【復刻記事】積みやすく安定性大低床の良さが光る!
バイクが積めるホンダの新型軽バン“N-VAN(エヌバン)”に、実際にリッターマシンを積んで走ってみた。果たして走行性能やいかに。
【〇】ホンダセンシングが安全運転をサポート
2018年7月の発売以来、販売計画を5倍近く(2018年11月現在)上回る勢いで売れているホンダのN-VAN。先月号でCBR1000RRやCB1300SFなどが積めることを紹介したが、今回は積載状態での走りにフォーカスしてこの新型軽バンを試乗した。
空荷状態での走りは、トールワゴンタイプながらも安定性があり、また助手席センターピラーレス構造を感じさせないほど剛性感が高い。試乗車はターボ付きで、自主規制上限の64psを発揮。ミッションがCVTのためかレスポンスはやや緩慢な印象だが、それでも1トンに迫る車体をグングンと加速させる。運転席は居住性が高く、総じて好印象だ。
続いて、車重212kgを公称するCB1000Rを積載した状態で走行してみる。最大積載量の350kgまでにはまだ余裕はあるが、やはり加速はそれなりに遅くなる。とはいえ、感心したのはハンドリングの変化が少なかったこと。バイクがきちんと固定できているか否かにも左右される要素だが、これは低床設計による低重心が利いているはず。付け加えると、ブレーキの絶対制動力にも余裕があり、止まりきれなそうという不安なシーンは皆無だった。
このNーVAN、全車にホンダセンシングが標準装着される。衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリングなどがこのシステムに盛り込まれており、特に便利だと感じたのはアダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムだ。あくまでも安全運転をサポートするものだが、この2つを利用したときの疲労感は明らかに少ない。遠方のサーキットに通う人にとって大きな味方となるはずだ。
―― 【HONDA N-VAN+STYLE FUN・Turbo Honda SENSING〈FF/CVT〉 色:黄、白、灰、黒、青、桃、緑 価格:166万8600円】4タイプに大別でき、全車が安全運転支援システムの“ホンダセンシング”を標準装備する。
【×】実燃費は低くなりそう タンク容量も少なめだ
流れに乗って走っていても平均燃費の表示は12km/L前後と低く、バイク積載状態だとさらに悪化する。しかも、タンク容量がFFでも27L(4WDは25L)と少ないので、遠征の際は頻繁に給油する必要がある。
【結論】トランポとして十分以上の性能 走りも及第点だ
助手席とリヤシートの居住性は商用車の平均レベルであり、長距離はやや辛いかも。とはいえ、ここまでトランポとして使えるとは驚きであり、そろそろ保安部品を外してレースに出ようか、などと考えている人には打って付けだ。
助手席を畳めば約2.6mの荷室長
―― 人気の軽ワゴンN-BOX(エヌボックス)のプラットフォームをベースに商用車向けに専用設計。画期的な助手席ダイブダウン機構と助手席側センターピラーレス構造により、長尺物の積載と積み降ろしのしやすさを達成している。
リッターバイク+2名乗車にトライ!
―― N-VANへの積載を試みたのはホンダのCB1000R。まずはダイブダウン機構により助手席と左右リヤシートを倒してフルフラットに。続いて助手席の上にフロントホイールクランプスタンドを置き、ラダーレールを使ってバイクを積み込む。このとき、左側のミラーのみ内側に向けたが、開口部が高いため外さなくても済んだ。
―― 左のバーエンドがスライドドアの内側に、またラジエターシュラウドが運転席のアームレストに干渉するなどの問題が発生したが、スタンドの位置を微調整することでおおよそ解消できた。最後に右側のリヤシートを起こして完成だ!
―― バイクを積載するだけならラダーレールが入ればいいが、レースやサーキット走行となると工具箱やレーシングスーツ一式なども積む必要があるので、2名乗車はかなり厳しめだ。現実的には1名乗車か。
―― バイクを固定するためのタイダウンフックは全部で8か所あり、増設する必要性はほぼ皆無。フックの位置が適切で、前後のサスをしっかりと縮めて固定できる。強度的にも心配なしだ。
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