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【最新スーパースポーツ分析】世界限定99台。イタリアの「走る宝石」。パガーニ・ウトピアのハイパーパフォーマンス!

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【最新スーパースポーツ分析】世界限定99台。イタリアの「走る宝石」。パガーニ・ウトピアのハイパーパフォーマンス!

アルゼンチン生まれの若者が実現した夢の結晶

 ホレーシオ・パガーニ、彼はまさに生きる伝説である。1980年代半ば、故郷アルゼンチンを片道のエアチケットだけを握りしめて飛び立ち、単身イタリアへと渡ってランボルギーニ社へ飛び込んだ。工場のモップ掛けからあっという間にデザイナーの地位を獲得。LM002やカウンタックアニバーサリーなどに関わった。そんなホレーシオがサンタガータを辞し「モデナデザイン」を興したのは1992年のことだった。

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 彼がランボルギーニを辞めた理由のひとつに、ランボルギーニのカーボンファイバー技術に対する不理解があったといわれている。「カーボンの時代」がやってくると確信した彼は、その開発と製造を請け負う会社を設立し未来へと備えた。
 技術と資本を蓄えたホレーシオは1999年、ついにオリジナルロードカーのゾンダC12を披露する。それはAMG製の12気筒エンジンをリアミッドに積むスーパーカーだった。2011年に第2世代となるウアイラが登場するとハイパーカー・ブランドとしてのパガーニの名声が確立される。AMG製V12エンジンは過給機付きになって、さらなる高性能を実現した。

 そしてモデナデザインの創立から数えて30周年の節目に当たる2022年、第3世代のパガーニ・ロードカーが誕生した。その名はウトピア(=ユートピア)である。
 ワールドプレミアで実物を見た第一印象は、「これぞ、まさにパガーニ」。ウトピアは「シンプル+ライトウェイト+ドライビングファン」という極めてわかりやすい開発コンセプトに基づいて開発されていた。世界でも100名前後と思われるVIPカスタマーがその3つを望んだ、とホレーシオは説明したが、それもまた当然のことだろう。なぜならゾンダもウアイラもまさにそういうクルマだったのだから。

 それゆえウトピアのパワートレーンやボディ&シャシー、エアロダイナミクスデザインは誤解を恐れずにいうと「ウアイラの発展系」と見ていい。チタン&カーボンのモノコックボディや軽量サスペンションシステムなどメカニズム面は完全に新設計としつつ、全体として見れば、パガーニに脈々と息づくDNA的なコンセプトを守り、一段と磨き上げている。

コンセプトは、かつてのグループCカーの現代版。圧倒的に速い、まさに「走る宝石」

 パガーニの生み出すハイパーカーのコンセプトは、極めてわかりやすい。グループCカーに代表される1990年代のスポーツプロトタイプの設計を手本に、ビス1本に至るまであらゆる軽量かつ高価な素材を贅沢に使い、レーシングカー的でスパルタンな車体をとびきりラグジュアリーに仕立て上げた、まさに「走る宝石」である。それは巷のスーパーカーを明らかに超越する存在だ。

 ゾンダ当時から作りは非常に贅沢だけれどもその実、設計はシンプルで、それゆえ軽量であり、パワフルなドライビングファンカーであり続けている。ボディやシャシー、パワートレーンといった個別のテクノロジーにおける進化はあっても、その個性はウアイラ、そして最新のウトピアも同様である。

 ウトピアのスタイルはゾンダとウアイラRに1960年代のスポーツプロトタイプレーサーの雰囲気を足して3で割ったようだ。このあたりはホレーシオの好みも存分に盛り込まれている。VIPカスタマーにとってホレーシオは「創造主=神」なのだから、「彼の好み=カスタマーの望むところ」でもあった。
 そして逆も然り。超高級ブランドにとってカスタマーは「もうひとりの神」だ。その最たる例が今回、マニュアルトランスミッションを復活させたこと。ラップタイムよりドライビングファンを望んだカスタマーの声を聞き入れ、開発途中に急遽、方針を転換した。

 リアミッドに搭載されるのはメルセデスAMGがパガーニだけのために設計・生産する6リッターのV12ツインターボエンジン。最高出力864hp、最大トルク1100Nmで、1000hpオーバーを見慣れた今日のスーパーカー界では物足りない数字に思えるかもしれない。が、1280kgという車重を考えれば十二分だ(パワーウェイトレシオは約1.5kg/hpと驚異的)。パガーニは以前から数字やスペックに頼らず総合的なパフォーマンスを重視してきた。世界の厳しい排ガス規制への対応もそのひとつである。

 パガーニ社の生産規模は年産最大30~50台。ウトピア・ベルリネッタの生産台数は99台に限定されており、3年以内に終了する。特別仕様の追加やオープンモデルを出すかどうかなど興味は尽きないが、それ以上に注目すべきはメルセデスAMGによるエンジン供給の行方だろう。彼らがいつまで12気筒エンジンを作り続けるのか。ホレーシオには次のアイデアがあるということだったが……。

 1990年代。ホレーシオは故郷の英雄ファン・エマニュエル・ファンジオを頼ってゾンダの基本コンセプトを確立した。その際、紹介されたのがメルセデス・ベンツのエンジン開発部門にいたディーター・ツェッチェ、後のダイムラー・ベンツ社長である。そのツェッチェはもう引退した。パガーニ「ユートピア」の未来にも注目したい。

パガーニ・ウトピア主要諸元

車名=ウトピア
トランスミッション=7AMT(Xトラック)/7MT
全長×全幅×全高=未公表
ホイールベース=未公表
車重=1280kg
エンジン=5980cc・V12DOHCツインターボ
エンジン最高出力=864hp(635kW)/6000rpm
エンジン最大トルク=1100Nm/5900rpm
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン(鍛造アルミ)
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク(ブレンボ・カーボンセラミック)
タイヤサイズ=フロント:265/35R21/リア:325/30R22(ピレリPゼロ・コルサ)
駆動方式=2WD
乗車定員=2名

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みんなのコメント

14件
  • いくらするんだろう
  • パガーニはガトリングマフラーが格好良いですね。
    庶民には買えないので、グランツーリスモで満喫してます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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