マリーナベイ市街地サーキットで開催されているF1第18戦シンガポールGP。フリー走行2回目ではマクラーレンのランド・ノリスが最速タイムをマークした。RBの角田裕毅は4番手だった。
マリーナベイに夜の帳が下り、無数のLEDライトに照らされたコースが闇夜に浮かび上がった。この前に行なわれたフリー走行1回目からコンディションは大きく変化しておらず、気温30度、路面温度は33度、湿度は74%と、赤道直下のシンガポールは相変わらずの蒸し暑さだ。
1時間のセッションが開始されると各車が続々とコースイン。FP2は予選や決勝と同様の時間帯で行なわれるため、マシンセットアップを煮詰めていく上で非常に重要なセッションだ。
序盤はミディアムタイヤやハードタイヤを履くのが主流。ここでは実走行時の気流を見るフロービズを利用したマシンの空力チェックを実施するチームもいた。
FP2でも路面の改善幅は大きいようで、走行を重ねるごとに各車ともタイムを更新。硬いハードタイヤでミディアムタイヤ勢を上回るドライバーもいた。
1セット目のタイヤで各車とも7~8周程度周回。その中でFP1に続きフェラーリのシャルル・ルクレールがミディアムタイヤで暫定トップ。ハードタイヤ勢での最速は角田だった。
一方、レッドブルのマックス・フェルスタッペンはフロントとリヤ双方でグリップを感じられないと無線でチームに伝えた。またハミルトンは直角コーナーでのトラクションで苦戦しているようだった。
またF1キャリア3戦目となるウイリアムズのフランコ・コラピントは、ひとつ手前のアルピーヌのピットボックスに止まってしまうという、新人らしいミスを犯した。
セッションが20分を経過すると、ウイリアムズ勢からソフトタイヤを投入。他チームもこれに続き、予選想定プログラムが開始された。
各車がアタックを行ない、タイムシートも目まぐるしく変わっていく中で、マクラーレンのランド・ノリスは1分30秒727をマークしトップへ。ルクレールが2番手で続いた。この2台が1分30秒台と集団から抜けた格好となった。
なおRBは角田が4番手とダニエル・リカルドが6番手と共に上位につけ、苦戦気味の親チーム、レッドブル勢を上回った。
セッション後半は決勝レースに向けたロングランが主なプログラムに。ノリスやフェルスタッペンはまずユーズドのソフトタイヤで走り始めたが、ウォールに接触。一度ピットで確認した後、再び走り出した。
各車とも精力的にロングランを実施する中で、メルセデスのジョージ・ラッセルはセッション最終盤にターン8で曲がりきれずフロントからクラッシュ。自走でピットに戻ることができたものの、マシンから脱落したフロントウイングがターン8に残ってしまったことから、イエローフラッグが振られる中FP2が終了した。
最終的に、ノリスがFP1含め初日最速。ルクレールが0.087秒差の2番手で肉薄した。ロングランではノリスがソフトタイヤ、ルクレールがミディアムタイヤ履いて1分37秒台前半で安定して周回しており、このふたりによる優勝争いを予感させた。
3番手サインツJr.は1発のタイム、ロングランペースでもトップ2からは一歩遅れる形に。4番手角田はハードタイヤでロングランを実施し、1分38秒台中盤で安定したペースを刻んだ。中団勢で好調RBの脅威となるのは、やはりウイリアムズだろうか?
メルセデス勢は最後クラッシュのあったラッセルが7番手、ルイス・ハミルトンが11番手。レッドブルはペレスが8番手、フェルスタッペンが15番手と、この2チームは上位集団の中で初日後れを取った印象だ。ただ、ロングランではフェルスタッペンとラッセルがミディアムタイヤで1分37秒台のペースで周回するなど、レースに向けて明るい兆しはあると言える。
ただ前述の通り、FP3以降も路面は改善傾向にあると考えられ、FP2での結果がそのまま予選・決勝に反映されるとは限らない。各車の燃料搭載量も未知数であるため、2日目以降に勢力図が変化する可能性もゼロではない。
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