ゲリラ豪雨など、大雨が頻発する時代へ
地球温暖化が進むにしたがって増えているのがゲリラ豪雨や線状降水帯、大型台風などで、ニュースでもよく目にするようになりました。
最近では、突然叩きつけるような大雨が降り続き、あっという間にあたり一面が水浸しになることも珍しくありません。
ウェザーニューズの調べでは2023年に発生したゲリラ雷雨は9.3万回以上で、これは前年比20%増とのこと。急激なスピードで増えていることがわかります。
突然、大雨が降ると問題なのは道路の冠水で、アンダーパスはもちろんのこと、普段は水が溜まらないようなところで洪水状態になる事も。
また、道路だけでなく駐車場にも水が溜まり、最近ではマンションの地下駐車場が浸水するという事例も見受けられます。
そんな頻繁に起こるゲリラ豪雨に遭遇した場合、バイクで浸水している場所を走行しても良いのでしょうか。
結論から言うと、エンジン本体は密閉されているので、水がかかったぐらいでは問題はありません。ただし、吸気と排気部分については内部に続いているため注意が必要です。
まず、マフラーが水に浸ってもエンジンが勢いよく回っていれば圧力で水は侵入しませんが、アクセルを緩めるとエンストしてしまい、再始動は困難になります。
また、マフラーの付け根まで水かさが増すとエンジン内部に水が入ってしまい、スターターを回してしまうとウォーターハンマー現象が発生。コンロッドが曲がるなどして、エンジンは破損してしまいます。
こうなるとエンジンは、オーバーホールか積み替えが必須。吸気についてはバイクの場合、タンクの下あたりから吸っているので、そこから水が入り込むことはありません。ただ、フロントフェンダーの形によっては前輪からの巻き上げが激しくなり、吸気口にかかる可能性もあります。
またキャブレター車で純正エアクリーナーレスにしてファンネルや社外エアクリーナー直付けにしている場合は、入り込みやすいので注意が必要。
クルマの場合、マフラーからの浸水もありますが、フロント部分がラッセル車のように水を巻き上げるので、けっこう簡単に浸水してしまいます。
エンジン以外にも注意点は多い
浸水というとエンジンばかりに目が行きがちですが、各部に水が入り込むことでさまざまなトラブルが起こります。
雨がかかっても問題は無いのに、なぜ冠水路を走るとダメなのかというと、まずは完全に水に浸かるという状況が危険です。
チェーンやブレーキ、サスペンションなどは浸かると内部にまで水が入り込み、しばらくは抜けないということもあります。そうなるとサビが発生したりして、トラブルの原因になります。
そしてもうひとつ、道路に溜まっている水は綺麗ではありません。砂や泥だけでなく、下水が逆流していれば汚物が含まれている可能性もあるでしょう。
たとえばフロントフォークにかかると、気密性を保っているシールを傷つけてしまうことも考えられ、場合によってはオイル漏れにつながることも。
また、ラジエーターの細かい目に入り込んでしまうと取り除くのは大変で、冷却性能が低下。オーバーヒートすることも考えられます。
そもそもバイクは2輪しかないので、水の流れを受けると非常に不安定になってしまい危険で、スピードは出せないのでなおさらです。少しでも冠水している可能性がある場合は避けて通るか、停止して様子を見るようにしましょう。
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