一般道を走っていると、相変わらずヘッドライトが黄色く濁ったクルマや、樹脂バンパーが白くなったクルマを見かけます。これは復活できるのでしょうか? なぜライトは黄色、白色に濁るのでしょうか? 防げないのでしょうか?
また樹脂バンパーはなぜ白くなるのでしょうか? これも白くならないようにする方法はないのでしょうか?
義務だけど罰則はなし? 厳しい車検があっても法定12カ月点検は必要なのか
そこでモータージャーナリストの高根英幸氏が黄色く(白く)濁ったヘッドライトと白くなった樹脂バンパーを元の状態にするべく、実際に購入して愛車を使ってTRYしてみました!
文/高根英幸
写真/高根英幸、Adobe Stock(smuay@Adobe Stock)
[gallink]
■なぜヘッドライトが黄ばんだり、濁ったりするのか?
青空駐車場に停めている場合、5年も放っておけばヘッドライトが濁ってくることも多い(Amnatdpp@Adobe Stock)
平均車齢が長くなったこともあって、街を走るクルマのヘッドライトが黄ばんでいたり、曇っていることが珍しくなくなった。これは光量や光軸にも影響を与えるので、車検の際にも問題となる。それにクルマが古ぼけて見える大きな原因だ。
このヘッドライトが黄ばんでいるのは、レンズに使われている樹脂が紫外線(UV)によって劣化したから。実はヘッドライトだけでなく、あらゆる樹脂に黄変は起こる。ヘッドライトは透明だから黄変が目立つのだ。
また同様にヘッドライトの曇りは表面のコーティングの劣化や樹脂の劣化による細かいクラックによるもの。どちらにせよ樹脂の劣化が、こうしたヘッドライトレンズに問題を生じさせている。
樹脂製のヘッドライトレンズは、軽量化だけでなく衝突時の安全性や飛散して他車のタイヤを傷めるという二次被害も抑えられるなど、メリットは様々だから他に選択肢はない。
対策としては、とにかく紫外線を浴びることが劣化の原因だから直射日光を避けることが最も効果的だ。しかし屋根付き車庫でも、紫外線対策には限度がある(走行中や出先での駐車などは日光を浴びるため)。
地域や駐車場の状態などによって大きく差はあるが、早いモノでは5年落ちのクルマでもヘッドライトレンズが明らかに黄ばんでいる個体がある。
青空駐車であってもクルマを止める向きを変えるだけでも、ヘッドライトの黄変対策にはなる。日なたでも直射日光をまともに浴びてしまうのと、リア側から光が当たっているのでは、紫外線による影響は大分変わってくる。
リアのコンビネーションランプも紫外線によって劣化するが、透明なレンズではい場合は、黄変による変色はそれほど目立たないから、優先すべきはヘッドライトレンズのほうだろう。
■実際にヘッドライトのケミカルを使って試してみる
今回試したヘッドライトクリーナー2種。左からシュアラスター・ゼロリバイブ、Dがれーじヘッドライトクリーナー一撃!!
カー用品店でもかなり豊富な品揃えとなっているが、インターネット通販の大手サイトでは、数え切れないほどの商品が揃えられている。使い方や機能、価格なども様々で、選ぶのに苦労するほどだ。今回は有名ブランドの商品と、ユニークな商品の2種類を試してみることにした。
有名ブランド品とは、洗車用品では実績のあるシュアラスターの製品だ。シュアラスターはそもそも高級カーワックスのブランドとして日本に上陸し、その後洗車用品やカー用品までラインナップを拡大している。
今回のヘッドライトクリーナー「ゼロリバイブ」は、カーワックスで培った技術が利用されているから、効果が高いと予測出来た。さらに1液でヘッドライトの黄ばみと曇りを除去して、さらにはUVカットのコーティングまで施してくれるという機能性の高さに惹かれ、選択した。
シュアラスター・ゼロリバイブはヘッドライトクリーナー単品900円、ヘッドライトクリーナー+ウォッシングスポンジ1280円~
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使い方はまずヘッドライトレンズをカーシャンプーなどで洗浄して、必要に応じてボディをマスキングして保護する。そしてボトルをよく振ってから液剤を付属のクロスに取り、ヘッドライトレンズを磨き込んでいく。クロスが茶色く汚れていくことでヘッドライトの黄ばみが取れていくのが実感できる。
しかしコーティングも兼ねる液剤では研磨材は非常に微粒子となっているから、黄ばみをある程度までは落とせても、レンズの曇りまでは一度では落とし切れない。磨き込んでから乾拭きして拭き取り、また液剤をクロスにとって塗り込み磨き込んで拭き取る。
この作業を3回ほど繰り返したら、だいぶ透明感が取り戻せた。しかし、黄ばみは完全に取り除けたわけではなく、若干残っている印象だ。
このUVカットのコーティングは、通常はUVをカットする機能か、UVを吸収することでレンズにUVが到達するのを抑える機能をもつものだが、シュアラスターのゼロリバイブは、UVカットとUV吸収に加え、太陽光による熱を放出することでも劣化を防ぐトリプルコーティングだというから、今後の黄ばみ防止に期待できる。
水洗いしただけの状態。曇りは少ないが、黄ばみが気になる
乳液状の液剤を付属のマイクロファイバークロスに取って、レンズに塗り込み磨いていく。すぐにクロスが茶色く汚れた。表面を削り取るだけでなく、黄ばみ自体を吸着して落とす効果もあるようだ
3度ほど作業を繰り返して、かなりキレイになったヘッドライトレンズ。このまま24時間は乾燥させることでコーティングが完了する
■スプレーするだけで簡単に黄ばみを落とせるケミカルも!
Dがれーじのヘッドライトクリーナー一撃!! 価格は1500円
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続いてもう一つの商品、Dがれーじのヘッドライトクリーナー一撃!! を試してみる。こちらも洗車後に使用するものだが、ユニークなのはヘッドライトレンズに直接スプレーするだけで、こすらずに黄ばみを落としてくれるというのだ。
実際に使ってみると、黄ばんだレンズにスプレーするだけで次の瞬間、まるでタバコのヤニが付着していたのかのように茶色い液体となって流れ落ちる。表面が汚れている訳ではないのに、こんなに簡単に黄ばみが落ちるのは、ちょっと驚きだ。
スプレーした直後に薬剤が茶色くなって流れ落ちる。拭き取ったペーパータオルはこの状態。こんなに簡単に黄ばみが落ちるとは、驚きだ
水洗いの後にカーシャンプーで洗った状態。黄ばみは取れたが、曇りが気になる
ペーパータオルやマイクロファイバータオルで拭き取り後、水洗いしてカーシャンプーなどの中性洗剤で洗うことで、液剤を完全に落とすのだが、このクリーナーは黄ばみを落とすだけで曇りなど他の劣化を除去する効果はない。
そのため黄ばみが取れると白く曇った状態になるので、そこからコンパウンドなどの研磨剤で磨いて曇りを削り落とす必要がある。
取り扱い説明書には、洗車後に液剤をスプレーする前にレンズをコンパウンドで磨くと、より仕上がりがキレイになると書かれている。コンパウンドで表面の黄ばみと劣化を先に取り除いた方が、より深くまで液剤が浸透して黄ばみを取れるのだろう。
しかしスプレー後に曇りを除去するためにコンパウンドで磨くのであれば、先に磨いておくのは二度手間のように思う人も多いだろう。それに1度で完全に黄ばみを除去できる訳ではないので、スプレーして洗浄後に磨き込み、再びスプレーすることを繰り返した方が合理的だ。
また黄ばみを除去した後は、表面をUVから保護してやらなければ、また劣化が進んでしまう。今回は丁度、シュアラスター・リバイブも購入したので、黄ばみを除去した後のレンズ磨き用のコンパウンド兼表面保護剤として、利用してみることにした。
結果としてこの合わせ技が、かなり効率良くヘッドライトレンズをキレイにすることが分かった。
同じ車種だが別のクルマで、ケミカル2種類の合わせ技を試してみることにした。これは洗車後の状態で、やはり黄ばみや曇りが気になる
ヘッドライトクリーナー一撃!!をスプレーして黄ばみを溶かして落とす
かなり黄ばみは取れたが、曇りが気になる状態だ
シュアラスター・ゼロリバイブで磨いた。黄ばみもさらに若干取れて(クロスが汚れたので分かる)、曇りもかなり解消された
ゼロリバイブを拭き上げた状態。かなりヘッドライトレンズは透明感を取り戻した印象だ
■黒樹脂の表面劣化も原因はほとんど同じ
今回、黒樹脂のメンテナンスに選んだケミカル2種。左からはソフト99の未塗装樹脂フレッシュ ブラックパーツワン、カーメイトの黒樹脂復活
一方、ヘッドライトの黄ばみや曇りと並んで、クルマを古ぼけて見せるのが、黒い樹脂パーツの表面が白くなってしまう劣化だ。
こちらも紫外線やオゾン、酸性雨などが原因で表面の樹脂が劣化している状態。新品時にはキレイな素地仕上げの樹脂も、滑らかな表面がザラザラになったことにより、白化して古ぼけた印象になってしまう。
昔はカーワックスなどが付着して白くなってしまったケースも多かったが、最近はコーティングが主流のため減ったようだ。しかし紫外線による劣化は未だに避けられない。新車時の黒々とした印象を保つには、通常の洗車だけでなく、定期的なメンテナンスが欠かせないのである。
SOFT99 未塗装樹脂リフレッシュブラックパーツワン。価格は1027円。専用シート4枚、専用スポンジ4個付属、リキッドバインダー:40ml、ハードクリアコート8mlのセット
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今回、この黒樹脂の劣化を復活させるケミカルも2種類を試してみることにした。1つ目はソフト99の未塗装樹脂フレッシュ ブラックパーツワンである。これは2液性で、洗車後にリキッドバインダーという下地剤で汚れなどを落とし、ハードクリアコートを塗って5分ほど乾燥後に乾拭きする。
黒々と光沢のある仕上がりを得られるが、その反面光沢が出るためにムラになりやすいので、少々コツがいるようだ。
左半分がソフト99の未塗装樹脂フレッシュ ブラックパーツワンで仕上げた状態で、右半分が未処理状態。光沢感もあって、キレイになった。ムラになりやすいので、各パーツ毎に処理する方が良さそうだ
白くなってしまった樹脂パーツ(未塗装)の色とツヤが復活。黒樹脂復活 超耐久 シラン系コーティングで6か月以上の耐久性能ハイブリッド処方で 黒樹脂復活とコーティング
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そして2つ目はカーメイトの黒樹脂復活。こちらは1液性で、洗車後に樹脂部分を乾燥させて、付属のスポンジに液剤を含ませて、黒樹脂部分に均等に塗り込んでいく。その後、付属のクロスで拭き上げるのだが、こちらの方が艶は控えめで、落ち着いた印象だ。
どちらも表面保護の薬剤は8mlと少ないので、黒樹脂仕上げの面積が大きいクルマの場合は足りなくなることもありそうだ。また両製品とも効果は6ヵ月と謳われていたので、効果が切れる前に再度表面処理することで、黒々とした状態を保つだけでなく、劣化を防ぐことができることになる。
洗車後に黒樹脂復活を塗り込んだ状態。ブラックパーツワンより光沢感は少ないが、その分落ち着いた印象だ。数日後でも印象は変わらなかった
■数日経過してみると、ヘッドライトレンズの印象が変化
ところで、ヘッドライトレンズの黄ばみを除去して磨いた直後は、かなりキレイになった印象だったが、それから数日すると再びレンズの曇りが気になるようになってしまった。
どうやらコンパウンドの油分が揮発してしまったことで、カバーされていたクラックや曇りが見えるようになってしまったらしい。つまり、以前の作業ではヘッドライトレンズの劣化部分は完全には除去できていなかった訳だ。
シュアラスター・ゼロリバイブで磨いてキレイになったと思ったら、数日後にはこの状態。表面のクリア塗装が劣化しているのが目立つ。この数日で豪雨のなかを走行したことも影響しているのだろうが、完全に乾燥した状態では研磨が足りないことが分かった
これを解決させるには、再びレンズ表面を研磨して完全に劣化部分を取り除くか、表面にクリア塗装を施すしかない。鈑金塗装業者も、このライトレンズの研磨塗装を請負っているから、利用するのも手だ。
ただし、レンズ内に細かいクラックが入っている状態なら、これを取り除くことは難しい。それでも黄ばみや曇りを取り除けただけでも、フロントマスクの印象は大きく変わり、洗練された印象になることは間違いない。
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ドアロックしたらライトにスクリーンがかかるとか、工夫できないものだろうか。