現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「平成のワゴンブーム」が勃発? 快速ワゴンが火付け役!? 全盛期のヒット車を振り返る

ここから本文です

なぜ「平成のワゴンブーム」が勃発? 快速ワゴンが火付け役!? 全盛期のヒット車を振り返る

掲載 53
なぜ「平成のワゴンブーム」が勃発? 快速ワゴンが火付け役!? 全盛期のヒット車を振り返る

■1990年代のアウトドアブームを支えたワゴン

 自動車のジャンルにも流行り廃りがあり、いま現在はSUVが流行していますが、その前の1990年代後半から2000年代まではミニバンが人気でした。

4000ccクラスの加速力! ターボ搭載の激速「マツダ3」が発売

 さらにさかのぼるとステーションワゴンが空前の大ブームで、1990年代は大型の高級車から実用的なコンパクトなモデルやスポーティなモデルまで、多くのメーカーが複数のワゴンをラインナップするほどだったのです。

 バブル前夜の1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」のヒットもあり、当時はスキーやアウトドアレジャーに注目が集まっていました。

 あわせてクルマもRV(レクリエーショナル・ビークル)が人気となり、ワゴンは「クロカン四駆」「ワンボックスカー」と並び、そのRVブームを構成する一角だったのです。

 そんなワゴン人気の火付け役となったモデルが、1989年に発売されたスバル「レガシィツーリングワゴン」です。

 それまでワゴンといえば商用車「ライトバン(以下、バン)」と同じボディで内装を豪華に仕立て乗用車登録にしたクルマがほとんどでしたが、レガシィはバン仕様を持たない乗用車専用設計で登場。

 バン兼用ワゴンにどことなく漂う所帯じみた雰囲気がなく、フォーマルなシーンにも似合うとデビュー早々から支持されました。

 以降、ライバル各社が続々とレガシィに続くワゴン車を登場させ、日本はワゴン全盛期を迎えるのです。

 数多く発売されたワゴンも、じつは4つの系統に分類することができます。それぞれどのような車種があるのか、日本のワゴン史を振り返ってみます。

●スポーツワゴン系

 RVブームという追い風もあり、スバルが培ってきた4WD技術を採用したレガシィ ツーリングワゴンは瞬く間に人気車種となりました。その人気を不動のものにしたのが、約8カ月遅れで追加されたターボ+4WDの「GT」グレードです。

 1989年は日産「スカイラインGT-R(R32)」や「フェアレディZ(Z32)」などが登場し、ハイパワー競争の激化が始まった年でもあります。

 そんななか、世界でもあまり例のない快速ワゴンがデビューしたのですから人気にならないわけがありません。

 レガシィ ツーリングワゴン GTの大ヒットに刺激を受けて誕生したのが、日産初代「アベニール」やトヨタ2代目「カルディナ」のターボ仕様です。

 それぞれ日産「シルビア」、トヨタ「セリカ」の心臓が与えられたホットモデルで、レガシィツーリングワゴン GTが200馬力だったのに対し、アベニールは210馬力、カルディナは260馬力もの最高出力を誇りました。

 圧巻だったのは、1997年に日産「ステージア」に追加された「260RS」グレードです。

 オーテックジャパンが手掛けたモデルで、「スカイラインGT-R(R33)」のエンジンやドライブトレーン、リアサスを流用したモンスターマシンでした。

■ワゴンブームの輸入車代表は四角くも新しいボルボ

●輸入ワゴン系

 ワゴンブーム以前から輸入ワゴンはいくつか日本で販売されていましたが、本格的に人気に火がついたのは1993年に登場したボルボ「850エステート」からでしょう。

 同社のロングセラーだった「240」の後継として開発されたモデルで、FRの240とは対照的に、850エステート直列5気筒エンジンを横向きに搭載するFFレイアウトを採用。

 ボルボらしいスクエアさと新しさを両立したスタイリングは、ちょっと余裕のある生活をイメージさせると好評でした。

 当時の輸入ワゴンはこの「余裕」がキーワード。裕福さの象徴ともいえるメルセデス・ベンツ「ミディアムクラス」のワゴンモデルは、850エステートと双璧をなす人気車でした。

 また、ロングバケーションをイメージさせるフランスのプジョー「405ブレーク」や、アメリカのスケール感を味わえるフォード「トーラス」も、違った意味での余裕を感じさせると人気だったクルマです。

 なお、前出のステージアは、850エステートの影響を受けて開発されたモデルといえました。

●逆輸入ワゴン系

 日米で「レガシィ」のライバルとなるホンダ「アコード」も、レガシィから遅れることおよそ2年、1991年にワゴンモデルを発売。

 車名が「U.S.アコードワゴン」とされたことからもわかるようにアメリカ工場で生産された逆輸入車で、その特別感とシンプルで綺麗なスタイリングを武器に好調なセールスを記録しました。

 セダンは5ナンバーに収まるクルマでしたが、ワゴンのボディはバンパーやモールで拡大され、エンジンも2.2リッターに排気量アップ。5ナンバー枠を超える贅沢なクルマという位置付けでした。

 このような逆輸入ワゴンは、同じくアメリカ生産のトヨタ「セプターワゴン」や、オーストラリア生産の三菱「ディアマンテワゴン」がありましたが、アコードほどのヒットには至りませんでした。

●ハッチバックワゴン系

 ワゴンの魅力はたくさんの荷物を積めることですが、スポーティさを追い求めた結果か、あるいはブームに便乗するために名乗っただけなのか、ワゴンというにはラゲッジスペースが心許ないクルマも登場しました。

 代表的なのが「レガシィ」の弟分であるスバル「インプレッサ」です。

 インプレッサは「スポーツワゴン」を名乗っていましたが、そのラゲッジルームは同クラスのハッチバック車と同等。

 サスペンションやホイールハウスの室内への張り出しが大きくお世辞にも使いやすいとはいえませんでしたが、それは圧倒的な運動性能を誇る「WRX」グレードを設定するなど高性能な足回りを収めるために仕方がなかったのでしょう。

 同様に、マツダ「ファミリアSワゴン」やフォード「フェスティバミニワゴン」もハッチバックの域を出ないショートワゴンです。

 逆にワゴンを名乗らなかったのに狭いワゴン扱いされていたのがトヨタ「アルテッツァジータ」でした。

※ ※ ※

 現在、日本で販売されている国産メーカーのワゴンは、トヨタ「カローラツーリング/カローラフィールダー」とスバル「レヴォーグ」、マツダ「マツダ6ワゴン」、ホンダ「シャトル」など、全盛期と比べるとずいぶん寂しい状況です。

 とはいえ、当時のRVブームを担ったワンボックスカーはミニバンに、クロカン四駆はSUVへと進化し、再び日の目を見ています。

 ワゴンもまた違った形で人気が再燃するかもしれません。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

クルマ好きにとって「大きな瞬間」 ジャガーFタイプ クーペボディとのお別れ 長期テスト(最終)
クルマ好きにとって「大きな瞬間」 ジャガーFタイプ クーペボディとのお別れ 長期テスト(最終)
AUTOCAR JAPAN
角田、速さを生かせずSQで15番手「1周アタックで戦ったがうまくいかず」チームは「裕毅の判断は正しかった」F1第6戦
角田、速さを生かせずSQで15番手「1周アタックで戦ったがうまくいかず」チームは「裕毅の判断は正しかった」F1第6戦
AUTOSPORT web
GT300予選でヨコハマがトップ3独占。タイヤ無交換を武器とするブリヂストンには「速さで勝負」
GT300予選でヨコハマがトップ3独占。タイヤ無交換を武器とするブリヂストンには「速さで勝負」
AUTOSPORT web
もう暑い!? 外出前に日焼け対策、自転車に乗る時は必須!!
もう暑い!? 外出前に日焼け対策、自転車に乗る時は必須!!
バイクのニュース
「200km以上」もSA/PAが無い! 高速道路の「空白区間」に要注意! トイレ休憩も困る「一番距離が空いた場所」はどこ?
「200km以上」もSA/PAが無い! 高速道路の「空白区間」に要注意! トイレ休憩も困る「一番距離が空いた場所」はどこ?
くるまのニュース
ニューウェイ離脱はレッドブル崩壊ドミノの最初のピース? マクラーレンCEO、飛び交う『履歴書』の数から確信か
ニューウェイ離脱はレッドブル崩壊ドミノの最初のピース? マクラーレンCEO、飛び交う『履歴書』の数から確信か
motorsport.com 日本版
全国初! 元からあった信号を撤去してのラウンドアバウト式交差点設置を追いかける[復刻・2013年の話題]
全国初! 元からあった信号を撤去してのラウンドアバウト式交差点設置を追いかける[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
メルセデス、今の苦戦は”対策のしすぎ”が原因!? ラッセル「昨年の問題を解決するために、やりすぎてしまった」
メルセデス、今の苦戦は”対策のしすぎ”が原因!? ラッセル「昨年の問題を解決するために、やりすぎてしまった」
motorsport.com 日本版
車名がそのままブームの名前ってスゴくないか!? バブルを地でいく「初代シーマ伝説」が衝撃だった
車名がそのままブームの名前ってスゴくないか!? バブルを地でいく「初代シーマ伝説」が衝撃だった
WEB CARTOP
「アルファード」フォロワー続々! 北京モーターショーで見た「衝撃の高級ミニバン」10選
「アルファード」フォロワー続々! 北京モーターショーで見た「衝撃の高級ミニバン」10選
レスポンス
「大阪‐橋本」最短ルートがよりラクに! 長さ2kmの国道371号“新トンネル”ついに6月開通
「大阪‐橋本」最短ルートがよりラクに! 長さ2kmの国道371号“新トンネル”ついに6月開通
乗りものニュース
ワケありのフィアット「500」がオークションに! オーナーはかつての総帥!? 別荘での移動用に仕立てられた「特別なオープンカー」の正体とは
ワケありのフィアット「500」がオークションに! オーナーはかつての総帥!? 別荘での移動用に仕立てられた「特別なオープンカー」の正体とは
VAGUE
バイクのライディングを基礎から学んでツーリングへ出かけよう!「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのライディングを基礎から学んでツーリングへ出かけよう!「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
ペナルティもらいまくりで大暴れのマグヌッセン、ひとまず追加の罰則はなし。しかしスチュワードは再発防止のため、規則の見直し検討へ
ペナルティもらいまくりで大暴れのマグヌッセン、ひとまず追加の罰則はなし。しかしスチュワードは再発防止のため、規則の見直し検討へ
motorsport.com 日本版
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第4回】ピニンファリーナのコントロール
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第4回】ピニンファリーナのコントロール
AUTOCAR JAPAN
切り絵が生み出す二次元を超えた「2.3Dの世界」/稲垣利治さんの代表作・好きな作品
切り絵が生み出す二次元を超えた「2.3Dの世界」/稲垣利治さんの代表作・好きな作品
カー・アンド・ドライバー
1098万円から新型「Eクラス オールテレイン」が登場!「SUVでもなくワゴンとも違う」使えて遊べるメルセデスとは
1098万円から新型「Eクラス オールテレイン」が登場!「SUVでもなくワゴンとも違う」使えて遊べるメルセデスとは
Auto Messe Web
【ロイヤルエンフィールド】から新「INT650」が発売!新色DARKのブラックアウトエンジン、マフラー、ホイールに注目!  
【ロイヤルエンフィールド】から新「INT650」が発売!新色DARKのブラックアウトエンジン、マフラー、ホイールに注目!  
モーサイ

みんなのコメント

53件
  • 皆、今売ってるクルマよりカッコいい
  • 格好良さ・性能と実用性・積載性を兼ね備えた車がステーションワゴンだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索
レガシィの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村