2023年F1第5戦マイアミGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回では、フェラーリSF-23の細部の画像を紹介するとともに、マイアミでスクーデリアが直面した苦難にフォーカスする。
────────────────────────────────
F1技術解説:レッドブルRB19の圧倒的速さを可能にしたアイデア(3)強力なDRSも武器のひとつ。すべての要素が完璧に融合
フェラーリは、マイアミにアップグレードを投入し、フロアとディフューザーに形状変更を施した(下の写真参照)。しかし残念ながらSF-23には、ほとんど何の進歩も見られなかった。この週末の跳ね馬はオーバーステアに苦しみ、レース中にはタイヤがオーバーヒート。さらにに風の影響を受けて、マシンバランスを崩しやすい状態だった。
車体のボトミングを訴えていたシャルル・ルクレールは、予選Q3でクラッシュ。マックス・フェルスタッペンの2つ前7番グリッドからスタートしたにもかかわらず、レッドブルから50秒以上遅れての7位チェッカーが精一杯だった。
チームメイトのカルロス・サインツのパフォーマンスも、似たようなものだった。予選では3番手の速さを見せたものの、5位フィニッシュ。勝者フェルスタッペンに比べると、サインツはミディアムタイヤの第1スティントで平均コンマ3秒、ハードタイヤに履き替えた第2スティントでは平均コンマ8秒の遅れを取っていた。
レース後のルクレールは、「マシン挙動に一貫性がないことが最大の問題だ」と語った。
「コーナーごとに挙動変化が予測できないということではない。それどころか同じコーナーでも、1周前はひどいオーバーステアが出たかと思えば、次の周には大きなアンダーステアに手こずらされたりする。風の影響をとても受けやすいマシンであることも、一因だろうね」
「さらにレースでは、バウンシングに悩まされた。高速走行時に、フロアが何度も路面に底付きしていた。金曜や土曜には起こらなかったことだ」
そしてふたりのフェラーリドライバーは、決勝レースで、ミディアムとハードの両方のタイヤコンパウンドでグレイニング(ささくれ摩耗)に悩まされた。予測不能な車体挙動だけでも厄介なのに、さらにタイヤをどのように攻略していけばいいのか。マラネロのエンジニアたちは、完全に途方に暮れていた。
「レースごとに違うタイヤを履くわけだけど、新しいコンパウンドで何が起きるか、実際に走り出すまで分からない状況なんだ。はたしてマシンがちゃんとした挙動を示すのか、タイヤは作動温度域にすぐに入ってくれるのか、手探り状態が続いている」と、ルクレールは言う。
「そんなコンディションでは、マシンを信頼して攻めた走りをしたり、自分のドライビングを適応させることは非常に難しい。今季ここまで、予選では比較的うまくいっているのに、なぜ決勝ではこれほどまでにひどい結果になるのか、それも分かっていないんだ」
(その2に続く)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント