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伝説の名車「ジュニア」が復活!アルファロメオの魂を宿した新型コンパクトSUVの走りに痺れる

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伝説の名車「ジュニア」が復活!アルファロメオの魂を宿した新型コンパクトSUVの走りに痺れる

1965年に登場した、アルファロメオのジュリア・スプリント1300の後継車となったのがアルファロメオGT1300ジュニアだった。日本でも当時の運転好きの若者からイタリア車愛好家に愛されていたコンパクトなイタリアンスポーツモデルである。

そんなアルファロメオのコンパクトモデル、ジュニアが、コンパクトSUVとなって復活。115年の歴史あるアルファロメオが1910年に創業した同じ月、日となる2025年”6月24日”にこの日本でも発表されたのだ。

今週、話題になったクルマのニュース(2024.7.13)

マイルドハイブリッドの「イブリダ」とBEV(電気自動車)の「エレットリカ」をラインナップ

クルマの電動化時代に合わせ、マイルドハイブリッドの「イブリダ」とBEV(電気自動車)の「エレットリカ」をラインナップ。プラットフォームはフィアット600eなどと共通する、ステランティスグループの電動車用プラットフォームe-CMPを採用している。

エクステリアデザインはトリノを拠点とするアルファロメオのデザインセンターが手掛けた、伝統と革新が息づいたイタリアンデザインそのもの。特徴的なのは三眼ヘッドライト、トライローブ(三つ葉)デザインのフロントグリル、1960年代にアルファロメオか採用したコーダトロンガ(リアエンドを断ち切ったデザイン)など、アルファロメオの伝統的なデザインがちりばめられていることで、アルファロメオの伝統と革新を見事に表している。なお、イブリダとエレットリカのプレミアムグレードは、さらなるスタイリッシュさを演出するブラックルーフの2トーンカラーとなる。

インテリアはなるほど、アルファロメオらしい情熱的な空間だ。ドライバーオリエンテッドなコクピットには、レーシングカーを思わせる奥まったテレスコープデザインのメーター、10.25インチのタッチスクリーンが備わり、また、エアコン吹き出し口は好みの色に設定できるLED照明が備わるセクシーなあしらい(ドライブモードと連動して色が変わる!!)となっている。

シートはもちろん、熱いドライビングを可能にするスポーツシートだ。そのスポーツシートは、試乗車のイブリダ プレミアムの場合、ファブリック×テクノレザー表皮となり、6ウェイパワー、マッサージ機能まで備わっている。センターに赤いストライプが入るあたりにもアルファロメオの情熱が伝わってくるではないか。

室内空間に関しては、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で前席頭上に200mm、後席頭上に150mm、膝周りに130mmのスペースがある。つまり、全長4195×全幅1780×全高1585mm、ホイールベース2560mmのコンパクトSUVだけに、前席優先のパッケージであると表現していいだろう。とはいえ、筆者がUSB-Cコンセントを備える後席に着座すれば、後席座面がフロアから高めにセットされ(ヒール段差360mm)、前席下につま先が入るため、窮屈さはあまり感じなかったのも本当だ(後席エアコン吹き出し口は未装備)。

ラゲッジルームは実測で開口部地上高760mm。フロア奥行き680~715(中央部分)mm、幅990mmと、カップズカーとしては十分なスペースが確保されていた(400~415L)。

前輪駆動となる、420万円~538万円の3グレードを用意するマイルドハイブリッドのイブリダのパワーユニットは3気筒1.2Lターボエンジン、145ps、230Nmと総出力21Kwのモーターで構成(エンジンルームにアルファロメオ刻印がないのが寂しい・・・ )。ミッションは新開発のデュアルクラッチトランスミッションの6速eDTCを組み合わせる。DNAドライブモードによっては普段使い用のNatural、スポーティな走りを実現するDynamic、そして電動車としての効率を重視するAdvanced Efficiency(エコモードに相当)が選択できる。

現時点で、アルファロメオ・ジュニアの世界販売台数で15%を占めるのが、556万円のBEV(電気自動車)のエレットリカ。こちらも前輪駆動で54kWのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力156ps、最大トルク270Nmを発揮。一充電航続距離は494km(WLTP)を謳っている。充電はCHAdeMO方式で、普通充電、急速充電に対応する。

そんなアルファロメオ最小サイズのジュニアに都内でチョイ乗り試乗できたのは、マイルドハイブリッドモデルのイブリダ、標準の17インチタイヤから18インチタイヤに格上げされるプレミアムグレードだった。

想像以上にパワフルで刺激的な走り

スタートボタンを押すと、発着地が地下駐車場ということもあって、スポーツ心を高揚させるエキゾーストノートを響かせる。スイッチ式ギヤセレクターをDレンジにセットして走り出せば、18インチタイヤによる剛性感に満ちた硬質さがあり、しかしフラットで心地よいドイツ車ともフランス車とも異なるゴキゲンな乗り心地を示す。路面の段差やマンホール越えでもサスペンションが見事にいなし、ビシリと1発で収束させるため、段差越えがむしろ気持ちいいと感じてしまうほどだった。

エンジンフィールについては3気筒感など皆無で、想像以上に重厚でパワフルかつ刺激性のある加速力を披露してくれた。6速デュアルクラッチトランスミッションは低速域でギクシャクするシーンも見受けられたが、これは7速DSG搭載車2台にここ11年乗っている筆者の経験では、学習し、距離を重ねていけば、ギクシャク感は改善されていくはずである。

ドライブモードも試した。ノーマルでも十二分に速く、ダイナミックモードにセットすればアクセルレスポンスが高まり、よりスポーツ心を刺激する走りを楽しませてくれるものの、レスポンスが自然で、例え都内でも走りにくさは皆無である。つまり、日常的に使える”スポーツモード”ということになる。

今回は山道を走る機会には恵まれなかったが、都内や首都高速の走行シーンでもステアリングフィールはリニアでキビキビしていて応答性に優れ、カーブでの安定感、姿勢変化の少なさも文句なし。まさに地を這うようなフットワークテイストを発揮。フィアット600 Hybridと多くの部分を共用してはいるものの、そのスポーツフィール溢れるドライビング感覚は、さすがアルファロメオならではの調律であり、SUVに乗っていることなど忘れさせてくれるほどファンだったのである。

今回は、大注目のアルファロメオ・ジュニアのマイルドハイブリッドモデル、イブリダにのみに試乗できたわけだが、BEV(電気自動車)のエレットリカは、床下にバッテリーが敷き詰められることから、重心はさらに低まり、瞬時に発揮されるモータ―パワー、トルクの強力さもあって、一段とスポーティな走りを味わせてくれると予想できる。そのアルファロメオのフル電動車の仕上がりにも大いに期待したいところだ。ちなみにマイルドハイブリッドとBEVモデルの価格差は、プレミアムグレード比較で70万円となるが、BEVのエレットリカは国からのCEV補助金69万円(東京都ならさらに45万円)が交付され(条件あり)、マイルドハイブリッドモデルのイブリダとは購入費用がほぼ同額、または逆転(購入地域による)する可能性もある。エレットリカの公道試乗記は改めてお伝えしたい。

文/青山尚暉
写真/アルファロメオ 青山尚暉

文:@DIME
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