

 マクラーレンのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、マシンの他の部分でできることが非常に限られていることをチームが理解した結果、ボディワークを最適化する価値が実際に高まったと語った。

「本当に勉強になった。問題に対処するために使えるツールが減った分、様々なツールを使うようになったんだ」と、キーは言う。

「だから、ボディワークの重要性が増したんだ。ボディワークは、自由度が高い数少ないエリアだからね」

「昨年も似たようなことはできたのだが、バージボードやディフューザーフェンスなどに比べれば、はるかに小さな存在だった」

「それらが全て無くなったので、次の段階に取り組まなくてはいけない。ボディワークは確かにその役割を担っているんだ」

 メルセデスは独自路線を進んでいるが、そのゼロポッドを含むボディワークがフロアへの気流に与える影響が、メルセデスにとって悩みの種であるポーパシングの一因になっているのではないかという、様々な見解が出されている。

 一方。メルセデスはサイドポンツーンのデザインがポーパシング問題の引き金になっているわけではないと主張しているが、キーはボディワーク周辺の気流が現在のF1マシンのパフォーマンスにとって重要な部分になっていると言う。

「サイドポッドでやっていることは、多くの点でマシン底面でやろうしていることを補完するものだ」と、キーは付け加えた。

「まだ、いろいろな考え方があるのだ。フェラーリを見てみると、彼らは未だに”インウォッシュ型”を採用していて、とても速い。だから、このレギュレーションは多くの点でまだ未熟なんだと思う」

「フロアやサイドポッドのデザインについては、まだ学ぶべきことがたくさんあるし、(ベストだと)決まったやり方もない。まだ多様性があるんだ。来年はどうなるのかまだ分からない」

「フロアがすべてなのだが、ボディワークやサスペンションなど、フロアの周りにあるモノは全て、何らかの形でそれを補完するために存在しているのだ」

 興味深いのは、来年チームがどういったデザインを選ぶのかということだ。アグレッシブになった結果、バリエーションが増えるのか、それとも似たようなアイデアに収束していくのか……。それは2023年の新車発表の時期まで分からない楽しみとなるだろう。

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みんなのコメント

2件
  • 大幅レギュレーション変更の直後はいろんなアイデアが出てくるが、いずれは”速い車”に似通ってくるのがF1の常。
  • 何を基準に過激?これまでのソリューションと違うからそう感じるのであり、既にメルセデスは超過激だしフェラーリも充分過激だ
    詰まり とっくに過激、サイドインパクトバーが二本もあるしPUの変更も無いし 出来るのはクーラントの形状と位置くらい、フェラーリは既に 最新のジェットエンジンのドーナツ型のエアインタークーラーとして使っていて、メルセデスも何かのクーラーに使っているらしい
    重要なのは 信頼性と安全性とメカニカルな機能を損なわず、さらに歪みや弾性を許された範囲内で そしてポーパシングが出来るだけ出ずに ロードラッグでありながら、特にフロントのダウンフォースが強いマシンが欲しい
    つまり フェラーリはドラッグが強すぎで、レッドブルはフロントのダウンフォースが弱い
    来年皆は その中間のマシンが欲しい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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