予想に反して、ガチなイベント?
2輪メディアの仕事を始めて四半世紀以上、最近の私(筆者:中村友彦)は試乗や取材で新鮮さを感じる機会が徐々に少なくなっています。とはいえ、10月5日、6日に長野県の志賀高原で開催された「BMW MOTORRAD G/S DAY’S」(以下、G/Sデイズ)に、体験取材という形で「R 1300 GS スポーツ」を駆って参加したときは、「こんなに面白い世界があったのかっ!!」と驚き、目からウロコをボロボロ落とすことになりました。
【画像】こんなに面白い世界があったのか!! イベントの模様を画像で見る(16枚)
その理由を説明する前に大前提の話をしておくと、GSファンライドやGSヴェルト、ジオラリー阿蘇、関西ビッグオフフェスタ、BMCJオフロードライダートレーニングなど、「GS」シリーズを中心としたイベントが全国各地で開催されていることは、以前から知っていました。
ただし、インターネットや雑誌でそれらの記事を見た私は(改めて考えるとものすごく失礼な話で、現在は自らの無知を心から反省しているのですが……)、高価な車両を購入したGSライダーが大勢集まって、オフロードを味見するイベントなんだろうと感じていたのです。ところが……。
G/Sデイズは“ガチ”なイベントだったのです。いや、この表現は大きな誤解を招きそうな気がしますが、2日間に渡って上信越国立公園内に点在する未舗装路を走り回った私は、心身共にクタクタになり、脳内に“GSライダーのオフロード味見”などという言葉はまったく浮かびませんでした。
なかでも圧巻だったのは、スキー場内を走る「ゲレンデクルーズ」です。普段のバイクライフではあり得ない未舗装の急坂をよちよち登り、休憩地点で絶景を眺め、とてつもない角度(のように思える)ゲレンデを恐る恐る下って、平地に戻ったときの達成感と充実感と言ったらもう……!!
ちなみに、オフロードの腕前が万年初級から中級で、フラットツインGSで未舗装路を走った経験が豊富とは言えない私が、ゲレンデ走行を何とか楽しめたのは、当サイト(バイクのニュース)でもお馴染みの松井勉さんによるライダートレーニングのおかげです(別チームのインストラクターは鈴木大五郎さん)。松井さんの教えが無かったら、おそらく、ゲレンデクルーズは途中で断念していたでしょう。
ただし、G/Sデイズには初心者を対象としたコースや、舗装路のみを走るコースも設定されていますし、メイン会場からゲレンデクルーズやコマ図ツーリング(スマホにダウンロードした地図を見ながら行なうツーリングで、ラリー気分が味わえる)に何度も出かけるかどうかは、参加者の気分や体調次第です。
せっかくの機会なので、私は“ガチ”路線を選択しましたが、あまり無理をせず、ユルめの気分で楽しむ参加者も少なくないようです。
素晴らしい運営とコース設定
さて、まずは個人的な感想を記しましたが、2輪メディアに携わる人間の視点で、G/Sデイズで最も感心したポイントは、スムーズな運営でした。と言うのも、今回のこのイベントには過去最高となる230人(台)が参加していて、普通に考えると走る気満々の230人(台)が1カ所に集まったら、いろいろな面でシッチャカメッチャカ、収集がつかなくなっても不思議ではありません。
ところがG/Sデイズでは、関東近郊のBMWモトラッドディーラーが各店ごとにお客さんをきっちり取りまとめているので、ゲレンデクルーズもコマ図ツーリングも、さらに言うならホテルのチェックイン&アウトや駐車場所の選定なども、至ってスムーズに行なえるのです。
つまり、このイベントはディーラーへの依存度が高いのですが(個人参加は不可、走行はディーラーのスタッフが先導)、だからと言って事務局が楽をしているわけではありません。
参加者がゲレンデクルーズやコマ図ツーリングに出かける際は、出発前にスマホで申請を受け付け、事務局が状況をチェックしていますし、天候や路面状況に応じて行なうコース変更も事務局の仕事です。
もちろん、絶景が満喫できて、走り応えが十二分で、技量に応じて楽しめるさまざまなコースの設定、さらに言うなら地権者団体や旅館組合、環境省などとの交渉も事務局の仕事です。普段から仕事とプライベートの両方でコース設定を担当することが多い私は「よくぞ、こんなに素晴らしい道を!!」と、心の底から感心しました。
仲間と助け合いながら、過酷な状況を楽しむ
続いてはちょっと微妙な話かもしれませんが、ゲレンデや林道を走っている最中、私は参加者が転倒する場面を何度も目撃し、自分自身がヒヤリとする場面に何度も遭遇しました。そして転倒と言ったら、一般的にはガッカリ肩を落としてどうやって帰ろうか、車格が大きいフラットツインGSの場合はどうやって起こそうか、などという暗くて憂鬱な展開になりそうなものですが……。
少なくとも私が目撃した転倒に、そんな雰囲気はありませんでした。地面に転がったライダーはあっけらかんとした表情で、すぐに仲間が手慣れた様子で車両を起こしていましたし、ほとんどの参加者(車)がプロテクター(プロテクションバー)を装着しているため、転倒のダメージは軽微で、以後の走行に支障は無かったのです。
そういった状況を幾度となく目の当たりにした私は、「GS」シリーズの世界では、仲間と助け合いながら過酷な状況を楽しむことが普通になっているんだな……と、しみじみ実感しました。
もちろん、他の車両でも同様の体験はできなくないでしょうし、オフロードバイクの世界にはそういったコミュニティがたくさん存在するのですが、初心者から上級者まで、誰もが安心して絶景とライディングが満喫できるという見方をするなら、G/Sデイズに勝るイベントはなかなか無いように思います。
もっとも、GSユーザーの中でオフロード走行を楽しんでいるライダーは、全体の10%にも満たないと言われています。とはいえ、G/Sデイズで数多くの新鮮な体験をし、大いに感心させてもらった今の私は、オフロード系イベントを抜きにして、近年の「GS」シリーズの好調なセールスは語れないのではないか……と、感じています。
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