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29歳、フェラーリを買う──Vol.36 プチ・カスタマイズ

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29歳、フェラーリを買う──Vol.36 プチ・カスタマイズ

ボクがフェラーリ「360モデナ」を購入してから半年が過ぎた。納車時の走行距離は2万2343kmだったが、現在は2万6000kmを超えた。半年で約3700km……。この距離を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだろう。

一般的には少ない方かもしれないが、フェラーリとしてはそれなりに走っていると思う。なんてたって前オーナーは約19年間で約2万2300kmしか乗っていなかったぐらいだ。単純計算で年平均1200km、月に換算すると100kmしか走っていない。

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納車時の走行距離は2万2343kmだった。この走行距離が特殊かといえば、決してそうでもないようで、中古車市場には、走行距離1万km~2万km台の360モデナが数多くある。

走行距離が伸びた要因はいくつかある。ひとつは、1回の走行距離が長いということ。自宅と目的地を往復する場合、100km以上走行しているケースが多い。しかも、高速走行がほとんどである。

【前回のおさらい】

Vol.35 謎多き付属マニュアル(後編)

Vol.34 謎多き付属マニュアル(前編)

取材で東京湾アクアラインを走り千葉に向かったことも。この日は、神奈川~千葉~東京~神奈川だったため150km近く走った。もうひとつは、当連載の取材が多いため。多くの読者が楽しめるよう、360モデナにかんするさまざまな取材をしているので、思いのほか稼働しているのだ。ひと月4回しか乗っていなくても、半年で24回。1回の走行距離が150kmであれば、半年で約3700kmになるのも納得である。

安価なカスタマイズそれなりに(フェラーリとしては)距離が出ていると、気になる点もちらほら。結果、オーディオ・システムを換装したり、正規ディーラーで車検整備をしたりと、360モデナに手をくわえてきた。

とはいえ、手を入れたい箇所はまだまだある。たとえば、サスペンション・システム。社外品(Swift製)に換装されているゆえ、手元にある純正品に戻したい。が、交換費用に数十万円を要するため、おいそれとは出来ない。後方視界が悪いのでバック・モニターを装着したいが、これも数十万円を要するとのこと。

サスペンション・システムはSwift製に換装されている。オーディオ・システムはJBL製に換装。なにか手をくわえたいな……と思ってもそれなりの費用がかかるから容易ではない。で、「なにか気軽に手をくわえらえる箇所はないものか?」と、考えていたところ、1箇所あった! アルミホイールのハブキャップだ。

ボクの360モデナに装着されているハブキャップ(純正カラー/イエロー)のいくつかには、ヒビが入っている。ヒビが入っているからといって、走行性能に影響はないというが、とはいえ、見栄えはよくない。

ヒビの入ったハブキャップ。早速、フェラーリ横浜サービス・センターに訊くと「純正カラーの在庫はあります」とのこと。価格は1個3080円(4個1万2320円)とそれほど高くない。てっきり、1個数万円すると思っていたので、ホッとした。

調べると、ポルシェ「911(タイプ992)」のハブキャップは4個2万9810円だった。フェラーリの倍以上の価格である。登場年月もメーカーも異なるから、単純な比較は出来ないものの、フェラーリだからなんでも高い! ともかぎらないようだ。

【前回のおさらい】

Vol.35 謎多き付属マニュアル(後編)

Vol.34 謎多き付属マニュアル(前編)

左がもともと装着されていたハブキャップ、右が最新のハブキャップ。跳ね馬のデザインなどが微妙に異なる。ハブキャップの構造も、もともと装着されていたものと最新のものとでは作りが異なる。最新のほうが、耐久性に優れているそうだ。早速、交換しようと担当の高橋忠久工場長に依頼すると「純正カラー以外の色もありますし、異なる材質もありますよ」と、述べる。

いったい、どんな種類があるのか?

レーシングハブキャップの意味早速、高橋工場長がハブキャップのカタログ・データを送付してくれた。データ内には、レッドやブラックのハブキャップが掲載されているほか、“レーシングハブキャップ”と呼ぶチタン製やカーボン・ファイバー製のものまで掲載されていた。

ブラックのハブキャップもある。価格は4個で1万8953円。チタンやカーボン・ファイバーを使ったハブキャップなんぞ、さぞ高価かと思いきやチタン製は4個3万7000円、カーボン・ファイバー製は4個3万953円。ここでまたポルシェの価格と比べるのも恐縮だが、それほど高価ではないように思う。

とはいえ、標準タイプの材質に比べ、価格は1.5~2倍にはなる。レーシングハブキャプのカタログには「付加価値の高い素材を使用したものであり、外部の作用因子に対する高い耐性、優れた軽さ、およびスポーティな外見を求めるお客様の要求を満たします」と、記されている。

レーシングハブキャップのカタログ。画像の360モデナのアルミホイールは、オプション品。カーボン・ファイバー製は4個3万953円。フェラーリ・ビギナーのボクは、その“付加価値”を理解出来ない可能性が高いうえ、カタログ画像を見る限り、標準タイプのアルミホイール・デザインにはしっくりこない気がしてならない(画像はオプションのアルミホイールを装着)。

そこで今回は、通常のハブキャップに交換することに決めた。ただし、今とおなじイエローにしても代わり映えしないので、レッドにした。理由は簡単で、ボクがレッド好きだからである。

オプション価格は平均400万円!?10月8日、ハブキャップを交換すべくフェラーリ横浜サービス・センターに向かった。

9時過ぎに工場に着くと、すでに交換作業の準備が整っていた。高橋工場長にハブキャップのヒビ割れ要因を訊くと、「直射日光や高熱が要因で、ヒビが入るケースは多いです」とのこと。

購入したレッドのハブキャップ。フェラーリの純正品であるのを示す、イエローのボックス入り。ハブキャップを交換するユーザーはヒビの有無にかかわらず一定数いるそうだ。「ハブキャップに限らず、ドア・ミラーやドア・ハンドル、フュエール・リッドなどを、自分好みのカラーや材質に交換するユーザーは多いです」と、高橋工場長。

「多くのユーザーが、好みのオプションを装着し、かつパーツのカラーや材質を変更するため、最近のモデルで、フルノーマルの車両は見たことありません」

たしかに、ピット内や認定中古車のショールム内にある最近のフェラーリは、さまざまなオプションを装着している。はたして、ユーザーはどれほどの費用をかけて、カスタマイズしているのか?

高橋工場長に訊くと、「平均すると400万円ほどのメーカーオプションを装着されています」と述べる。400万円あればメルセデス・ベンツのAクラスやBクラスが購入出来る金額だ。さすがはフェラーリである。

右手に持っているのは、ハブキャップを取り外すための専用工具(フェラーリのロゴ入り)。専用工具を、ハブキャップの表面にしっかり固定し、取り外していく。早速、ハブキャップの交換に入る。本来ハブキャップは、専用工具を使うと、表側から数十秒で取り外せるが、ボクの360モデナは、装着されてから年数が経っているため、プラスチック部分が硬くなってしまい、専用工具では簡単に外せないという。

そこでクルマをリフトアップし、タイヤを外して作業する。裏側からハブキャップを押し出していくのだ。手際よく4本のタイヤを外し、ハブキャップを外していく。そして、レッドの新品が取り付けられていった。

【前回のおさらい】

Vol.35 謎多き付属マニュアル(後編)

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硬くなったハブキャップを取り外すべく、裏から押し出す。そのため、勢いで落下し、破損しないよう、テープで予防する。タイヤ裏からセンターキャップを外していく。レッドのハブキャップを取り付けていく。なお、担当したメカニックに訊くと「作業はそれほど難しくありません」とのこと。ハブキャップの装着後、タイヤを元に戻していく。レッドのハブキャップ価格は、4個で1万8953円。イエローが4個で1万2320円だから、少々高い。

が、足もとの雰囲気はガラリと変わった。中古車市場で販売されている360モデナのほとんどは、イエローのハブキャップ。レッドは見たことがない。ゆえに新鮮だ。

足もとの印象が大きく変わったボクの360モデナ。価格はブラックとおなじ、4個で1万8953円。交換当初こそ「やっぱりもとのイエローがいいのでは……」と、述べたHカメラマンは、日を重ねるにつれ「意外と似合っていますね」と、好印象に変わっていった。

ボクもおなじで、はじめは「ボディサイドのフェラーリ・エンブレム(イエロー)と、レッドはチグハグかもしれない……」と思ったが、時がたつにつれ「濃紺のボディカラーに似合っているし、なにより個性があってよろしい」と、思うようになった。

フェラーリのカスタマイズなんて、どれほど費用を要するのかまったくわからなかった。が、ハブキャップのように比較的安価なカスタム・パーツ(しかも純正)もあるのは意外だった。

今後も予算がゆるす範囲で、“プチ・カスタマイズ”していきたい。オリジナルの良さを活かしつつ。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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