制約から開放された斬新なスタイリング
BMWは2014年のC-エボリューションで、電動スクーターの幕を開いた。そして2022年、未来的なCE 04で次のステージへ進もうとしている。
【画像】電動スクーター CE 04 ピアッジオとハーレーも電動モデル発表 BMWの純EVも 全59枚
近年のBMWはクルマの電動化に意欲的だが、この電動スクーターもその技術を利用している。駆動用バッテリーは、自社の純EV用を小型化したものだという。
それにより開発コストを抑え、KTMやドゥカティなどライバルメーカーへ先行するかたちで新モデルの投入を可能としている。信頼性や安全性も担保できる。
CE 04で一番の話題となるのが、その見た目。従来のバイクとは異なり、エンジンの搭載位置や排気系統の取り回しから開放されることを最大限に活かし、斬新なスタイリグが与えられた。
実際、ネット上には賛否両論、様々な反応が見られる。BMWのデザイナーが意図したとおりだろう。
筆者はスペイン・バルセロナで開かれた試乗イベントで、終日観察することができたが、かなり好きだと感じた。大胆なカタチではあるが、写真で見るより実物の方が遥かにカッコいい。
見た目だけでなくCE 04は、実用的で乗りやすいスクーターでもある。0%から100%までの充電に要する時間は、英国家庭の一般的なコンセントで4時間20分。英国では850ポンド(約13万円)のオプションとなる急速充電器なら、1時間40分で完了できる。
一般的な条件として、20%から80%までなら急速充電器で45分。通常のコンセントでも、1時間40分で済むという。
最高出力42ps 最高速度120km/h
CE 04の駆動用モーターの最高出力は、42ps/4900rpm。最高速度は120km/hがうたわれる。0-50km/hの加速時間は2.6秒で、0-100km/hも9.1秒でこなす。
クルマのドライビングモードに相当する、ライディングモードは3種類。ロードとレイン、エコだ。さらにダイナミック・パッケージのオプションを追加すれば、ダイナミック・モードも選べる。このオプションには、アダプティブ・ヘッドライトも付いてくる。
ABSとトラクション・コントロールは標準装備。コーナリング中に内側へハングオンするような場面でも、それらが介入しライダーを守ってくれる。
一般的なエンジン・スクーターの場合、シートは開閉式で、その下に収納スペースがある。反面、CE 04のシートは固定式。シート下の収納スペースは横から開閉でき、ヘルメットやグローブをしまえる。携帯電話用の、防滴加工された小物入れもある。
充電ソケットは車体の右側。シート下の収納スペースと携帯電話用の小物入れ、イグニッションは、ともにキーレス仕様。ライダーがキーを持ってバイクから離れると、自動でロックが掛かる。
メーターパネルは、10.25インチのフルカラー・モニター。コネクティビティに対応し、ナビゲーションも表示できる。キーを身につけてCE 04に跨がれば、自動的にシステムオン。モニターが「Ready」状態になり、後はスロットルをひねるだけ。
操縦方法は基本的に従来の大型スクーターと同じ。ただし、極めて静かだ。
極めて安楽に都市間移動もこなせる
スロットル操作と同時にトルクが湧出し、即座に滑らかに加速する。最大値の6.3kg-mは、1500rpmで発揮するという。試乗車にはダイナミック・パッケージが追加され、ダイナミック・モードも選択可能だった。
ライディングモードを切り替えると、スロットルと回生ブレーキのマッピングが変化する。エコ・モードは穏やかに加速し、可能な限り減速時に運動エネルギーを電気エネルギーへ変換してくれる。
ロード・モードは、本来のフル加速を引き出せる。そのかわり、回生ブレーキの効きも大幅に弱くなる。
ダイナミック・モードを選ぶと、赤信号で停まった多くのドライバーを驚かせる勢いでダッシュする。白線の上では、トラクション・コントロールが介入するほど。滑りやすい英国の路面なら、警告灯が頻繁に点灯することだろう。
郊外の道へ進めば、一切のためらいなく、100km/h近くまで加速できる。極めて安楽に、都市間移動もこなせそうだ。免許の点数には気をつけたいところ。
急加速や高速走行をすれば、航続距離は標準の128kmより短くなる。とはいえ、65kmほど思うがままに走った後でも、60km近い航続距離が表示されていたから、減少率は少ないようだ。
車重は先代の電動スクーター、C-エボリューションより軽い。エンジン・スクーターと比べれば30kgほど重たいが、231kgの車重は充分に評価できる。
またBMWの技術者は、重量物を可能な限り車体の低い位置へ搭載するように設計を施した。駆動用バッテリーも路面へ近い位置にあり、実際に乗った感覚では、数字以上に軽快に感じられた。
個性的なスタイリングに扱いやすいサイズ
CE 04はリア周りを中心に車体の幅が狭く、混雑した都市部でも、流れるようにすり抜けられる。バック走行も可能で、駐輪スペースから後ろに出る時も苦労せずに済む。
シート高は780mm。BMWのエンジン・スクーター、C 400 Xより座面は高いが、幅が狭いこともあって、身長が低いライダーでも跨りやすい。ショーワ社製のサスペンションは乗り心地が少々硬めだが、シートは見かけ以上に心地良い。
都市部でのアシとして魅力的なBMW CE 04だが、値段はお高め。英国価格は1万1700ポンド(約181万円)からとなっている。試乗車の場合は1万3930ポンド(約216万円)で、エンジン・スクーターの2倍以上だ。
CE 04を買うなら、850ポンド(約13万円)の急速充電器は付けたいところ。可能なら、380ポンド(約6万円)のダイナミック・パッケージも。一方でC 400 Xは6250ポンド(約97万円)から。ガソリン代より電気代の方が安いとはいえ、考えさせられる。
鋭く静かな加速に、都市部でも取り回しやすいスリムなボディ。スタイリングも個性的で、高水準な技術も投入されている。バック走行も便利だ。価格を受け入れられるなら、CE 04は買いの電動スクーターといえる。
BMWは、最新の純EV SUV、iXのオーナーへCE 04にも乗って欲しいと考えている。どちらも街なかで目を引く存在であることは、間違いない。
BMW CE 04(欧州仕様)のスペック
英国価格:1万3930ポンド(約216万円)
全長:2285mm
全幅:855mm
シート高:780mm
最高速度:120km/h
0-100km/h加速:9.1秒
航続距離:130km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:231kg
パワートレイン:液冷永久磁石同期モーター
バッテリー:8.9kWh
最高出力:42ps/4900rpm
最大トルク:6.3kg-m/1500rpm
ギアボックス:−
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みんなのコメント
CE02に期待です。