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ホンダ新型モンキー125&スーパーカブC125インプレッション【試乗比較編:味わいは不変。さらに上質に進化】

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ホンダ新型モンキー125&スーパーカブC125インプレッション【試乗比較編:味わいは不変。さらに上質に進化】



ホンダ新型モンキー125&スーパーカブC125インプレッション【車両比較編:新規制対応モデルチェンジ】

’21年3月に発売された新型グロムに続き、同系のエンジンを搭載するモンキー125とスーパーカブC125がモデルチェンジした。平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合するため、ボア×ストロークを変更した新型エンジンを搭載しているのが最大のポイントで、モンキー125はグロムと同様にミッションを4段から5段へと増やしている。小排気量車にとって新排ガス規制の影響はどれほどのものか、じっくり試乗比較を行なった。

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ

―― 【テスター:大屋雄一】セロー最終型に乗り換えたことで小排気量空冷シングルの楽しさに目覚めたモーターサイクルジャーナリスト。スーパーカブを買い増しするにあたり、今回の試乗は有意義だったという。

モンキー125:イメージは変わらずモンキーらしさ健在

まずは変更箇所の多いモンキー125からチェックしよう。従来はタイプ設定としてABSの有無が選択できたが、新型はABSのみとなった。

ハンドクラッチ式のマニュアルミッションを採用するエンジンは、グロムと同様に4速から5速となった。各ギヤの変速比はグロムと共通で、2次減速比のみが異なるが、これはタイヤの外径の違いを補正するものだろう。

新型グロムに試乗したときにも感じたが、発進加速は力強い。1速での吹け切りがやや早くなっているようにも感じたが、小気味良くシフトアップしていけば流れの速い幹線道路でも遅れることはないし、ギヤを固定したまま巡航している際のスロットルレスポンスも申し分なし。従来のイメージがそのままだったことに少し安堵した。

―― 【’21 HONDA MONKEY 125:エンジンは新型に、走りはモンキーのまま】モンキー125は、前後8インチ&50cc時代の走りの雰囲気を抽出しながら、現代の交通事情に合うよう絶妙にアレンジされており、そのサジ加減が素晴らしいと感じた。新型はその流れを完璧に受け継いでおり、価格据え置きも立派。

さて、注目の5速化について。最高出力が9.8psから10psへと微増したグロムの方は、こまめにシフトして中高回転域を維持するというスポーティーな楽しみ方ができ、5速化は大正解だと感じた。これに対して9.4psのままのモンキーは、高回転域まで引っ張ってもグロムほどの力強さは感じられず、その手前でシフトアップしたくなるのだが、タイミングが早いと加速が弱まるので、ギヤのつながりがスムーズでないと感じることがあった。とはいえ、低中回転域では街乗りに十分なトルクがあるので、せわしなくシフト操作する必要はないのでご安心を。

ハンドリングについて、影響しそうなスペックの変更はホイールベースの10mm短縮ぐらいだ。それとアナウンスはないものの、リヤショックのスプリングがシングルレートからダブルレートになっており、その影響を受けてかシート高が1mmアップしている。とはいえ、基本的な操縦安定性のイメージは大きく変わっていない。グロムよりも軸距が55mm短く、クイックに向きを変える特性は50cc時代の雰囲気をうまく再現している。着座位置が後ろ寄りのため、常に前輪荷重が少ないように感じられるが、法定速度の上限60km/hでギャップを通過しても車体の振られはすぐに収束するし、特に問題ない。

標準装備となったフロントのみが作動する1チャンネルABSは、ドライ路面であればまず介入することはないはず。わざとレバーを強く握って作動させてみたが、ビギナーを驚かせるような挙動はなし。継続生産車は’21年10月からABSが義務化されるためモンキーも…という流れだが、エントリーユーザーが少なくない原付二種だからこそこれは素直に歓迎したい。

スーパーカブC125:4速より3速を多用。さらに上質さアップ

続いては、遠心クラッチ&4段ミッションを採用するスーパーカブC125だ。モンキー125やグロムは5速化に伴い、クラッチ機構をクランク軸からメイン軸に移すなど大胆に手が加えられたが、C125は4段のままであり各ギヤの変速比も従来型から変更なし。ストロークが伸ばされたことでクランクが新規となり、その影響を受けてか1次減速比が変わっているが、同時にリヤスプロケットを36Tから35Tにしているので、総減速比はほとんど同じといって差し支えない。

1速にシフトし、スロットルを徐々に開ける。遠心クラッチのつながりは早く、そこからスルスルとスムーズに加速する。シフト操作時の滑らかさや節度の良さは、専用のシフトドラムベアリングやシフトアームラバーなどの採用によるもので、大排気量車でもここまで質感のいいシフト操作を味わわせてくれるモデルはそうそうない。そして、モンキー125と同系の横型エンジンとは思えないほど微振動が少なく、高回転域ほどその差が顕著に。付け加えると、新型はその印象がさらに強まっており、特にスロットル全閉から開けたときのレスポンスがわずかながら優しくなっているように思う。

―― 【’21 HONDA SUPER CUB C125:ラグジュアリーさにさらに磨きをかける】ケーブル類の露出を極力抑えた外観、スマートキーの採用など、シリーズの中でも上質さで群を抜くC125。あえて5速化しなかったのは、現状のシフトフィールを崩したくなかったからでは、などと思ってしまうほどに素晴らしい。

最高出力は9.7psから9.8psへと微増しているが、その違いは分からずじまい。一方で気になったのは、従来は4速までシフトアップしたらあとはオートマ感覚で走れていたのに、新型は無意識に3速を多用していたこと。最大トルク10Nmは変わらないが、その発生回転数が5000rpmから6250rpmへと高回転側に移動していることから、その影響も考えられよう。

このスーパーカブC125、これまでABSはタイプ設定すらなかったのだが、義務化に伴いついに標準装備された。モンキー125と同様に1チャンネルだが、握りゴケを減らせるという点では大きな安心材料となろう。

なお、両車に共通する小さくないメリットとして、新型エンジンのオイルエレメント新設が挙げられる。これまでは遠心分離式のオイルフィルターとオイルポンプのすぐ近くにある金属のネットのみだったが、新型は一般的なエレメントを追加。より微細な不純物を取り除けるようになり、結果的に長寿命につながることは間違いない。

走りのイメージを変えずに厳しい排ガス規制に対応した2台。今回のモデルチェンジにホンダの執念を見た。

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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