3月1日から3日にかけて、愛知県蒲郡市を拠点に2024年シーズンの全日本ラリー選手権第1戦『Rally三河湾2024 Supported by AICELLO(ラリー三河湾)』が開催された。TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)の眞貝知志/安藤裕一組は、今大会にトヨタGRヤリスGR4ラリーDATで出走。初日レグ1でのアクシデントにより戦線離脱を余儀なくされたが、懸命の修理を受けて最終日に再出走し完走を果たした。
人材育成とモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりの実践を目的に、全日本ラリーに参戦しているTGRは、2024年シーズンは前年の知見をフィードバックすることで進化を果たした、DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)を搭載した『GRヤリスGR4ラリーDAT』でトップカテゴリーのJN-1クラスに参戦する。
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また、チームは新たなシーズンを迎えるにあたり、WRC世界ラリー選手権を戦うGRヤリス・ラリー1と同様にマシンのカラーリングをマットブラックを基調としたカラーに変更している。
今季の開幕ラウンドとなったラリー三河湾は、2023年まで行われてきた新城ラリーに代わって新たにカレンダーへと追加されたターマック(舗装路)ラリーだ。高低差のあるワインディングロードや小さなコーナーが連続するタイトな林道、竹島ふ頭を利用したフラットな特設コースなど、バリエーションに富んだSSが特徴。今回は参加者全員にとって初めて走るラリーとなり、事前に行われるレッキ(ステージの下見走行)が非常に重要なものとなった。
ラリーは3月1日夕方に蒲郡駅前南口で行われたセレモニアルスタートで開幕し、本格的な競技は翌2日からスタート。眞貝は初めて走行する三河湾のSSを慎重なペースで走行し、序盤は6番手につけた。しかし、日中のサービスを挟んだ午後のセクション、スパ西浦モーターパークに設けられたスーパーSSで右フロントをヒット。足まわりにダメージを負ったことで戦線離脱を余儀なくされてしまう。
その後、マシンはメカニックたちの懸命な修理を受けて最終日のレグ2で再スタートが切れる状態に。再出走を果たした眞貝は、自動変速のDレンジやパドルシフトを操作するMモードでの走行を実施。そのなかで最終日に行われた6本のSSをすべて走り切り、今後のラリーに向けて貴重なデータをチームへ持ち帰った。
チーム監督の豊岡悟志氏は競技初日のアクシデントについて、ラリーでは普通に起きるものだとコメントした。
「フェンダーから少し出たタイヤだけがヒットするという、まさに紙一重の状況でしたが、それだけ攻めることができていたのだと思います。デイリタイアは望んだ結果ではないので残念ですが、(チームの)新しいメンバーが夜のうちにクルマを直して最終日に出走させられたのは、チームとして良い経験です」
眞貝は「ドライバーとして、自分のミスで結果を残せなかったことに対し、チームおよび関係者の皆さんに申し訳なく思っています」と述べつつ、次のようにラリーを振り返った。
「時間をかけてクルマをしっかり直していただいたこともあって、最終日は気持ち良く走ることができました」
「DATを搭載したラリーカーで走り始めて2年目になりますが、全日本ラリー選手権でのデビュー戦だった昨年の第2戦新城と比較すると、例えば長いSSにおいても熱の問題がなくなったことや、変速制御が格段に乗りやすくなったことなど、1年間の積み重ねと進化を実感しています」
「今回もセクションごとに、自動変速するDレンジとマニュアル操作するMモードを切り替えて走り、今後に向けてさらなる改善を果たすための課題を得ることができました」
TGR-WRJとGRヤリスGR4ラリーDATが挑む全日本ラリー選手権の次戦、第2戦『ツール・ド・九州2024 in 唐津』は4月12~14日に佐賀県の唐津市を中心に開催される予定だ。
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