ニュルブルクリンク24時間レースで2度の総合優勝を記録し、2018年ブランパンGTシリーズ(現GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ)・エンデュランスカップではシリーズチャンピオンを獲得したブラックファルコンが、今シーズン予定していたトップレベルのGT3レースから撤退すると発表した。
ドバイ24時間レースでも通算5度の優勝回数を誇るドイツの強豪GT3チームは、メルセデスAMGとパートナーシップを結び、長く成功したチームとしてよく知られる存在だ。また、2019年はスパ24時間レースに挑んだグッドスマイル・レーシングとジョイントし、初音ミク、プロメアカラーのメルセデスAMG GT3を走らせたことでも注目を集めた。
元ブラックファルコンのフバート・ハウプトが自チームHRT設立。メルセデスの支援うけGT3レース参戦へ
そんなブラックファルコンは6月18日、新型コロナウイルスのパンデミックによる財政的影響に対処するため、ファクトリーが支援するモータースポーツ・プログラムを縮小するとアナウンス。
これは2020年シーズンのGTワールドチャレンジ・パワード・バイ・AWSやIGTCインターコンチネンタルGT3からの撤退を意味する。チームは今後、ポルシェカレラカップ・ドイツ、フェラーリチャレンジ、ニュルブルクリンクや24Hシリーズでのシングルメイクコンペティションでのカスタマーレーシングに注力する予定だという。
ブラックファルコンのマネージングディレクターを務めるアレクサンダー・ボエムは、新型コロナウイルスの“パンデミック”がチームのプロGT3レースを継続させる能力に悪影響を与えたと説明した。
「この3カ月間はチームの15年の歴史の中でもっとも困難な時期だった」と彼は述べた。
「大規模イベントの開催禁止はチームのほぼすべての事業領域に影響を及ぼし、現在90%以上の売上損失を引き起こしている」
「そのため、我々は少なくとも2021年の終わりまでプロGT3スポーツから撤退することを決めた。つまりワークスドライバーが割り当てられるファクトリーサポートから外れることになる」
「当然、これは心が痛む決定だが、残念ながらブラックファルコンの経済的安全にとって避けられないことだった」
ドイツチームは当初、2020年シーズンのGTワールドチャレンジ・エンデュランスカップに、2台の新型メルセデスAMG GT3で参戦すると発表していた。しかしProクラスのラインアップは、同チームのドライバーであるフバート・ハウプトが率いる新しいレースチームに移ることで撤回された。
ブラックファルコンは新たな顧客獲得競争に向けた取り組みの一環としてGT3カーの運用を継続するとともに、今後はメルセデスAMGとポルシェのGT4カーを使ったプログラムを行う予定だ。また、チームは世界的な健康危機の間に設立したプロ・シムレーシングチームの育成を継続していくという。
チーム人事では、ティモ・フリンクスが新しい責任者として組織に参加。ボエムは引き続きマネージングディレクターを担当し、ニコ・ドリーディガーがテクニカルディレクターを務める。
元チーム代表のショーン・ポール・ブレスリンを含む数名の元ブラックファルコン幹部は、新しく立ち上げれたハウプト・レーシングチームに籍を移している。
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