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「日産キャラバン」改良を重ねるキャブオーバー商用バンのロングセラー

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「日産キャラバン」改良を重ねるキャブオーバー商用バンのロングセラー

日産キャラバンとトヨタハイエースといえば、エンジンを運転席下に搭載した、同じキャブオーバータイプの1BOX車で、両車とも乗用モデルのワゴンとビジネス用のバンを設定するなどガチンコのライバルです。しかし、新車の販売台数はハイエースが大きくリードしています。今回の徹底レビューでは、2021年10月のガソリン車に続いて、2022年2月にディーゼル車のマイナーチェンジを行い、車名もNV350が外れたキャラバンの魅力を検証してみたいと思います。

2012年のデビュー時から多彩なボディバリエーションを展開

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現行モデルの日産キャラバンは2012年6月にNV350キャラバンとして登場しました。ボディバリエーションは全長4,695mmのロング、5,080mm(標準)、5,230mm(ワイド)のスーパーロングの3種類。全幅は標準幅が1,695mm、ワイド幅が1,880mmの2種類。そして全高は標準ルーフの1,990mm、ハイルーフの2,285mmの2種類が用意されました。

4ナンバー車となるのはロングボディ×標準幅×標準ルーフというボディ形状。そして1ナンバーとなるのはスーパーロングボディ×標準幅×ハイルーフと、スーパーロングボディ×ワイド幅×ハイルーフのボディ形状で、合計3タイプのボディが設定されました。駆動方式は2WDと4WDを用意しています。

商用モデルで重要なフロアの形状は床面地上高625mmの低床と770mmの平床の2種類。乗車定員は2人、3人、5人、6人、9人の5タイプ。ドア枚数は4ドアと5ドアです。

2016年の一部改良で安全性能が進化

2012年6月のデビュー当初、搭載されていたエンジンは、2L&2.5Lの直列4気筒ガソリンエンジンと2.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの3種類。組み合わされるトランスミッションは5速ATでした。

2012年12月にワイドボディを追加し、2016年1月の一部改良では4ナンバーバンクラスで初めてエマージェンシーブレーキを採用したグレードを追加。同年11月の一部改良では、主要グレードに「エマージェンシーブレーキ」および「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」を標準装備するなど進化を遂げて利便性や安全性を向上させています。

2017年のマイナーチェンジで大幅にデザインや安全装備をアップデート

そして、2017年7月にNV350キャラバンは初のマイナーチェンジを行いました。外観では、日産デザインを象徴する「Vモーショングリル」をよりダイナミックに強調し、力強さを表現。さらに、ヘッドランプ(ハイ/ロービーム、オートレベライザー付)、リアコンビネーションランプにLEDを採用することで精悍な印象とし、視認性も向上させています。さらに利便性の向上として、住宅街や深夜・早朝などで大きな音を立てずに全閉できる「バックドアオートクロージャー」や視認性に優れた液晶モニターと大きなスイッチにより操作性を向上させた「オートエアコン+リアクーラー」を設定。

バンの2WD車の一部のバリエーションのみに標準設定していた「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)[TCS機能含む]」、「ヒルスタートアシスト」をバン全車に拡大しています。また、4ナンバーバンクラスで初めて「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」を設定しました。

2017年11月にはバンに2.5Lガソリン車の4WD車を追加し、2020年の9月の一部改良ではマルチベッド仕様を新設定しています。

2度目のマイナーチェンジで再び内外装を刷新、ATや安全装備は乗用車並みに

そして2021年10月にまずガソリン車が2度目のマイナーチェンジを実施。外観はフロントグリルとフロントバンパーを刷新し、よりダイナミックで力強く、存在感のあるデザインとしました。一方インテリアは黒を基調に、落ち着いた雰囲気を演出。メーターは、先進的で視認性、操作性を大幅に向上した新型ファインビジョンメーターを採用。ステアリングは、新形状のD型のステアリングを採用し、シートトリムは生地を刷新するなど、質感も大幅に向上させました。

2L&2.5Lガソリンエンジンに組み合わされるトランスミッションは、従来の5速ATから多段化された7速ATへ変更されました。多段化によって、動力性能と燃費性能の両立を実現するとともに高速走行時の静粛性向上に寄与し、追加されたマニュアルシフトモードは意のままのドライビングを実現しています。また、運転の疲労を軽減する「スパイナルサポート機能付きシート」を全車標準装備し、快適性を向上させています。

運転支援機能では、天候や周囲の明るさに左右されにくいミリ波レーダーとカメラのフュージョン方式を採用した「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を全車に標準装備。自動車だけでなく、歩行者の検知も可能となりました。またこのタイミングで車名がNV350キャラバンからキャラバンへと変更されました。

2022年2月にディーゼル車のマイナーチェンジを実施。排気処理に尿素SCRシステムを採用し、最高出力132ps、最大トルク370Nmを発生する新型2.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンへと変更しています。同時にトランスミッションは7速ATへと換装したことで、燃費性能はJC08モードで13.9km/Lと従来モデルより12%向上しています。加えて、今回のマイナーチェンジで専用の内外装の仕様を施した最上級グレード「GRANDプレミアムGX」を新設定しました。その一方でガソリン、ディーゼルのMT車、そしてディーゼル車のワイドボディが廃止されました。

ハイエースとの差は大きくない

そのキャラバンの魅力といえば、まず荷室の室内長が、4ナンバー小型商用車でクラストップの3,050mmを実現していること。さらに、広くなった荷室空間を乗員と積載物とで最大限活用できるよう、長尺物を収納しても、後席に1人座ることが可能な5:5分割可倒式シートを採用していることが挙げられます。そして、キャラバンは全長5,230mmのスーパーロングボディでも全幅1,695mmの標準ボディを設定していることも見逃せないポイントでしょう。

運転シートに中立姿勢を維持し長時間のドライブでの疲労を軽減する「スパイナルサポート機能付きシート」を全車標準装備したことや、今回のマイナーチェンジでディーゼルエンジンはアドブルー対応となったことで環境性能も向上したことなど、新車販売台数ほどハイエースとキャラバンに実力差はないと言えます。

※記事の内容は2022年5月時点の情報で制作しています。

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みんなのコメント

4件
  • この手の商用車は頻繁にモデルチェンジするものではないが、「フル」モデルチェンジする余裕がないから、ちょこちょこ手直しして延命を図っているとも言える。
  • 長く売ってるからロングセラー、たくさん売れればベストセラー。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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