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リトラクタブルヘッドライトのデートカー 青春のプレリュードとセリカが今欲しい!

掲載 更新 17
リトラクタブルヘッドライトのデートカー 青春のプレリュードとセリカが今欲しい!

 50歳以上のクルマ好きは、ほとんどがスーパーカー世代ではないだろうか。彼らが熱狂していたクルマの多くが、リトラクタブルヘッドライトを採用していた。

 カウンタックやフェラーリ512BBに憧れていたが、もちろん買えない。現実の世界では当時、デートカーといわれたプレリュードやセリカ、シルビアを60回払いのローンを無理やり組んで買った人も多かった。

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 今回は、1980年代に20代だった若者が熱狂したリトラクタブルヘッドライトのクルマ代表として、セリカ、プレリュードの中古車を取り上げたいと思う。


文/萩原文博
写真/トヨタ ホンダ ランボルギーニ

【画像ギャラリー】買うのは最後のチャンス!? プレリュードとセリカの新車当時の写真をチェック! 

当時、スペシャルティといえばリトラクッラブルヘッドライトだった

スーパーカーといえばカウンタック、リトラクタブルヘッドライトだった

 筆者は1970年生まれで現在50歳。幼少期にスーパーカーブームそして漫画『サーキットの狼』を体験したことで、ランボルギーニ・カウンタックやフェラーリ512BBといったクルマが採用しているリトラクタブヘッドライト=“カッコイイクルマ”と刷り込まれた。

 日本車として、初めてリトラクタブルヘッドライトが採用されたのは1960年代に登場したスポーツカーのトヨタ2000GTだったこともあり、リトラクタブルライトは高性能スポーツカーの必須アイテムとなった。

 時が流れて1980年代、リトラクタブルヘッドライトはスポーツカーだけでなく、当時“デートカー”と呼ばれたスペシャルティモデルにも拡大した。

 その代表例が2代目~3代目のホンダプレリュードである。ライバルといわれていたS12型日産シルビア/ガゼールもリトラクタブルライトを採用していたが、人気面では圧倒されていた。

 そして1980年代のリトラクタブルヘッドライトブームを象徴する映画が1987年に公開された。

 その映画は『私をスキーに連れてって』だ。この映画に登場するクルマというとST165型のトヨタセリカGT-FOURを思い浮かべる人が多いが、映画のオープニングで主人公の愛車として登場するのがトヨタカローラIIリトラだ。

映画『私をスキーに連れてって』に登場したST165セリカGT-FOUR

スポーティカー=リトラクタブルヘッドライトというイメージがあったのか、このカローラIIのようにスポーティさを強調したいクルマはリトラクタブルヘッドライトを装着していた

 すなわち『私をスキーに連れてって』の劇中に登場する重要なクルマはすべてリトラクタブルヘッドライトを採用したクルマばかり。これが当時の若者の世相を反映したものといえる。

 余談ではあるが、劇中に出てくる主人公のたまり場であるゼファーインは筆者の自宅の近くにあったが、現在はマンションに建て替えられてしまった。

 リトラクタブルライトはスポーツカーだけでなく、1981年に登場したマツダコスモなどにも普及したが、国産車では2002年に生産終了したマツダRX-7を最後に採用されなくなった。

 その理由は安全基準の変更によるもの。歩行者保護の重要性が高まり、ボディの突起物を減らすように設計されるようになったこと。

 そして外国ではヘッドライトの常時点灯が義務づけられている国もあり、リトラクタブルヘッドライトに逆風が吹いたのだ。

3代目プレリュード:1987年4月~1991年8月

量産乗用車として初めて機械式4WSを採用した3代目プレリュード。先代に引き続きデートカーとして人気を誇った

当時のスペシャルティカーのコクピットデザインは凝っていた。写真は人気グレードのプレリュードXX

3代目プレリュードの中古車情報はこちらをクリック!

 もう中古車でしか手に入れることができないリトラクタブルヘッドライトを採用したクルマ。

 現在、1989年以降に登場した国産中古車は海外への流出によって価格が高騰しているが、そこで今回は50代のオジサンたちの若者時代に憧れた1980年代に登場したリトラクタブルヘッドライトを採用したデートカーをはじめとした国産車の最新の中古車相場について紹介する。

 まずは、なんといっても当時“デートカー”として圧倒的な人気を誇った3代目ホンダプレリュードだ。

 3代目プレリュードは1987年4月~1991年8月に販売された。外観デザインは大ヒットした2代目を継承し、プレリュードを象徴するロー&ワイドフォルムは、低く抑えた全高1295mmのまま、全長4460mm、全幅1695mmと従来のモデルに比較して拡大した超偏平エアロスタイルを採用。

 ボディの凹凸を極限まで削ぎ落した張りのある曲面構成は、サイドを精悍に引き締める低いベルトラインとの相乗効果により、フォルムの美しさを一段と強調している。

 インテリアは、極細ピラー採用によるワイドなガラスエリアとサンルーフ位置の前方レイアウトにより、優れた超広角視界を確保。

 また、大型センターコンソール付のラップラウンド形状のインストルメントパネルや、機能的なメーターレイアウトを採用するなど、コクピット全体をスポーティなイメージでトータルデザインしている。

 搭載されているエンジンは2L、直4で最上級グレードのSiには最高出力145psを発生する2L、直4DOHCを搭載していた。

 3代目プレリュードのトピックスは当時世界初の技術、舵角応動タイプの4輪操舵システム、ホンダ4WSや新世代の4輪ダブルウィッシュボーンサスを採用したことだ。

 女性にもてることに注目が集まったが、見た目だけでなく、走行性能でも十分高い実力を兼ね備えていたモデルだったのだ。

 3代目プレリュードは1991年に生産終了しているので、最終モデルでもすでに約29年が経過しているモデル。

 しかし、中古車は6台流通している。直近3ヵ月は約4~8台の幅で上下しているものの安定傾向となっている。

 流通している中古車の平均走行距離は3カ月前の約10万kmから現在は約8.9万kmに減少しているものの、中古車の平均価格は約106万円でこの3カ月の間横這いで推移しており、このあたりが底値といえるようだ。

 中古車の価格帯は約88万~約238万円で、価格応談が3台となっている。流通している中古車のグレードはほとんどが2.0Siだが、わずかに限定車のステイツも見つけることができる。

 走行距離が5万km未満になると中古車相場は200万円以上となるが、青春の甘酸っぱい思い出を100万円で手に入れられるというのはリーズナブルといえるだろう

ST160系セリカ:1985年8月~1989年8月

流面形と呼ばれた4代目セリカ。写真はセリカGT-R

デジタルメーターを採用していたセリカGT-Rのコクピット

ST160系セリカの中古車情報はこちらをクリック!

 続いては、4代目ST160系セリカ。1985年8月~1989年8月にかけて販売された流面形と呼ばれた4代目セリカは駆動方式が従来のFRからFFへと変更されたのがポイント。

 翌年の1986年にWRCでも輝かしい歴史を残した4WD車のGT-FOURが追加されている。

 現在4代目セリカの中古車はわずか1台しか流通しておらず、248万円のGT-FOURだけとなっており、絶滅の危機に瀕している。

ST165セリカGT-FOURに搭載されるエンジンは185ps/24.5kgmを発生する2L、直4ターボで、1987年には映画『私をスキーに連れてって』に登場した

セリカXX:1981年7月~1986年1月

北米ではスープラの名で販売されていた2代目セリカXX

セリカXXの中古車情報はこちらをクリック!

 この4代目セリカと同時期に販売されていた2代目セリカXXもリトラクタブルヘッドライトを採用していた。

 漫画「よろしくメカドック」でチューニングされているように、初代のスペシャリティカー色は薄れてよりスポーティ色が強まっているモデルだ。

 リトラクタブルヘッドライトを採用したことにより、Cd値0.35という高い空力性能を達成し、最高速度も200km/hオーバーという高いパフォーマンスを発揮した。

 1981年7月~1986年1月まで生産された2代目セリカXXの中古車は現在13台しており、そのうち価格応談が4台。

 そして価格帯は約216万~約339万円となっており、プレミアム価格となっている。今後値落ちする可能性は低く、購入するなら早めにしたい。

 グレードはすべて1G-GEU型2L、直6エンジンを搭載した2.0GTで、5M-GEU型2.8L、直6エンジンを搭載した2.8GTは流通していない。

70系スープラ:1986年2月~1993年4月

発売当時のキャッチコピーは「トヨタ3000GT」。1960年代の名車、トヨタ2000GTをイメージしていた。プラットフォームはソアラと共用

70系スープラのコクピット

70系スープラの中古車情報はこちらをクリック!

 そして最後に1980年代に登場したリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルとして紹介するのは、1986年~1993年に販売された70型初代トヨタスープラだ。

 先ほど紹介したセリカXXの後継車となるスープラだが、2020年1月にはプロペラシャフトやドアハンドルそしてウェザーストリップなどの補強部品が復刻・再生産され純正部品として再販売が始まったことで注目度が高まった。

 現在初代スープラの中古車は約18台。直近3ヵ月の間では約18台~約24台の幅で増減しており、最も少なくなっている。

 流通している中古車の平均走行距離は約7.9万kmだった3ヵ月前から現在は、約8.9万kmへと延びている。

 しかし平均価格は3ヵ月前の約192万円から現在は約198万円へと値上がり傾向となっている。

 1年というもっと長いスパンで平均価格の動きを見てみると、2019年11月の時点では初代スープラの中古車の平均価格は約174万円だった。

 その後上げ下げを繰り返しながら現在の約198万円へと1年で24万円の値上がり幅となっている。今後はさらに値上がり傾向が加速する可能性は高い。

 初代スープラの中古車の価格帯は約50万~約838万円と非常に幅広い。最高値の中古車は最高出力280psを達成した2.5GTツインターボRで、走行距離はなんと0.5万kmという奇跡の物件だ。

 現行型スープラRZより高いが、もう手に入らないことを考えるとこちらのほうが価値は高いといえる。グレードでは2.0GTツインターボ系が最も多いが、2.5GTツインターボも手に入れやすい。

 セリカXXと違ってまだ100万円台の中古車の数多く見つかるのでモデルは違うものの、セリカXXよりはスープラのほうが1980年代のリトラクタブルヘッドライト車を味わうにはお手頃といえる。

 クルマがファッションアイテムのひとつだった1980年代。すでに30年以上経っているが、まだその時代を彩ったクルマたちが手に入れることができるのは、嬉しいことだ。

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みんなのコメント

17件
  • この世代の車はメーカーの部品の供給が既に終わっており、維持が非常に困難。いわゆるマニアでないと維持ができないので安易に手を出さない方が良い。
    セリカST165を所有していたが、同じセリカを持つ友人は、部品取り用に165を1台、FFの162を1台確保していた。
  • この記事に出ているプレリュードと同時期に出てたアコードも
    リトラクタブルだったと思います。
    父親が乗ってました。

    ちなみに自分は、カウンタックより、ストラトスの方が好きです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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