先日シルバーストン・サーキットで行なわれたF1イギリスGPの決勝レースで、メルセデスのバルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンが相次いで左フロントタイヤのパンクに見舞われた。
ハミルトンは最終ラップでのパンクであったこともあり、なんとかチェッカーまで逃げ切ることに成功。今季3勝目を挙げた。一方、2番手を走っていたボッタスは残り3周というところでのパンクであり、タイヤを交換してコースに復帰したものの、11位でのフィニッシュが精一杯だった。
■パンク多発を防げ! シルバーストン・サーキットが対策の一環で縁石を増設
ハミルトンは、このパンクの原因について、コース上に落ちていたデブリ(パーツの破片)が原因であると主張。しかしピレリは、多くのドライバーが想定以上に長い距離をハードタイヤで走ったことが原因だったと指摘した。
メルセデスは今季、革新的なステアリングシステム”DAS(二重軸ステアリング)”を使い、タイヤのウォームアップなどに役立てている。そのため今回のパンクにも、少なからず影響を及ぼしているのではないかという見方もある。
しかしチームは、イギリスGPでのパンクは、DASとは何の関係もないと主張する。
「今年はDASに関する質問を多く受けた。しかし、特にこのレースについては多いね。これが、トラブルの一因になったのではないかということについてだ」
メルセデスの戦略ディレクターである、ジェームズ・ボウルズは、そう語った。
「その答えはノーだと断言できる。その背後には、いくつかの理由があるんだ」
「まず第一に、トラブルが起きた時に向けては、使われていなかったのだ。レースの初期段階では使われたが、それだけだった」
「第2に、(マクラーレンのカルロス)サインツJr.もトラブルを経験した。彼らのマシンはDASのシステムを使っていない。そして多くのライバルが、バルテリのように振動が発生していることを訴えていた」
「これについては、我々も封じ込めることができなかった。しかし明らかに、我々は問題の悪い側にいたんだ」
なお今週末には同じシルバーストン・サーキットで、F1 70周年記念GPが開催されることになっている。このレースにはイギリスGPよりも1段階柔らかい組み合わせのタイヤが持ち込まれることになっているが、使用時の最低内圧を引き上げることで、耐久性を上げることを目指している。
またサーキット側でも、べケッツコーナーの出口に新しい縁石を設置することで、ドライバーたちがコース外を走り、そこに詰まったデブリによってタイヤを傷つけるのを避けることにつながる可能性もある。
ボウルズは、イギリスGPでトラブルに見舞われた後、メルセデスは目を皿のようにして、F1 70周年記念GPに挑むと語った。
「活かすことのできるデータは豊富にある。しかし今週末は、コンパウンドが1段階柔らかくなる」
「目を皿のようにしてシルバーストンに挑む。先週の日曜日の現実は、セーフティカーが導入したことで、すべてのドライバーに、非常に長いワンストップを科したということだ」
「どのチームももっと注意深くなり、多くの2ストップ作戦が見られると確信している。だかこれは、単にコンパウンドが柔らかくなったことによる影響だという可能性もある」
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