「イタリアらしさ」追求した上級モデル
イタリアの自動車メーカーであるランチアは2月14日、新型EVのイプシロン(Ypsilon)の詳細を発表した。コンセプトカーのような大胆な外観、新しい車載OS、最長403kmの航続距離を持つBセグメント・ハッチバックである。
【画像】イプシロンが「イタリアらしさ」あふれる上級EVとして復活【新型ランチア・イプシロンを写真で見る】 全15枚
ランチア初の市販EVであり、まずは「イタリア家具の世界からインスパイアされた」という特別仕様車「カッシーナ」が1906台限定で販売される。この台数は同社の創業年にちなんだもので、その後は標準仕様の量産に入ると見られる。
従来車と大きく異なるデザインは、昨年公開されたコンセプトカー、プーラHPEをベースとしている。
「ボディワークは、アウレリアとフラミニアが持つソフトでエレガントな官能的なフォルムと、名高いストラトスやデルタに象徴されるモータースポーツの歴史、そして建築、家具、ファッションにインスパイアされた現代的なラディカリズムの表現が組み合わされている」とランチアは述べている。
全体的なプロファイルは兄弟ブランドのプジョーe-208にも似ているが、Y字型のダイヤモンドカット・アルミホイール、コンセプトカーと同様のデイタイム・ランニング・ライト、多角形のLEDヘッドライト、Cピラーに取り付けられたエンブレムが特徴的だ。
新世代パワートレイン搭載
リアエンドには、1970年代のラリーカー、ストラトスから影響を受けたという円形テールライトが採用され、中央に「LANCIA」の文字が並ぶ。いずれもリアガラスから突き出るような形状で、存在感を強調している。
ボディサイズは全長約4080mm、全幅約1760mm、全高約1440mmで、車両重量は1584kg。
最高出力156ps(115kW)のモーターと51kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は403kmとされる。急速充電により24分で20~80%の充電が可能で、電費は100kmあたり14.3~14.6kWh。0-100km/h加速は8.2秒、最高速度は150km/hとなる。
インテリアとしては、カネロニ(パスタの一種)をモチーフにしたベルベットシート、ダッシュボードから突き出た半円形テーブル、フラットボトムのステアリングホイールを特徴とする。
標準装備の2つのスクリーンには親会社ステランティスの新しいインフォテイメント・システム「Sala」が搭載され、ウィジェット表示のカスタマイズや音声制御機能も備わる。
ランチアは「欧州への回帰」を掲げ、2024年上半期からスペイン、ベルギー、フランスをはじめとする欧州諸国で新型イプシロンの販売を開始する予定だ。これらの国々は、「イタリア製品への愛と情熱」を基準に選ばれたという。
新型イプシロンの価格は未定だが、プジョーやオペルの兄弟車よりも高く設定される見込みである。
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