現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 都市型SUV普及もなぜメーカーは4WDに注力? 「お守り」的効果をユーザーが望む訳とは

ここから本文です

都市型SUV普及もなぜメーカーは4WDに注力? 「お守り」的効果をユーザーが望む訳とは

掲載 更新 2
都市型SUV普及もなぜメーカーは4WDに注力? 「お守り」的効果をユーザーが望む訳とは

■変化するSUVニーズ。 オンロードメインから4WD性能も重視?

 最近ではオンロード性能(乗り心地)を重視したSUVが主流となっていますが、一方で悪路走破性を意識した4WDシステムを採用するモデルも増えています。
 
 なぜ、都市型のオンロード重視に加えて悪路走破性の4WDに力を入れているのでしょうか。

5ドアのスズキ新型「ジムニーロング」ついに発売へ!?

 かつての「SUVブーム」は、約30年前の1980年代から1990年代にあった「四駆ブーム」が原点にあり、トヨタ「ランドクルーザー」、日産「サファリ」や三菱「パジェロ」などのオフロードを得意とするクロスカントリー車が中心的となっていました。

 しかし、クロスカントリー車はオフロード性能に特化していたものの、オンロードでは乗り心地が良いとはいえませんでした。

 そのため、オンロードでの操縦安定性や乗り心地に重点をおいた、トヨタ「ハイラックスサーフ」や日産「テラノ」のようなライトクロカンが誕生します。

 1990年代にはトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」が登場し、2000年頃からトヨタ「ハリアー」や日産「エクストレイル」、マツダ「CX-5」などの登場により、現在のSUVブームが確立されていきました。

 2010年代に入ると、日産「ジューク」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」、トヨタ「C-HR」など全長4mから全長4.5m以下のコンパクトSUVが登場し、それまでのSUVは大きくて扱いにくいというイメージを覆したことで、SUV市場の販売台数も伸びていきます。

 こうしたなか、さまざまな変化を経た現在の国内SUV市場の特徴として、全長4m以下のトヨタ「ライズ」&ダイハツ「ロッキー」、スズキ「ジムニーシエラ」といった小型のSUVから、全長5m弱のトヨタ「ランドクルーザー」やマツダ「CX-8」などの豊富なボディサイズがあげられます。

 パワートレインにおいてはガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車などニーズに応じて設定されています。

 では、直近の動向では国内のSUV市場にどのような変化があるのでしょうか。自動車業界関係者は次のように話します。

「直近の各社SUVに共通する部分としては、オンロード/オフロードの両方で高い走行性能を持っていることでしょうか。

 もちろん、メーカーや車種によってその性能差はあります。代表的なものではトヨタが2019年に発売した5代目RAV4がオンもオフも両立したモデルで2WDに加えて異なる3つの4WDシステムを採用しています。

 また、コンパクトSUVで売れ筋のライズでも前後輪トルクの配分を変更する機能が備わっていたり、マツダでは4WD車に悪路でのスタックから脱出するための機能を新たに備えるなど、基本はオンロードメインながらいざというときに対応出来るようなシステムを採用する例が増えています。

 これは一概にいえる理由はないですが、近年ではアウトドア・キャンプが流行っているほか、自然災害も増えていることもあり、『いざ』に対応出来るクルマへのニーズが高まっていることは背景にあるといえます」

 また、4WDを求めるユーザー動向について、東北地方の日産販売店では次のように話しています。

「元々、SUVではエクストレイルが高い悪路走破性を持っているイメージがあるからか、『2WDと4WDで悩んだが、災害時に4WDのほうが安心だからそっちを選ぶ』というような声は聞きます。

 また、先代『ノート e-POWER』では途中から4WD仕様が追加され、多くのお客さまに好評を頂いております。新型ノートではまだ4WD仕様が発売されていませんが、すでにいくつもの問合せを頂いています。

 お客さまの4WDに対する印象としては、本格的な性能を求められるよりは、お守り的に4WDを選ばれているという印象でしょうか」

※ ※ ※

 30年以上の歴史を経て、本格的な悪路走破性を目的とした4WD性能を誇るクロスカントリー車からオンロード性能(乗り心地)を重視したSUVに変化を遂げてきました。

 最近では、乗り心地を向上させつつ、万が一の状況でも対応出来る4WD性能を求めるニーズによって、ある程度の状況下であれば万能な4WDが増えてきているようです。

■なぜスバルはAWD(4WD)比率が高いのか

 世界的に見てもAWD(4WD)販売比率が高いメーカーがスバルです。

 AWDの販売比率は、国内では87.4%(OEMモデルは除く)、世界では98%という他メーカーをはるかに凌駕する数字といえます。

 とくに東北地方においては、スバルの国内登録車シェアを上回る数値となり、なかでも山形県におけるスバル車のAWD比率は95.4%(2017年度データ)にも上ります。

 これは、スバルが国内販売するモデルにおいて、「レヴォーグ」「XV、「レガシィアウトバック」「WRX S4」「WRX STI」は全車AWDのみの設定ということが挙げられるほか、売れ筋の「インプレッサ」では2WDを設定するものの、4WDの人気が高いことが要因です。

 AWDにこだわる理由について、スバルは次のように説明します。

「安全を最優先させることを目的とし、水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを組み合わせて操縦安定性を図っています。

 操縦安定性が高いということは事故などの危険回避性能が高いということであり、その結果、ハンドリング性能が良くてスポーティで楽しい走りを実現しました。

 また、水平対向エンジンとAWDの安定性だけでなく、運転支援システム『アイサイト』の全車標準搭載や視界の良さなども含めて、総合安全性能を重視しています」

※ ※ ※

 2020年では、新型レヴォーグが発売されその安全性の高さから多くのユーザーから評価されているといいます。

 なかでも、高度運転支援システム「アイサイトX」搭載グレード構成比が受注台数全体の94%と高いことからも安全性を求めるユーザーが多いことが分かります。

 近年多発する自然災害では、水害や大雪などでは最低地上高が高く4WDのほうがリスクを回避できる可能性が高いとされているほか、あおり運転や踏み間違いなど危険行為を少しでも避ける要素としてさまざまな安全装備が採用されています。

 こうした「いざというとき」に少しでも安心出来る要素が4WDや安全装備が普及する理由なのです。

こんな記事も読まれています

フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
くるくら
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
レスポンス
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
Auto Messe Web
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
Webモーターマガジン
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
レスポンス
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
くるまのニュース
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
レスポンス
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
バイクブロス
「ガソリンスタンドの屋根」が“平ら”なのはなぜ? 雨や雪が降ったらどうなる? 屋根に隠された驚きの「工夫」とは
「ガソリンスタンドの屋根」が“平ら”なのはなぜ? 雨や雪が降ったらどうなる? 屋根に隠された驚きの「工夫」とは
くるまのニュース
スタバのドリンクが飲みたいぞ! ラーメン食べたい! 失敗しないSA・PA選びは「スマホアプリ」の活用が正解だった
スタバのドリンクが飲みたいぞ! ラーメン食べたい! 失敗しないSA・PA選びは「スマホアプリ」の活用が正解だった
WEB CARTOP
東京アウトドアショー2024が開催! NEWS小山氏の愛車やランクル特別展示も
東京アウトドアショー2024が開催! NEWS小山氏の愛車やランクル特別展示も
くるくら
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
AUTOSPORT web
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
AUTOSPORT web
カツデンのスチール製カーハウス「CARKUREGA」の問い合わせが累計500件を突破
カツデンのスチール製カーハウス「CARKUREGA」の問い合わせが累計500件を突破
レスポンス
115万円から! 日産「新型コンパクトSUV」発表! 日産“唯一”の生き残りマシン! MTあり&全長4m以下の「新GEZA」インドで登場
115万円から! 日産「新型コンパクトSUV」発表! 日産“唯一”の生き残りマシン! MTあり&全長4m以下の「新GEZA」インドで登場
くるまのニュース

みんなのコメント

2件
  • いざというときだけかなあ。。FF FR、AWD 4WDLOCK付きのSUVを持っていて乗り比べているが、日常でも十分安全マージンを体感できる。
    幹線路の比較的速度の高い坂路で滑りやすい鉄の継ぎ目やマンホールの蓋を乗り越えるときにも雨で滑りやすくてもステアリングは安定しているし、高速道路での長距離運転は、横風などにも安定している。
    常時AWDで、台風の最中に仕事で高速道路を使ったときに、4WDLOCKは安定していて使えた。
    次もファーストカーにはAWD 4WDLOCK機構付き車を選ぶだろう。
  • 20年近くスキー場通いしてるけど、2年に1度は四駆だったら楽だったな・・・と思う事はある。
    FF&スタッドレスでどうしようもなくチェーンを巻いたのが5、6年に1回くらい・・・
    乗換える度に、4WDを候補に入れて一通り試乗するんだけど、今のところ最新型のスタッドレスで何とかなってる。
    居住地が豪雪エリアだったら、迷わず四駆買うんだけどなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.1565.0万円

中古車を検索
RAV4 Jの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.1565.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村