今や皆無ながら、かつては国産各メーカーがラインナップ!
5ナンバーサイズに収まる手頃なワゴンが激減している。2020年10月末現在、5ナンバーサイズのワゴンは、ホンダ シャトルと新型に移行しながらまだ併売されているトヨタのカローラフィールダーのみ。商用モデルも含めればプロボックスもあるが、まさに風前の灯火といえる。
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しかし、2000年代前半までトヨタ、ホンダ以外にも日産、マツダ、三菱など各メーカーが5ナンバーサイズのワゴンをラインナップしていた。
手頃な価格とサイズのなかに、人と荷物をきっちり積める。そんなコンセプトを持つモデルたちは今こそ魅力的に映るかもしれない。
文/片岡英明、写真/TOYOTA、MAZDA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI
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■懐かしのビスタから生まれた個性派ステーションワゴン
●トヨタ ビスタアルデオ
トヨタ ビスタアルデオ(1998年-2003年)/全長4,645×1,695×1,505mm
ビスタアルデオは、20世紀にビスタ店の主力ファミリーカーだった「ビスタ」から生まれた個性派のステーションワゴンである。
ビスタが登場したのは1982年だが、98年にモデルチェンジして5代目になった時、初めて5ドアのワゴンを設定した。初代に5ドアのハッチバックが用意されていたが、本格的なワゴンを送り出すのは初の試みだ。
5代目ビスタは、パワーユニットだけでなくパッケージングも新しい意欲作だった。時代に先駆けて2700mmのロングホイールベースを採用し、背も100mmほど高くしているから、快適な座り心地と優れた乗降性を実現している。視線もちょっと高いから運転しやすい。
優れたパッケージングの4ドアセダンをベースに設計したから、ビスタアルデオは群を抜いて使い勝手のいいワゴンに仕上がった。キャビンは前席も後席も余裕の広さだ。もちろん、ラゲッジルームは驚くほど広大だ。フロアの形状もいいから荷物を積みやすかった。
エンジンも時代の先端を行っている。主役はD-4のニックネームを持つ2Lの直列4気筒直噴DOHCエンジンだ。1.8Lエンジンも用意されている。どちらも気持ちよく回り、燃費もよかった。
サスペンションもよかったからハンドリングも軽やかである。だが、デザインに若さがなかったためか販売は伸び悩み、2003年に消えていった。
■20世紀のマツダを牽引してきた一等星
●マツダ カペラワゴン
マツダ カペラワゴン(1994年-2002年)/全長4,515×1,690×1,375mm
ファミリアとともに20世紀のマツダを牽引してきたのがカペラだ。1970年にロータリーエンジン専用車として鮮烈なデビューを飾り、82年にモデルチェンジした4代目から駆動方式はFFになる。また、5ドアのハッチバックも投入した。このカペラは日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。
そして1997年秋に誕生したカペラが最後のカペラになった。プラットフォームを一新し、ワゴンも最新のファッションをまとっている。エンジンは2Lの直列4気筒DOHCが主役で、実用域のトルクが太く、扱いやすかった。
また、一歩先を行くワゴンとSUVのクロスオーバーワゴンを送り込み、注目を集めた。フロントバンパーをガードバー風のデザインとし、丸型フォグランプを組み込んでアウトドア派を喜ばせている。
が、車種を広げすぎ、安売りしたツケがマツダを苦しめ、良質なカペラワゴンの魅力はかすんでしまう。そして2002年に惜しまれつつカペラは消滅する。
■ファッション性を加味した欧州風ステーションワゴン
●日産 アベニール
日産 アベニール(1990年-2005年)/全長4,460×1,695×1,460mm
それまでのステーションワゴンは、ライトバンを発展させた格好だけのものだった。
が、1980年代後半からアウトドアブームが到来し、この機をとらえ、欧州のワゴンのように、ファッション性を加味したステーションワゴンが次々に登場。1990年5月にデビューした日産のアベニールも、時流に乗って登場したミドルクラスのワゴンである。
それまで日産にはスカイラインとブルーバードにワゴンが用意されていた。この両者を統合する形で登場したのがアベニールだ。だが、ワゴンだけでは多くの需要を望めないので、ライトバンのアベニールカーゴも設定した。
ストラットとトーションビームの組み合わせによりキャビンだけでなくラゲッジルームは広く、荷物を積みやすい。FF車だけだったが、5か月後にフルタイム4WDのアテーサを追加し、ファン層を広げている。途中でアベニールサリューと名を変えた初代アベニールはクリーンヒットを飛ばした。
そして1998年夏に2代目アベニールがベールを脱いでいる。フラッグシップは初代の最終型で加わった2LのSR20DET型直列4気筒DOHCターボ搭載車だ。4WDと組み合わせ、道を選ばないスポーツワゴンとなっている。
フロント周りをラギット感のある精悍なデザインにアレンジしたGT4が好評だったので、後期モデルは顔も力強い。が、日産の経営立て直しのあおりを受け、2005年に消滅した。使い勝手のよさがウケていただけに残念だ。
■シビックによく似た本格派
●ホンダ オルティア
ホンダ オルティア(1996年-2002年)/全長4,570×1,695×1,450mm
シビックには知る人が少ないが、ライトバンが用意されていた。これを発展させたシビックカントリーが2代目に設定され、ちょっと小粋なワゴンとして持てはやされている。
その後は背の高いシビックシャトルが主役の座に就いたが、6代目シビックの時、本格派のステーションワゴンがデビューを飾った。それが1996年2月に発売されたオルティアだ。
シビックを名乗っていないが、メカニズムは6代目シビックのものを用い、デザインもよく似ていた。ポジションとしては、シビックシャトルの後継ワゴンと位置付けられている。
シビックよりボディサイズは大きく、延びた分の大半はラゲッジルームに当てられた。だから広かったし、フロア形状もよかったから荷物を積みやすい。かさばる荷物だけでなく長尺物も難なく飲み込む。
ガラスハッチも重宝した。エンジンもパワフルだ。車格より大きい1.8ℓと2ℓの直列4気筒DOHCだから余裕があった。
また、5速MTならスポーツモデルを追い回せるほど速い走りを見せる。サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンだから気持ちいい走りを楽しめた。
使い勝手のいい魅力的なステーションワゴンだったが、ストリームの登場によって販売が落ち込み、2002年に自然消滅している。
■今の時代にこそ欲しい走れるスポーツワゴン
●三菱 ランサーワゴン
三菱 ランサーワゴン(1985年-2007年)/全長4,185×1,635×1,420mm
ミラージュと兄弟関係にあるランサーには、ミラージュワゴンのボディをアレンジしたスタイリッシュなステーションワゴンが存在した。
ラリーで大暴れした初代ランサーにワゴンを設定していたが、今につながるステーションワゴンが登場するのは1985年。その後、ランサーは4ドアセダンだけになり、ワゴンはリベロを名乗って販売を続けた。だが、脇役に甘んじている。
この地味なイメージを覆したのが2000年5月に登場した6代目ランサーだ。このときから「ランサーセディア」を名乗り、11月にはセディアワゴンを送り出している。
そして再びランサーと名を戻した2004年にはラリーアートの名を冠したスポーツグレードを送り込む。その尖兵としてワゴンにはTツーリングを設定している。これは直噴のGDIを採用した1.8Lの直列4気筒DOHCエンジンにインタークーラー付きターボを搭載した4WDスポーツワゴンだ。
これを発展させたランサーエボリューションワゴンは2005年9月にベールを脱ぎ、クリーンヒットを飛ばしている。
こちらは3ナンバー車だが、5ナンバー枠のなかで最高を狙ったランサーセディアワゴンの素性がよかったから生まれてきた。目立たないが、セディアワゴンが残した功績は大きい。今の時代にこそ欲しい、ミドルクラスのスポーツワゴンだ。
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