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「1.3Lターボエンジン換装の完全合法モンスターコペン!」軽自動車の枠を飛び出した痛快コンパクトの誕生

掲載 更新 107
「1.3Lターボエンジン換装の完全合法モンスターコペン!」軽自動車の枠を飛び出した痛快コンパクトの誕生

前例の少なさは作業の難しさから!? 製作はまさに困難の連続!

トルクフルな140psを発揮する超快速仕様!

「純正フェンダーで11Jのワイドホイールを飲み込む!」若きオーナーの情熱がほとばしるGVBインプレッサ改

ここで紹介するのは、埼玉県の実力派チューニングショップ“ブラックライン”で製作された初代コペン。元々搭載されていた660ccターボエンジン(JB-DET)を降ろし、YRV用の1300ccターボエンジンを換装した仰天ストリートチューンドで、公認により白ナンバーを取得したものだ。

当初は、ストーリアX4のエンジンパーツ(JC-DET・713cc)などを使って排気量アップするつもりだったが、調べてみると各種必要パーツはすでに廃盤。輸出仕様の1300cc(K3-VE)換装も考えたが、こちらはNA…。そこで白羽の矢を立てたのが、YRVのターボエンジン、K3-VETだったというわけだ。

とはいえ、YRVにFF・マニュアルミッションという設定はない。流用できそうなミッションを画策したが確証を得られず、最終的にYRVのベルハウジングとコペンのミッションを組み合わせて製作するという、大手術を敢行することになった。室内のシフトゲートを見ると自然だが、その裏にはとてつもないチューナーの苦労と努力が隠されているというわけだ。

“ノーマル風”に拘り、あえて飾り気を排除しながら組み立てたというエンジンルーム。マニュアルミッション化以外にも、タービンレイアウト、ラジエターの移動、大型インタークーラーの配置、パイピング製作など…全てが想定を超える難度だったという。「マニュアル化してターボエンジンを換装した事例が少ない理由が、作ってみてよく分かった(笑)」とはブラックライン鈴木代表。

タービンは1300ccのK3-VETの純正。チューナーとしてはもう少し大きなタイプを装着したかったが、予算の都合もあり、とりあえず変更なし。マフラーも660cc時代のままで、高回転域は完全にキャパ不足のフン詰まり状態のため、将来的にはリメイクを予定している。

現状の出力は140ps/18kgm。エンジン換装によってトルクが倍増することを想定し、ファイナルギヤは純正流用で5.9から4.9とロング化したが、まだこれでもトルクがありすぎる感じだというから恐れ入る。

インタークーラーはR32GT-Rなどにも使われる600mm幅の2層タイプを、上部4段ほどカットしてコペンの開口部いっぱいにセット。性能を追求したというより、見た目を重視してのセットアップだ。ラジエターは前方にオフセット、その前にエアコンコンデンサーとオイルクーラーコアが重ねられる。

エンジンマネージメントは、HKSのF-CON Vプロで行っている。660cc時代から使い続けているモデルのため、最新バージョンではない。ちなみに制御はほぼフルコン状態だが、YRVのECUもタコメーター駆動のためだけに残されている。

タイヤはポテンザのアドレナリンRE003(165/50R15)、ホイールはレイズのボルクレーシングTE37ソニックをセットする。


室内で注目したいのが、ブラックラインの人気アイテム“カスタムメーターホルダー”。人気アイテムと言っても車両ごとにワンオフで製作されるもので、コペンの場合はルーフ側を加工してマウントを設置する作業が必要となるため、予算は約5万円(メーター別)とのこと。


「GT-Rでも、軽自動車でもチューニングをする楽しさは同じ。作り手としては情報が少ない分、苦労が多いですが、お客さんの熱意に応えることができて嬉しい部分もありますね。ちなみに、こういったチューニングを施す場合、インターネットの情報を鵜呑みにすると落とし穴にハマることがありますので、情報集めには十分注意して下さいね。作業はショップに任せられても、予算が大きく変わってしまうことにもなりかねませんから」とブラックラインの鈴木代表は話す。

現状、オーナーの予算の都合もあり排気パートが660cc時代のままなので、それを見直した上でブースト圧を高めるべくサージタンク&インマニをワンオフしたいとのこと。公認白ナンバーを取得した1.3Lターボの快速コペン。完全体になるためには、もう少しステップを重ねていくことになりそうだ。

●問い合わせ:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667

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