■三菱の「2ドアクーペ」!? 「Concept-RA」とは
現在は「アウトランダーPHEV」や「デリカシリーズ」など、電動化パワートレインと走破性の高さが売りのクロスオーバーモデルを得意とするメーカーという印象が強い三菱。
そんな三菱ですが、過去には「ランサーエボリューション」を代表とするハイパフォーマンスモデルや、「GTO」や「FTO」といったクーペモデルもリリースしていました。
【画像】超カッコイイ! 三菱の”ランエボクーペ”「C-RA」を画像で見る(30枚)
その三菱が2008年に開催されたデトロイトモーターショーで発表したコンセプトカー「MITSUBISHI Concept-RA」は、スタイリッシュなクーペフォルムとランエボ譲りの4WDシステムを組み合わせたモデルとなっていました。
当時、北米市場をメインに販売されていたクーペモデルであるエクリプスの次期デザインスタディとも言われたこのモデルは、ランサーエボリューションXにも搭載している車両運動統合制御システム「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」や、高効率トランスミッション「Twin Clutch SST」に加え、高出力・高効率の新開発クリーンディーゼルエンジンや、軽量化のためのアルミスペースフレーム構造など採用。
このクリーンディーゼルエンジンは現在デリカD:5にも搭載されている2.2リッタークリーンディーゼルターボエンジンの4N14型で、150kW/420N・mを発生させるとアナウンス。
ランエボ譲りのS-AWCのほか、ACD(アクティブセンターデファレンシャル)やAYC(アクティブヨーコントロール)に加え、アクティブステアリングやアクティブダンパーも統合制御することで、4輪の駆動力、制動力を高度にコントロールし、通常走行から緊急回避時まで様々な走行状況で駆動性能、旋回性、安定性を向上させ、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現するとされています。
エクステリアデザインは、「三菱自動車の技術のショーケース」をテーマとし、スタイリッシュなスポーツクーペのプロポーションの中に、S-AWCの効果を的確に路面に伝える大径の21インチホイールと、それを際立たせる力強いホイールアーチ、そして、外部に露出したクリーンで高性能な新開発クリーンディーゼルエンジンのエンジンカバーなど、特長的な技術を象徴にデザインしており、ドアにはコンセプトカーらしく上方に開くバタフライドアを採用していました。
ただこのモデルは新型エクリプスとして登場することはなく、エクリプス自体も2012年に終売となり、三菱のクーペが消滅してしまったのは残念なところ。
結果的にSUVに集中したことで販売面は好調となっていますが、往年の三菱ファンからしてみると1台くらいこのコンセプトモデルのようなクーペのラインナップが欲しいと思う人も多いのではないでしょうか。
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