この記事をまとめると
■ミニ・クーパーの5ドアモデルの新型が発表された
すべてのクルマ好きにオススメしたいど真ん中モデル! MINI ACEMANは名前のとおりに魅力がエース級だった
■新型のデザインテーマは「カリスマ的なシンプルさ」とされている
■要素を減らしつつ手を入れるところは手を入れるという絶妙なデザインとした
原点回帰したデザインは魅力の塊
6月13日、BMWは新型ミニ・クーパーの5ドア仕様を発表しました。すでに日本へ導入済みの3ドアのスタイリングについては、「結構変わった」「ほとんど同じ」などさまざまな感想が聞かれますが、今回の5ドア導入を機にあらためて新型のデザインをチェックしてみたいと思います。大きく変わったのか、やっぱりほとんど同じなのか?
●初代に立ち返った画期的な存在感を目指す
すでに多くの媒体等で紹介されているとおり、新型のデザインテーマは「カリスマ的なシンプルさ」です。「どういう意味?」と思ってしまいますが、過日来日したデザインディレクターのオリバー・ハイルマー氏は、革新的だった初代に立ち返り、そのカリスマ的なオーラを再現したといいます。
それを聞いてあらためて新型を見ると、「カリスマ的なシンプルさにはふたつのポイントがあるのでは?」と思えてきます。
まずひとつは「徹底して要素を減らす」ことで、これはマツダの「引き算の美学」のように最近のカーデザインの潮流でもあります。まあ、考えてみれば先代でも十分過ぎるくらいシンプルではあったのですが、もう一段上の次元でのシンプルさを模索したワケです。
たとえば、フロントは先代後期型に近い造形ですが、グリルの枠を細く簡素化し、左右のエアインテークをなくした上でロアバンパー周辺をスッキリと滑らかな面でまとめました。アイコンであったサイドスカットルをなくしたのは、それ自体がノイズだし、そこで「ミニらしさ」の勝負はしないという意図でしょう。
さらに、フロントライトのリングやベルトラインを1周していたメッキ類を一掃、ドアハンドルはより細くスッキリした形状に変わりました。先代までの「ミニらしい高級感」を演出していたベタな装飾類をすべて見直しているのです。
先代モデルのデザインをさらに研ぎ澄ます
●シンプルだけではなく確実な新しさを提示する
ふたつめは、従来にはなかった「新しさの提示」です。単に要素を減らすだけでなく、そこに新しさがなければ初代をインスパイアしたことにならないワケです。
たとえば、先代ではシンプルな凸面だったボンネットは、左右両端のランプの内側にわずかな凹みを作ってフードに緊張感を作っています。もちろん、この凹み部分の面はじつに丁寧に磨き込まれていて、そこだけが目立つようなことにはなっていません。
また、やはり先代までは大きな凸面構成だったリヤパネルは、周囲に段差を設けることでパネル全体が囲まれたような構成となり、これに沿ってシャープにカットされたテールランプが新しいミニマムな表情を作っています。ここにブラックのガーニッシュを加えることでリヤ全体の存在感も確保しました。
こうして、あらためて新型のエクステリアをチェックすると、闇雲に「引き算」をするのではなく、いってみれば引くものと加えるものをトータルに考えることで新しさを模索したように見えます。
「外観はほとんど変わっていない」という声があるように、最終的には先代や歴代と似たようなスタイルに見えたとしても、すべてをゼロから見直すことによってまったく新しい世界観を作っているのです。
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みんなのコメント
初代も2代目も歴史に耐えるデザインだったんだが。
え?BMWが見限った、てこと?
一体何があった??
初代にインスパイアされた ○
インスパイアはされること(受動)はあっても、すること(能動)はありません。
能動なら、初代をリスペクトした、とかですね。